被写体に対して光が全体的に当たっていると、平凡な作品になりがちです。光の当たっていない日陰の花、部分的に当たっている花などにも注目し、表現のバリエーションを増やしてみましょう。
花の標本写真にならないよう、プラスアルファを考え寺社の参道を入れてみました。道には適度に木々の影があり、花に直接光が当たっていないため、ひっそりとしたやさしい雰囲気に仕上がりました。太陽が真上にある時間帯に、手持ちで撮影しています。
レンズ:AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
焦点距離:32mm
絞り値:f/4.5
シャッタースピード:1/800秒
ホワイトバランス:晴天
露出モード:絞り優先オート
測光モード:マルチパターン測光
露出補正:-0.3段
フォーカスモード:AF-S
ISO感度設定:ISO 800
VR機構を搭載し、NIKKOR初のED非球面レンズを採用。極限の画質を追求した高性能大口径標準ズームレンズ。
望遠レンズのボケ効果をいかすため、絞りを開放気味(f/5)にしたことで背景のうるささが処理できました。背景にはしっかり光が当たり、手前のアジサイにはほとんど光が当たっていないため、シルエットになりました。花を小さく扱ったことでかわいらしさも表現できました。
木々の間からひとすじの光がまるでスポットライトのように差していました。花の色を飛ばさず、かつ背景が暗くなるように、マイナス(-1.3)の露出補正です。葉の対角線上に伸びる葉脈の先も意識しています。
撮影・解説:芳賀 健二