春の代名詞・サクラは花だけでなく、木全体を捉えることで美しい風景写真にもなります。のどかな川土手に花が咲く様子は、この季節にしか見ることのできない美しい日本の風景です。春の芽吹きがあちらこちらで感じられる季節、さあカメラを持って出かけましょう。
水面に枝が大きく張り出したサクラの木を、対岸側の橋の上から撮影。川にサクラと青い空が美しく写り込んでいます。広角気味の焦点距離を選択することで、伸びやかな枝振りの見事な様子が際立ちました。また川の流れを斜めに配置し、並木の奥行きを見せています。土手や芝の緑色、菜の花の黄色が画面を華やかに彩った一枚になりました。
レンズ:AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR II
焦点距離:20mm
絞り値:f/5
シャッタースピード:1/1600秒
ホワイトバランス:オート
露出モード:絞り優先オート
測光モード:マルチパターン測光
露出補正:+1.0段
フォーカスモード:AF-A
ISO感度設定:ISO 400
沈胴機構の採用で大幅な小型化を実現した標準ズームレンズ。軽量化を図りながらも、高い光学性能で広角域から望遠域まで被写体を高精細に描写します。
上部の空を大胆にカットすることで、サクラの枝もさることながら、川に映った景色を主役にしたかのような一枚。水面の揺らぎと散った花びらが幻想的な雰囲気を醸し出しています。ピントを合わせる場所が難しい場合は、絞りを絞って撮影するとよいでしょう。
川に逆さまの状態で映った幹が、花と合わさり一本のサクラの木のように見えています。まるでだまし絵です。本来なら花の陰でなかなか目に映りにくい幹ですが、川辺ならその姿を楽しむ写真を撮ることができます。逆光で枝振りをシルエットにして撮影するのもよいでしょう。
撮影・解説:村上 未知