D7500×野口純一 スペシャルムービー

野生が見せる一瞬の表情を、
逃さず捉える。

私は常に、撮影対象となる動物と同じ空間にできる限り長い時間身を置いて、同じ環境の中で、その動物が日々の生活で、何を感じているのかということを想像しながら撮影する。今回も同じように撮影したが、D7500を使用して感じたのは、ボディーラインが良く、コンパクトなのにとても手に馴染むということ。重い望遠系レンズを装着した状態で使っていても疲労感は感じない。前モデルよりも大きくなったグリップ部のおかげでしっかりと持てるのがいいのかもしれない。手は大きい方だけど、軽い力でボディーを握っていられるのでとてもいい。

それと、オートフォーカス周りがとても進化している。AF-Cモードで飛び回るはやぶさを追いかけたが、オートフォーカスの食いつきがとてもいい。追随性も抜群なので、かなり速く動く被写体にも対応できると感じた。連写も約8コマ/秒(高速連続撮影時)あるので、実用上まったく問題がない。

また現場は森の中であることが多く、実は昼間でも結構暗い場所で撮影している。合焦しづらい環境だけど、かなりの確率でピントがしっかり合う。今回はAF-S NIKKOR 600mm f/4E FL ED VRとAF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VRの2本を使用したが、DXフォーマットなので1.5倍の焦点距離相当の画角で撮影でき、FXフォーマット使用時に比べてより被写体に迫れる。中には近寄るのが危険な獰猛な動物もいるので、使いどころはたくさんある。

あと、地味な変化だけど、前モデルよりもボディーの重さが少し軽くなっている。僕のように山奥に入り込むこともあるような写真家にとっては、背負う荷物が軽くなり機動力が上がるから、少しの変化でもありがたい。背面液晶にチルト式を採用したことも、便利になったポイントのひとつ。細かいところまでしっかりと考えて作られたカメラがD7500だと思う。そもそもの基本性能が高いカメラだからこそ、表現できるものは無限大に広がる。もはや、中級ミドルクラスのカメラではないだろう。

『アサヒカメラ』2017年7月号掲載記事より一部改稿

野口 純一

1968年、埼玉県生まれ。北海道在住。2輪、4輪のエンジニア時代に、バイクツーリングで訪れた北海道に惹かれ2000年に移住。キタキツネの撮影をきっかけに、2002年より写真家として活動を開始。主に道内の野生動物を四季にわたって撮影し、雑誌やカレンダー等の各種媒体に作品を提供。野生動物に関する深い知識と豊富な経験に基づく的確で粘り強い撮影スタイルから生み出される、力強く美しい作品には定評がある。公益社団法人日本写真家協会(JPS) 会員。

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