視覚では見ることのできないボケ効果は、写真ならではの表現です。望遠系レンズを使って絞りを開け気味にし、被写体に近づくことでボケの具合が大きくなります。背景の色合いや様子などに気を配りながら、やさしい雰囲気になるようにサクラを撮影しました。
ほぼ満開で薄いピンクのサクラを選びました。ややしだれ気味の枝も美しく、ぼかした後方のサクラの後ろには、薄いブルーの色合いが出るよう気を配っています。露出はややオーバー気味にしてさわやかでやさしいサクラの感じを狙いました。目の高さから、カメラは手持ちでの撮影です。
レンズ:AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II
焦点距離:200mm
絞り値:f/3.5
シャッタースピード:1/1000秒
ホワイトバランス:晴天
露出モード:絞り優先オート
測光モード:マルチパターン測光
露出補正:+1.3段
フォーカスモード:AF-S
ISO感度設定:ISO 400
やや曇り気味の日でしたが条件的には逆光に近い状況のため、思い切って露出オーバー(+2.7)にして背景を白く飛ばしました。時には大胆な露出補正をすると、今までにない面白い作品が作れるかもしれません。
光の当たっていないシンプルなひと枝を選びました。対角線になるようにカメラ位置に気を配っています。ホワイトバランスを調整して少し青味を増やしてみました。やさしさの中に凛とした冷たさが伝わるでしょうか。露出補正は+2.0です。
撮影・解説:芳賀 健二