春の日差しが降り注ぎ、花木や草花たちが美を競い合っています。細い茎に不釣り合いなほど大きなお椀状の花を咲かせる、赤や黄色、白のチューリップは見ているだけで楽しくなります。肉眼では見ることのできない大きなボケを演出し、光の扱い次第でより春の華やかな陽光を写し出します。
多くの花が咲く春の植物園から受けるイメージは「陽光」と「彩り」です。トップライトの時間帯に撮影したため、お椀形のチューリップの中に光が当たり、かわいらしさと春の光が強調されました。マイクロレンズで近づいて真横から一輪を大きく撮ったことで、背景のボケも大きくなりイメージ通りの作品に仕上がりました。
レンズ:AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
焦点距離:105 mm
絞り値:f/5.6
シャッタースピード:1/1500 秒
ホワイトバランス:晴天
露出モード:絞り優先オート
測光モード:マルチパターン測光
露出補正:0段
フォーカスモード:マニュアル(M)
ISO感度設定:ISO 400
細部までシャープに再現しながら硬質なだけではない味わいのある描写が、クローズアップ撮影はもちろん、105mmの焦点距離を活かしたポートレート撮影にもピッタリです。
水辺の春とリズム感を表現するために、背景の水面が光るのを待って撮影しました。チューリップを横一列に並べるようにするのがポイントで、五線譜上の音符のようなリズムが表現できました。三脚を使い画面が傾かないよう注意します。
さまざまな色のチューリップを、バランスと広がりに注意しながら円形上に配置。童謡「チューリップ」を思わせるような軽やかで楽しい雰囲気が生まれました。 画面全体にピントが合うよう、広角レンズを絞り込んで写しています。
撮影・解説:柿本 完二