夏の終わり頃、ホオズキの袋が網目状になります。
水滴と人工光を使い、ひと工夫して撮影することで、より魅力的な雰囲気を演出できます。
水滴に写り込む「赤い実」の造形美と、ライトで光輝く水滴と実をしっかり表現するとよいでしょう。
マイクロレンズはクローズアップ撮影が得意なレンズで、被写体の造形美を強調することができます。主役はホオズキの赤い実を写し出す「水滴」です。水滴は霧吹きで網目の部分に付けています。水滴を目立たせ立体的に見せるため、アングルは俯瞰気味にして絞り値を決めました。ホオズキに上部と左側からLEDライトを当てる事で赤い実に影ができ、立体感を表現しています。
DXフォーマットカメラに敢えてFXフォーマットの105mmのマイクロレンズをつけたことで150mm相当の焦点距離となり、水滴部分が大きく写って印象的な作品となりました。
レンズ:AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
焦点距離:105mm
絞り値:f/8
シャッタースピード:1/6秒
ホワイトバランス:オート1
露出モード:絞り優先オート
測光モード:マルチパターン測光
露出補正:0段
フォーカスモード:マニュアル(M)
ISO感度設定:ISO 400
細部までシャープに再現しながら硬質なだけではない味わいのある描写が、クローズアップ撮影はもちろん、105mmの焦点距離を活かしたポートレート撮影にもピッタリです。
雨上がりのバラにはいくつもの雨粒が乗っています。よく見ると雨粒がレンズの役目をして透明だった部分が赤く染まっています。赤だけですと雨粒の形が出ないことから、雨粒の下がしっかりと見えるアングルで撮影しました。絞り値をf/8まで絞り込んで、雨粒の存在感を表現しています。
雨上がりに花弁に乗った水滴を撮っています。ポイントは水彩画の様な優しい印象の作品に仕上げること。そのためには明るめの露出設定が必要ですし、被写界深度の調整で水滴の存在感を強調することも重要です。開放絞りにすると被写界深度が浅すぎてぼけたように見えるため、水滴が目立つアングルから絞りはf/4.5で撮影しました。
撮影・解説:柿本 完二