初夏を迎えるこの季節、公園や植物園の主役はツツジやサツキです。低木の花木ですがぎっしりと密集して咲く姿からは、花木たちの歓びの声が聞こえてきます。咲いている場所があまり広くなくとも、レンズの選択や撮影時ポジション、アングルの工夫により、豪華で広がりのある「ツツジが咲く様子」を表現できます。
低木のツツジやサツキを写す時は、背景に地面が写りこまないようアングルに注意します。広角レンズで被写体に近づき、見上げるようなアングルで撮影することで地面が写り込まず遠近感も強く表現できます。タテ位置の構図にすることで奥行きと高さを出し、臨場感あふれる作品になっています。順光になる位置からの撮影です。
レンズ:AF-S DX Zoom-Nikkor 12-24mm f/4G IF-ED
焦点距離:12mm
絞り値:f/22
シャッタースピード:1/90秒
ホワイトバランス:晴天
露出モード:絞り優先オート
測光モード:マルチパターン測光
露出補正:0段
フォーカスモード:AF-S
ISO感度設定:オート (ISO 400)
その他使用機材:円偏光フィルターII 77mm
広い室内や大きな建造物の外観、広大な風景も、ワイドな画角で存分に写し込める、自然な描写の超広角ズームレンズです。
画面の左右にある大木をシルエットにし額縁効果を狙ったことで、鑑賞者の視線をミツバツツジに集中させ、彩りの少ない中で存在感を高めています。主役のミツバツツジを小さく扱ったのがポイント。
むせかえるような新緑の中にツツジの色が鮮やかに浮かび上がっています。雨は花木たちに精気を与え、いきいきとした雰囲気を醸し出してくれます。赤と緑だけでは単調すぎるため、画面の上に太い幹を入れ変化をつけました。雨上がりのしっとり感がポイント。
撮影・解説:柿本 完二