Z 8は有効画素数4571万画素。Z 9と同様の積層型CMOSセンサーを搭載しています。世界最速※1のスキャンレートにより、ローリングシャッターひずみを最小限に抑えることができます。また、メカニカルシャッターを搭載していないため、常に静音※2でシャッターの摩耗を気にせず大量の撮影が可能です。
Z 9と同じ、ニコン最速のデータ処理能力を持つ画像処理エンジンEXPEED 7を搭載。積層型CMOSセンサーからの膨大なデータをEXPEED 6の10倍の速さで処理します。これにより、真のブラックアウトフリーを実現したReal-Live Viewfinder、最先端のAF、最高約120コマ/秒のハイスピードフレームキャプチャー+、高効率RAWなど、さまざまな機能を実現しています。
停まっていたカワセミが突然飛び立つというような、あまりにも素早い動きを捉えるのは至難の業です。Z 8は「ハイスピードフレームキャプチャー+」時に、シャッターボタンを半押ししたまま狙いを定めて全押しすると、最大1秒前から最大4秒後まで画像を記録する設定(プリキャプチャー記録設定)が可能。狙った瞬間を確認してからシャッターボタンを全押ししても、その瞬間を逃さず撮影できます。
[C60](約60コマ/秒)の場合、画像範囲はAPS-Cサイズ/DXフォーマットとなり、装着レンズの1.5倍の焦点距離に相当する画角で、被写体を大きく撮影可能。Z 8の強力なAF性能と合わせて「プリキャプチャー」機能を使えば、動きのある瞬間をシャープに捉えることができます。
プリキャプチャー機能は、シャッターボタンを半押ししてからキャンセルされるまでの時間が約300秒と長く、キャンセルされる前の約30秒間はアイコンが点滅します。このため、例えば枝にしばらく止まっている鳥が飛び立つのを待っているような状況でも、安心して撮影に挑めます。
「ハイスピードフレームキャプチャー+」は、「プリキャプチャー」機能を設定しない場合でも、[C120]設定時には最高120コマ/秒の高速連続撮影が可能。[C30](約30コマ/秒)、[C60](約60コマ/秒)も選択できます。すべてのNIKKOR Z レンズと94種類のNIKKOR F レンズ※2が使用でき、様々な撮影シーンでクリエイティブな表現をサポートします。
決定的瞬間を捉えるために、時には一連の長い動きを追い続けなければならない場合があります。Z 8ではCFexpress Type Bの高速書き込みによって、JPEG FINE(サイズL)または高効率RAW(★マーク無し)設定時に、約20コマ/秒で1000コマ以上の連続撮影が可能。すべてのNIKKOR Z レンズまたは94種類のNIKKOR F レンズ※2と組み合わせて高速連続撮影を制限なく行えます。
連続撮影した大量の画像の中から、撮影現場でベストショットを選ぶのは難しい場合があります。Z 8では1回の連続撮影で記録した画像は1つのグループとして扱うので、グループ再生することで欲しい画像を素早く見つけることができます。連続撮影グループの先頭の画像以外をスキップして再生したり、スライドショーのように一連の画像を自動的に再生したりが可能。また1コマ表示時にはサブセレクターの上下と左右の操作を組み合わせて使用することで、一連の連続撮影を1コマずつ確認でき、サムネイル表示時にはグループの先頭画像を表示して、連続撮影アイコンとグループ内のコマ数を表示することもできます。これらの操作で画像確認に要する時間を大幅に短縮し、より多くの時間撮影に集中できます。
ポートレート撮影時には、一番良い表情を引き出すために被写体にシャッターをきるタイミングを伝えることも重要です。Z 8では、必要に応じて電子シャッター音を設定可能。撮影シーンに合わせて音量も調整できます。さらに、ファームウェアVer.2.00では、電子シャッター音の種類を「Type B」(一眼レフ風)、「Type C」(フィルムカメラ風)、「Type D」(レンジファインダー風)など5種類から選ぶことができます。最大音量もより調整しやすくなり、ニーズやシーンに合わせて幅広く対応できるようになりました。
