ちょっとした遊び心とマイクロレンズを通してみると、身近なものが劇的に変化して見えたりするものです。
色とりどりのビー玉を、水滴を使い演出しながら撮影しました。水中から彩りのバブルがプチプチと音を立てながら湧き上がってくるような楽しさと、涼しげな彩りを表現しています。
カメラと被写体の間に、CDケースを配置し、両面に水滴をつけて撮影しました。爽やかな雰囲気を強調するために彩りの良いビー玉を選んでいます。濁りのない色調と水滴の形がはっきり写るよう絞り込むことがポイントです。
室内で真上からの撮影ゆえ三脚は使えません。60mmのマイクロレンズは小型軽量なため、この様な手持ち撮影に有効なレンズです。DXフォーマットのカメラにFXフォーマットのマイクロレンズをつけたことで焦点距離が90mmとなり、より水滴部分がクローズアップされアーティスティックな作品となりました。
レンズとCDケースの距離は20cm程度。ビー玉とCDケースとの距離次第で、ビー玉の写り方が変化するので、距離を変えて撮り比べてみるとよいでしょう。
レンズ:AI AF Micro-Nikkor 60mm f/2.8D
焦点距離:60mm
絞り値:f/11
シャッタースピード:1/180秒
ホワイトバランス:オート1
露出モード:絞り優先オート
測光モード:マルチパターン測光
露出補正:0段
フォーカスモード:マニュアル(M)
ISO感度設定:オート (ISO 1600)
クローズアップ撮影以外も楽しいコンパクトなマイクロレンズ。無限遠から至近(等倍)まで幅広い撮影倍率が楽しめ、等倍撮影でも絞り開放からシャープな描写力を発揮します。
18-55mmレンズを最短撮影距離で使用。CDケースに水滴をつけ、ピントは水滴に合わせています。雨上がりの港の雰囲気を表現するため船の形がわかるように、f/32まで絞り込みました。
赤や緑、黄色の落葉を集めて濡れたビニール傘に張りつけ撮影。自然ではありえない光景ですが「紅葉のかるた」ができあがりました。背景の階段が分かる程度の絞り値で撮ったことで社寺の雰囲気も醸し出されていますし、雨粒も良いアクセントになり、楽しさ溢れる作品となりました。
撮影・解説:柿本 完二