「P、S、A、Mモード」は露出モードとも呼ばれ、露出を決めるために、絞り値とシャッタースピードのどの要素を撮影者がコントロールするかを選ぶものです。撮影の意図に応じて、シャッタースピードと絞り値のそれぞれを自分で設定したり、カメラまかせにしたりすることができます。
撮影モード P(プログラムオート)
適正露出となるように、絞り値とシャッタースピードをカメラが自動的に決めます。ただし、露出を一定にしたまま、撮影者が絞り値とシャッタースピードの組み合わせを変えることができます。これをプログラムシフトといいます。プログラムオートは、シャッターチャンスを逃したくないスナップ撮影などに使います。
撮影モード S(シャッター優先オート)
撮影者が選んだシャッタースピードに対して適正露出となるような絞り値をカメラが自動的に決めます。
被写体の動きを強調して撮影したいときなどに使います。
シャッタースピードとは、シャッターが開いている時間のことです。
シャッタースピードは1秒、1/2秒、1/4秒・・・1/250秒、1/500秒のように表します。
シャッタースピードを速くすると、光が撮像素子にあたる時間は短くなり、シャッタースピードを遅くすると、光が撮像素子にあたる時間は長くなります。
撮影モード A(絞り優先オート)
撮影者が選んだ絞り値に対して適正露出となるようなシャッタースピードをカメラが自動的に決めます。背景のぼかし方を調節して撮影したいときなどに使います。
絞り値とは、レンズを通って撮像素子上に写る像の明るさのことです。絞り値はF1.4、F2、F3.5、F4、F5.6、F8、F11、F16、F22、F32のように表されます。F+数値で表され、F値やFナンバーと呼ばれることもあります。
絞り値を変えると、絞りの開き具合が変わり、レンズを通る光の量が変わります。絞り値を大きくすると、絞りが絞られてレンズを通る光が少なくなり、絞り値を小さくすると、絞りが開かれてレンズを通る光が多くなります。たとえば、絞り値をF4からF5.6に変えると、レンズを通る光の量は半分に減り、撮像素子上に写る像も半分の明るさになります。
撮影モード M(マニュアル)
シャッタースピードと絞り値の両方を自分で設定します。長時間露出(バルブ、タイム)撮影も、このモードで行います。絞り値もシャッタースピードも撮影者自身が選ぶので写真の表現の幅は広がります。
しかし組み合わせを誤ると明るすぎる写真や暗すぎる写真となってしまいます。これを露出オーバー、露出アンダーと呼びます。このため、カメラの露出インジケーターを見ながら、絞り値とシャッタースピードの組み合わせを決めることをおすすめします。