起床4時。4時30分には現場到着し撮影開始しました。人の気配のない静寂の時間を体感しながら、心置きなくシャッターを切り続けます。まるでこの湿原をひとりで貸し切ったような感覚を味わいながら、作品作りに没頭しました。
朝の冷え込みの関係なのか、地平線にもやが発生しています。風のない早朝は地塘の水面も鏡のようで写り込みが美しい時間帯。青空に点在する雲が色づき始め、自然風景のゴールデンタイムを堪能できます。
朝日が中央の山の後ろにあるタイミングに、三脚をしっかり安定感のある位置に立てて撮影しました。
画角100°(FXフォーマット時)の超広角域からの約1.9倍超広角ズームレンズ。約385gと軽量コンパクトで機動性の高い撮影が可能。
レンズ:AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G ED
焦点距離:20mm
絞り値:f/10
シャッタースピード:1/60秒
ホワイトバランス:晴天
露出モード:絞り優先オート
測光モード:マルチパターン測光
露出補正:-0.7段
フォーカスモード:マニュアル(M)
ISO感度設定:ISO 400
その他使用機材:三脚、レリーズ
地塘にもやが漂うと、何か幻想的な雰囲気になります。日が出る前は色温度が高く、ブルーの世界が広がりとてもきれいなタイミング。浮島のような光景は湿原でなければ見ることのできない珍しいものです。露出補正をして的確な明るさを表現しました。
ワタスゲが朝露に濡れていました。朝日がさしてくるタイミングは、ブルーから暖かみの感じられる橙へと光線の色が変わっていきます。時間の変わり目はシャッターチャンスかもしれません。
撮影・解説:芳賀 健二