撮影の現場から寄せられる厳しい要望に真摯に向き合いながら、長年にわたって培った高い光学技術力で多くの信頼と実績を築いてきた、ニコンのレンズブランド、NIKKOR(ニッコール)。その高品質は、数々のニコンならではのテクノロジーが支えています。
青より短い波長の光を大きく屈折させる特性を持つ、ニコン独自開発の特殊高分散ガラスを使用したレンズ。補正が難しい短波長の光を制御することで、各波長の光をより高度に集光できるようにし、高精度な色収差補正が可能になります。また、通常の光学ガラスと同様に使用できるためレンズ構成の自由度が向上し、高い光学性能を実現しながらレンズの小型・軽量化にも寄与します。
ED非球面レンズは、色にじみを効果的に低減するED(特殊低分散)ガラスを使用し、片面または両面に球面ではない曲面を持たせたレンズです。EDガラスを使用することで色収差を、非球面とすることで球面収差やディスト―ション(歪曲収差)、コマ収差によるコマフレアを除去するなど、各種収差を良好に補正し優れた描写性能を実現。EDガラスと非球面レンズの収差補正効果がED非球面レンズ1枚で得られるため、レンズの小型化にも貢献します。
光は波長ごとに屈折率が異なるため、レンズを透過した光が色ごとに焦点がずれる現象が生じます。これが色収差で、画質低下の要因のひとつです。色収差を抑えるために、色による屈折率の差が小さい凸レンズと色による屈折率の差が大きい凹レンズを組み合わせて色収差の発生を抑える設計を行います。しかし通常の光学ガラス製レンズの組み合わせでは赤領域の光 と青領域の光のずれは補正できても、それ以外の領域の光のずれは補正できません。これが残存色収差= 2 次スペクトルです。 ED レンズは、ニコンが世界に先駆けて開発した、プリズムの色分解作用を少なくするED(特殊低分散)ガラスを使用したレンズです。ED ガラスは低分散で、しかも結晶素材の蛍石のように異常部分分散性を有し、2 次スペクトルの低減が可能。通常の光学ガラス使用のレンズでは焦点距離が長くなるほど補正が困難になる焦点ずれを効果的に低減します。NIKKOR レンズでは望遠系のレンズを中心に幅広く採用しています。 ニコンはさらに、ED ガラスの光学特性を徹底して追求し、より低分散で、2 次スペクトル低減能力などの諸性能が極めて高く、優れた色収差補正能力を実現したスーパーED ガラスも開発。
磁石が作り出す強力な磁界の中をコイルのみが往復運動するボイスコイルモーター(VCM)と、ニコンが新たに開発した「ガイド機構」を組み合わせた新しいAF駆動用アクチェーターです。高性能な「ガイド機構」は、レンズ室とガイドバーの接触部の隙間を限りなく「0」に近づけ、AF駆動機構内の振動を大幅に削減します。特に、駆動音は従来よりもさらに抑制。また、重いレンズも音や振動を極力抑えながら高速で駆動します。高速、高精度なAFによって決定的瞬間をしっかりと捉えることができ、さらに、静止画でも動画でも静粛な撮影が可能になります。
NIKKORレンズ史上最高の反射防止性能を発揮する反射防止コーティングです。斜入射光、直入射光のいずれに起因するゴーストやフレアも大幅に低減した、クリアーな画像が得られます。この反射防止コーティングでは、アモルファス粒子が連結した構造体が不規則に重なることによって、メソ孔(メソポア)と呼ばれる空気隙間を多数形成。コーティング内により多くのメソ孔を設けることで超微細メソポーラス構造を形成し、非常に低い屈折率を達成しています。さらに、高精度な下地コートを施すことで、他に類を見ない反射防止効果を実現しています。