ファインダー越しに被写体をシームレスに捉え続けることは、決定的な瞬間を捉えるカギとなります。積層型CMOSセンサーと画像処理エンジン EXPEED 7の連携によるニコンのデュアルストリーム技術で実現した、Z 8のReal-Live Viewfinderは、ファインダー像の消失が起きないよう同一画像を表示する他のブラックアウトフリー撮影とは異なり、実際の被写体の動きを常にそのまま表示※1。一眼レフカメラのミラーアップによる像消失や一般的なEVFの像消失で見られなかった瞬間まで、すべてを絶え間なく見続けられます。動きの速い被写体をよりスムーズに追いかけたい場合は、120fpsのフレームレートも選択可能。また、流し撮りの際に動きの速い被写体をスムーズに追尾できるよう、設定したシャッタースピード※2に応じてシャッターをきったときに表示を暗くすることも可能です。さらにファインダーの表示倍率も「標準」または「小さめ」から選べます。
EVFのQuad-VGAパネルは3000cd/m2に対応。浜辺や雪原など周囲が明るい状況でも被写体をクリアーに確認できます。また周囲が非常に暗い場合は、ファインダーの明るさをLo2まで調整することも可能です。
Z 8は、Z 9の高い被写体検出性能とAF性能を引き継ぎつつ、ディープラーニング技術を用いて開発したアルゴリズムを発展させ、さらなる性能向上を実現。人物、動物(犬、猫、鳥)、乗り物(車、バイク、自転車、列車、飛行機)の9種類の被写体を自動的に検出し、追尾します※1。Z 8ではさらに、新たに飛行機の検出に優れた専用の[飛行機]用モードを追加しました。-9EV※2の暗さまでAF検出できるので、朝焼けや夕焼けなどの薄暗いシーンはもちろん、月明りの風景もAFでピント合わせが可能。高速AF演算、カメラ本体とNIKKOR Z レンズとの常時高速通信と相まって、様々な撮影シーンで高いAF性能を発揮します。
Z 8では、AF時の被写体検出設定に、これまでどおりの[乗り物]モードでの検出に加え、専用の[飛行機]モードを追加。飛行機を撮影する際に、近距離でも、遠距離でも、また夜間や背景がうるさい場合でも、より強力な検出・追尾性能を発揮します。NIKKOR Z 望遠レンズの豊富なラインナップと組み合わせて、飛行機を印象的に撮影することができます。
ファームウェアVer.2.00では、被写体検出に新たに「鳥」専用のモードを搭載。[鳥]モードでは鳥に対する全般的な検出性能が向上しています。複雑でコントラストの高い、例えば岩山や森などが背景の場合でも、高い被写体検出性能、AF性能を発揮し、飛翔中でも止まっていても、素早く動いていても、また首が長い種や色鮮やかな種でも、さらにフレーム内で小さくしか写っていなくても、さまざまな状態の鳥を素早く検出します。
画像処理エンジン EXPEED 7の卓越した被写体検出性能によって、Z 9同様、撮像範囲の長辺の約3%という小さな顔まで検出可能。例えば、広大な風景の中で人物をシャープに撮影したいシーンなどに非常に有効です。また、暗いシーンでの人物の顔検出性能が強化されており、夜景ポートレートや逆光のシルエットなど従来のカメラではピント合わせが困難だったシーンでも、正確に人物にピントが合います。
強力な被写体検出・追尾性能に加え、フォーカスエリアを柔軟に設定できる「カスタムワイドエリアAF」によって、より自由な構図で撮影できます。フォーカスポイントの縦と横の数で設定できるAFエリアパターンは20種類から選べ、幅広いシーンで狙った被写体を確実に捕捉。例えば5x7のAFエリアパターンを使用すれば、パーティーなどで手前に他の人物がいても特定の人物にピントを合わせたいときなどに有効です。
Z 8は、AF用露出をライブビュー用露出から独立して制御するため、薄暗い中で人物を逆光のシルエットで捉える場合など、従来のカメラではピント合わせが困難だったシーンでも人物に正確にピントが合います。
ファームウェアVer.2.00では、AFエリアモード循環選択をカスタムボタンの機能として追加。この機能により、割り当てたボタンを押すだけの容易な操作で複数のAFエリアモードを切り換えることができます。状況の変化に応じて素早く対応し、決定的な瞬間を逃すことなく撮影できます。
