寒くて厳しい冬を耐え忍んできた木々たちは、暖かな陽光が降り注ぐ春になると色とりどりの花を咲かせます。そんな中でも「サクラ」が咲くと、春が来たと実感できるのではないでしょうか。写し方やレンズの選択次第で、かわいらしくも、躍動的にも表現できる春のシンボル。散った後の季節の移ろいなどを作品にすることも考えられます。
シンプルな美しさを表現するために、花曇りの空を背景に一輪の花を+1の露出補正で明るく撮影しています。105mmのマイクロレンズでやや見上げるような角度で主役に近づいて、絞りもf/4に設定。浅い被写界深度を生かし背景をぼかして主役を浮かび上がらせたことで「はんなり」と美しい印象に仕上がりました。
レンズ:AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
焦点距離:105mm
絞り値:f/4
シャッタースピード:1/200秒
ホワイトバランス:晴天
露出モード:絞り優先オート
測光モード:マルチパターン測光
露出補正:+1.0段
フォーカスモード:マニュアル(M)
ISO感度設定:ISO 100
細部までシャープに再現しながら硬質なだけではない味わいのある描写が、クローズアップ撮影はもちろん、105mmの焦点距離を活かしたポートレート撮影にもピッタリです。
広角レンズでしだれ桜の下に入って見上げるように撮影しています。画面全体を覆うように細い枝が黒く写ったことで躍動感のある印象になりました。広角レンズの遠近感がポイントです。
動感を出すために水面を流れるサクラを1/2秒のスローシャッタ―で撮影しました。岸辺の木の緑と止まっている花弁で、季節の移り変わりも表現しています。右上から左下へと水面を配置し、奥行き感を出すのがポイントです。
撮影・解説:柿本 完二
被写体についての知識や理解を深める。今までとは違う視点で被写体をみて、感じる。被写体を知ることで作品作りがより楽しく豊かなものになるかもしれません。ここではサクラについて、ご紹介しています。