ナノクリスタルコートは、ニコンが最先端の半導体露光装置を開発する過程で生み出した、非常に効果的なレンズ反射防止コーティングです。ナノサイズ(1ナノメートルは、1/1,000,000 mm)の極めて微細な結晶粒子からなる超低屈折率層を持ち、可視光域(380 nm~780 nm)の全領域で、多層膜コーティングなどの従来の反射防止コーティングの限界を超えた、高い反射防止効果を実現。これにより、従来のコーティングでは低減が困難であった赤い光によるゴーストも防止効果を飛躍的に向上しました。さらに、レンズに斜めから入射する光に起因するゴースト、フレアに対しても大きな低減効果を発揮。安定してクリアーな画像が得られます。
片面または両面に球面でない曲面を持つ非球面レンズは、ディストーション(歪曲収差)や球面収差などさまざまな収差を効果的に補正可能。特に広角系のレンズで問題となるディストーションのコントロールに大きな効果を発揮します。ディストーションは、被写体がレンズを通して結像する際、像高(画面中心からの距離)によって倍率が異なるために生じる収差(像の歪み)で、レンズ中心周辺から非球面を用いて連続的に屈折力を変化させることで補正できます。また、非球面レンズ1枚で、複数枚の球面レンズに相当する収差補正効果が得られるため、球面レンズに比べてレンズの小型化や軽量化に大きく貢献しています。
ニコンは1960年代に世界に先駆けて非球面レンズの設計理論、加工技術を確立。1968年には非球面レンズの特性を活かしてディストーションをコントロールする、世界で初めて非球面レンズを採用した35mm一眼レフカメラ用交換レンズOP Fisheye-Nikkor 10mm F5.6(正射影方式魚眼レンズ)を発売しました。その後も数多くのレンズに非球面レンズを採用し、レンズのコンパクト化、優れたコントラスト・描写性能を実現しています。
蛍石は、赤外領域から紫外領域にわたって高い透過率を有する結晶素材です。特殊な異常部分分散性があり、可視光域で優れた色収差補正能力を示します。焦点距離が長くなるほど難しくなる色収差補正が、蛍石レンズを使うことで2次スペクトルを徹底的に除去することが可能となり、極めて効果的に色収差を補正します。また、光学ガラスに比べて軽いため、レンズの軽量化にも貢献しています。
PF(Phase Fresnel:位相フレネル)レンズは、ニコンが開発した光の回折現象※を利用して色収差を補正するレンズです。PF素子と通常のガラスレンズを組み合わせることで、優れた色収差補正能力を実現。PFレンズの強力な色消し効果によって、レンズの薄肉化や比重の小さい硝材の使用が可能となり、レンズの軽量化が可能になりました。
望遠レンズの全長を短縮させるためには、テレ比(全長/焦点距離)を小さくする必要があります。一般的なカメラ用レンズ(屈折レンズ)のみの構成でテレ比を小さくすると、レンズ前方の凸群で発生する色収差を後方の凹群で拡大してしまうため、全長の短縮には限界がありました。PFレンズは、一般的なカメラ用レンズとは逆の方向に強力な色収差を発生させることで効率的な色消しが可能となり、全長を短縮しても優れた色収差補正を達成。光学系の全長短縮が鏡筒の短縮を実現し、望遠レンズの軽量・小型化ができるようになりました。
一般的なカメラ用レンズ(屈折レンズ)は、光の屈折現象を利用して撮像面に像を結んでいます。光は色(波長)により屈折する強さが異なり、レンズに近い方から青(B)・緑(G)・赤(R)の順で結像します。この色ズレは「色収差」と呼ばれ、色のにじみとして画像の劣化につながります。これに対しPF素子は、レンズに近い方から赤(R)・緑(G)・青(B)の順で結像します。PFレンズは、PF素子と屈折レンズを組み合わせることで、それぞれの色収差を打ち消し合い高い色収差補正を可能にしています。
