Z 8の撮影には外部レコーダーが不要なため、コーデックを問わず、ジンバルに装着してより自由なカメラワークで撮影できます。ケーブルが絡まる心配もなく、RAWや10bitの動画フォーマットでも、360°のロールなど、ダイナミックな動きを楽しめます。
撮影中の映像をクライアントやチームに見せたい場合、従来は長いHDMIケーブルを使用してHDMIモニターをセットアップする必要がありましたが、提携アクセサリーメーカーHOLLYLAND社製のMARS 400S PROを装着すれば、撮影中の映像をリアルタイムでタブレットやレシーバーにワイヤレスで転送できます。機材やセットアップの時間を最小限にとどめ、撮影を滞りなく迅速に行えます。
縦横4軸チルト式画像モニターを搭載しており、より自由なカメラアングルに挑戦できます。アイレベル、ウエストレベル、ローアングル、ハイアングルなど、どのような姿勢でカメラを構えても、画像モニターの画面を無理なくはっきりと見られます。
Z 8のハイレゾズームは、4K UHDやフルHDの動画撮影時※1に、単焦点レンズ使用時でもボタンひとつで最大2倍のズームアップが楽しめます。通常のデジタルズームとは異なり、最大8Kの解像度をリアルタイムで利用するため、ズームアップ時にも高い解像度を維持。また、ズーム速度は11種類から選択可能で、非常にゆっくりの安定したズームなど、意図した映像表現を実現できます。光学ズームのような動きを求める場合は、代わりにNIKKOR Z レンズのコントロールリング※2を使用して、好みの速度で手動ズームすることもできます。
バランスのとれたコンパクトボディーでの動画の手持ち撮影をサポートする、様々な手ブレ補正機能を搭載。Z 8は、5軸補正のボディー内センサーシフト方式VRだけでなく、ボディー内VRとレンズシフト方式VRが連動して高い手ブレ補正効果が得られる「シンクロVR」※1に対応しています。薄暗いシーンを手持ちで撮影する場合や、望遠レンズ使用時にも手ブレの影響を効果的に軽減します。さらに、動画撮影時には電子手ブレ補正※2を適用することで、歩きながらの撮影でも映像のブレを補正。広角レンズで見られがちな映像周辺部のゆがみも軽減※3できます。
Z 8は、提携アクセサリーメーカーATOMOS社製の UltraSync BLUEに対応。メーカーや機種が異なる複数のカメラやオーディオレコーダーのタイムコードを、Bluetoothで簡単に同期させ、編集作業の効率向上を図れます。また、別売のワイヤレスリモートコントローラー WR-T10を使って、複数のZ 8やZ 9のタイムコードを同期させることもできます※。
Z 8は多彩な動画撮影機能で、ワンマンオペレーションや少人数の制作チームによる本格的な動画撮影をサポートします。
画像モニターやEVFに表示される波形で、露出の素早い確認、常時監視が可能。表示サイズは2種類から選べます。撮影画面のどの位置で白とびしているかが分かるため、窓抜けや照明など原因の特定が容易。特に、カラープロファイルがフラットなN-LogやRAWで撮影したときなど、適正露出が分かりにくい場合に有効です。
動画記録中には、画像モニターやEVFのライブビュー画面の周囲に赤枠を表示できます。記録中であることが判別しやすく、録画できていなかったり、不用意に録画してしまったりといった記録ミスを防ぎやすくなります。
コーデック、電子手ブレ補正のON/OFF、音声レベル、HDMI出力など、動画撮影時の各種設定を メニューで一画面に表示できます。また、ボディー上面の表示パネルには、画像サイズやフレームレート、動画記録可能時間が表示されるので、画像モニターがアクセサリーで塞がれている場合でも確認できます。
動画撮影時に1/6ステップでスムーズかつ緩やかにISO感度を調整できます。たとえば木陰から日なたへ移動する被写体を追うシーンや逆光など、明るさを細かく調整したい場合に便利です。また、ISO感度を必要以上に上げずにすむので、ノイズが出にくく、編集時に他の映像とのつながりもよくなります。
ファームウェアVer.2.00では、メモリーカードの動画記録可能時間が残り1分以内のとき、画像モニターとファインダーの[動画記録残り時間]を赤色で表示。撮影が急に中断されるのを最小限に抑えます。
NIKKOR Z マウントシステムは、静かな操作やフォーカスブリージングの抑制、レンズを交換しても変わらない「白」の色再現など、動画撮影とポストプロダクションを考慮して設計されています。絞りやISOはコントロールリングを使って静かに、滑らかに調整可能。対応レンズとの組み合わせ時には、フォーカスリングによるMFのリニア操作も可能です。
リモートグリップ MC-N10(別売)は、ワンオペ撮影の可能性を再定義するアクセサリーです※1。市販のジンバルや三脚パン棒※2などに取り付け、USB接続でZ 8をリモート操作できます。スムーズにカメラを動かしながら、カメラの本体に触れることなく、フォーカス位置やAFスピード、ISO感度などのカメラ設定を調整可能。ワンオペ撮影でも、大人数の制作チームの撮影のようにクリエイティブの可能性が広がります。また、ファームウェアVer.2.00では、リモートグリップ MC-N10とAirGluアクセサリーを同時に使用でき、異なるデバイス間でタイムコードをワイヤレスで同期させることで、シームレスな後処理が可能となります。
提携メーカーの対応アクセサリーとの組み合わせにより、Z 8のクリエイティビティーはさらに広がります。SmallRig(ケージ)、DJI、ZHIYUN(ジンバル)※、DEITY、RODE、SENNHEISER、TASCAM(音響機器)、HOLLYLAND(ワイヤレス送信機)、FXLION、IDX(Vマウントバッテリー)。ニコンは、これら多くのユーザーが利用する映像関連アクセサリーのブランドとコラボレーションしています。また、Bluetooth®で複数の対応機器のタイムコードを同期できるATOMOS UltraSync BLUEにも対応。Z 8と各提携メーカーが提供する信頼性の高いアクセサリーを組み合わせて使用することで、Z 8は、創造性の幅をさらに広げることができます。
Z 8本体とLi-ionリチャージャブルバッテリー EN-EL15cは、-10℃という厳寒の環境でも動作するため、これまで以上に多くの場所で撮影可能です。ボディー前面カバーにはマグネシウム合金を使用し、超望遠レンズ使用時のマウント剛性の確保、イメージセンサーの確実な固定、放熱性の向上に貢献。背面カバーと上面カバーには新素材「Sereebo® Pシリーズ」(帝人株式会社製)を採用して、マグネシウム合金と同等の強度でボディー全体の高い耐衝撃性を確保しています。また、レンズを含むシステム全体の徹底したシーリングにより優れた防塵・防滴性能※を実現。様々な過酷な条件下で、安心して使用できます。また、電源オフ時にはボディー内VRロック機構がセンサーをしっかりと固定し、輸送中の不測の揺れにもイメージセンサーがダメージを受けないよう保護します。
Z 8は、暗所での撮影をサポートする機能を多数搭載しており、夜間や暗い場所での撮影でもスムーズに操作できます。カメラの設定や映像再生に必要なボタンはイルミネーションで視認が可能。「赤色画面表示」は、暗さに慣れた目でもメニュー画面や撮影・再生画面が見やすいように明るさを抑えた赤色で表示します。また、EVFは明るさをLo2まで下げ、フルカラーで確認することもできます。これらは、周囲の撮影者に迷惑をかけたくないときにも有効です。このほか、EVF、画像モニターの撮影画面の周囲に表示される白枠も、暗所での撮影範囲の確認に役立ちます。