ファームウェアVer.2.00では、フォーカスポイントの枠線の太さを3段階から選べます。被写体検出時、追跡中も同じ幅が適用され、複雑な背景での撮影時にも、被写体にピントが合っていることを一目で確認できます。
「オートキャプチャー」では、撮影条件をカメラ側であらかじめ設定することで、被写体が撮影条件※1を満たしたときにカメラが自動で撮影。撮影条件は[モーション]、[被写体検出]、[距離]※2の3つのモードで調整可能です。[モーション]は設定した方向に被写体が移動した時に自動で撮影を行い、[距離]は設定した距離の範囲に被写体が存在している間、自動で撮影。[被写体検出]は設定した被写体を検出した場合に自動で撮影を行います。複数のモードを組み合わせることで撮影条件をより具体的にし、ショット数を抑えることもできます。
「オートキャプチャー」は Z 8 の優れたAF性能を活用。マニュアルでピントを合わせる手間がなく、被写界深度が浅くても被写体をシャープに捉えることができるため、複数のカメラを使用する個人のフォトグラファーにとって非常に便利で、リモート撮影での課題、例えばカメラ位置の制約やシャッタータイミングのずれ、接続エラーなどから解放されます。「オートキャプチャー」はメインカメラ以外からも、逃せない瞬間をクリエイティブなアングルで捉え、かつ通常アクセスできないような危険な位置からでも撮影が可能になります。カメラのそばにいなくても、遭遇を予測できない鳥などの被写体を自動的に捉えられ、その間に手持ちで自由に撮影できます。さらに、DXフォーマットのレンズや撮像範囲設定がDXでも利用でき、望遠レンズで鳥などの被写体をアップで捉えたい場面にも適しています。
Z 8は高周波フリッカー低減機能を搭載。シャッタースピードをより細かく調整することで、画像の見た目に影響するLED照明のちらつきを最小限に抑えることができます。
フラッシュを使用した夜景ポートレート撮影の際、従来のカメラでは背景の明るさを確認するためにはテスト撮影が必要でした。Z 8では、撮影設定を反映した背景の露出をライブビュー画面で確認可能。外付けスピードライトを使用した撮影がより容易に行えます。
Z 8は、イメージセンサーにダストが付着するリスクを最小限に抑えるため、徹底したセンサー保護機能を搭載しています。イメージセンサー前の光学フィルターには、Z 9と同じ最先端のダブルコートを採用。1層目にダストの付着を防ぐ導電コート、2層目は付着したダストを簡単に拭き取れるフッ素コートを施しています。さらに、カメラの電源オフ時にはセンサーシールドが閉じ、レンズ交換時にもダストの付着、不用意な指の接触を防ぎます。
防塵・防滴仕様※1のパワーバッテリーパック MB-N12(別売)を装着することで、より長時間の撮影が可能。付属のLi-ionリチャージャブルバッテリー EN-EL15cと比較して、電池寿命は約1.8倍に延長されます。MB-N12は、2本のバッテリーのうち1本を取り外しても、もう1本のバッテリーの残量がある限り給電を継続することができるホットスワップ機能により、撮影を継続しながらバッテリーを交換可能。Z 8に装着していない状態でも本体充電ACアダプター EH-7P、ACアダプター EH-8P※2(いずれも別売)を使用して、USB端子から内部のバッテリーを充電できます。またZ 8は、通信用と充給電用にそれぞれ専用のUSB端子を備えているため、他の機器と通信しながらモバイルバッテリーから給電することも可能です。
Z 8は2つのカードスロットを搭載しており、必要に応じて選択できます。CFexpress/XQDスロットには、業界最高水準のCFexpress Type B メモリーカードを使用可能。約120コマ/秒ハイスピードフレームキャプチャー+で撮影した大量の静止画も、高速で書き込み・読み出しが行えます。XQDメモリーカードの使用も可能です。また、カード内の全ての記憶領域を初期化できる物理フォーマットに対応※。書き込みや読み出し速度が遅くなった時に効果的です。SDスロットには、書き込み速度とコストのバランスに優れた、汎用性の高いSD(UHS-II)カードが使用可能です。