撮影・解説:ミゾタユキ
単焦点35mmでスイーツを美味しそうに撮る
旬のフルーツを使った絶品スイーツのある世田谷線沿線のカフェに立ち寄りました。テーブルに運ばれた目の前にあるスイーツを眺めるとフルーツの断面がとてもキレイ。断面に光が反射するようにお皿をまわしてアングルを決めて撮ることにしました。F値を小さくすると周りがボケてピントを合わせたところを強調する効果が生まれます。丁寧にピントを合わせて、シンプルに大きく捉えた構図にすると果肉の食感やジューシーさが引き立ち美味しさが伝わります〈作例1〉。
感覚的な「美味しそう」は人それぞれですが、露出補正を使ってみると印象が変わります。露出補正をプラスにして自分の感じる「美味しい」明るさにしてみましょう〈作例2・3〉。
スイーツを撮ったら食べ始めたくなるところですが、オシャレなカフェの印象も一緒にスナップすると、思い出も深いものになります。少し体をひいてテーブルを入れると足りないような感じがしたので、コーヒーとミルクを傍に置きました。このとき、メインのお皿の真後ろではなく斜め奥に置くとバランスがよくなり、複数のものがあっても構図上で整理することができます。また、実際食べるよりも少し遠くにお皿を置くと写真が撮りやすくなります〈作例4〉。
作例4の写真は背景に茶色が多いので、ローアングルにして店内の空間を広くいれた構図にしました。白い壁と明るい光が写真に軽さを添えます。フルーツタルトがフォトジェニックなので、コーヒーを外してスッキリさせてみました。テーブルより先の遠いところが背景になると写真にヌケと奥行きが感じられるようになります。背景の距離感で雰囲気も随分と変わるので、背景の選び方も構図を決めるポイントです〈作例5・6・7〉。
よく見るとタルトの厚みや丸く盛り付けられたフォルムが見ただけでうれしくなるようなボリュームです。この様にローアングルで撮るとカフェの雰囲気とともにスイーツのボリューム感や高さを表現できます〈作例5・6・7〉。反対に、真俯瞰のアングルにするとテーブルが壁のように面として写り、スイーツとお皿のシンプルな構図になります。ボケを効果的に使って盛り付けの様子と立体感を強調すると不思議。とてもフォトジェニックでオシャレな写真になります〈作例8〉。
スイーツフォトは、撮影アングルで構図を工夫し、美味しそうに感じさせるポイントを引き立てるのがコツです。ピント位置は丁寧に、F値を小さくしてボカすと立体感や奥行きのある雰囲気がうまれます。単焦点レンズの35mm(AF-S DX NIKKOR 35mm f/1.8G)は標準ズームよりボカすことができ、また思っている以上に近づいて撮ることができるので座ったまま無理のない姿勢で撮りやすいのも便利です。ときにはお気に入りのカフェで撮ってみるのもおすすめです。もちろんマナーの範囲内で迷惑がかからないように。
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