PFレンズの特性上、画面内外に強い光源がある場合、光源を中心にリング状の色つきのフレア(以降「PFフレア」とする)が写り込むことがあります。画像に写り込んだPFフレアは、NX Studioに搭載の「PFフレアコントロール」機能で軽減することが可能です。詳細についてはソフトウェアのヘルプをご覧ください。ソフトウェアは必ず最新版にバージョンアップしてお使いください。 「PFフレアコントロール」は静止画にのみ使用可能です。動画には使用できません。
屈折率が2.0以上と高く、1枚で通常の光学ガラスレンズ複数枚分同等の補正効果が得られます。さらに、1枚で像面湾曲と球面収差を同時に補正でき、高い光学性能と小型・軽量化の両立が図れます。
ニコンのVR(Vibration Reduction:手ブレ補正)機構は、レンズ内のセンサーがカメラのブレを検出し、ブレを打ち消す方向に光学系の一部を駆動して画像のブレを軽減します。手ブレ補正効果が高く、スポーツシーンや夕暮れの情景、夜景など、手持ち撮影で起こりがちな手ブレによる画像のブレを効果的に軽減します。
レンズ内でブレを補正するニコンのVR機構は、撮像素子を動かして補正するボディー内補正とは異なり、撮影画像のブレだけなく、ファインダー像のブレも効果的に補正します。ファインダー像が安定しているため、フォーカスポイントを狙った場所に重ねやすく、また、構図を決めるのも容易です。さらに、AFセンサーと測光センサーにもブレの軽減された像が届くので、AFも、測光も高い精度を確保できます。レンズ内でブレを軽減するレンズ内補正方式は、ファインダー越しに被写体を捉える一眼レフカメラにとって最も理にかなった手ブレ補正方式です。
たとえばマイクロレンズは、花のクローズアップを中腰で撮影するという使い方が想定されます。また、高倍率ズームレンズでは広角側と望遠側の両端ではブレの特性が大きく異なります。こうした撮影シーンの違いやレンズの仕様によるブレの違いまでも考慮して、レンズごとに最適なブレ補正のパラメーターを設定し、さらに1本のVR機構の開発に10,000枚以上の実写テストを実施することで、それぞれのレンズに最適化したチューニングを行っています。これは、すべてのレンズにひとつのVR機構で対応するボディー内補正方式では実現の難しい、レンズ内補正方式ならではのメリットです。
ボディー内補正方式ではレンズの焦点距離が長くなるほど大きなセンサー移動量が必要となり補正効果が低減する傾向にありますが、レンズ内補正方式では各レンズに合わせてVR機構設計を最適化できるため、望遠撮影でも変わらぬ補正効果が得られます。
ニコンでは、シャッターボタンを半押ししている時と、シャッターボタンを全押しした時(露光時)とでは、アルゴリズムを変えています。シャッターボタン半押し時にはファインダー像の見え方に着目し、被写体を捉えやすくするためブレ軽減の度合いを少し弱めに制御する、シャッターボタン半押し時専用のアルゴリズムを採用しています。シャッターボタン全押し時には、半押し時とは異なる露光時専用のアルゴリズムを用い、露光する瞬間のブレを最大限に軽減して、シャープな撮影画像を提供します。ニコン独自のデュアル・アルゴリズムが長時間にわたって見続けられる快適なファインダー像を実現しています。
シャッターボタン半押し時にブレ補正のために端に寄ってしまったVR光学系を、シャッターボタンを全押しした時、露光前に瞬時に光軸の中心に戻し、改めて露光時のブレ補正を実行する技術が、露光前センタリングです。VR光学系の移動量には限界があるため、露光直前にVR光学系を光軸の中心に戻すことで、全方向に等しく最大限の移動量と光学性能を確保できます。
手ブレが起きはじめるシャッタースピードは一般的に1/焦点距離[mm]秒と言われますが、実際には個人差があり、また使用するレンズやカメラによっても違いがあるため、けっして一様ではありません。ニコンのVR機構は、CIPA(カメラ映像機器工業会)規格による試験条件に従った高い手ブレ補正効果が得られます。VRをONにすることで、撮影者が手ブレせずに撮影できるシャッタースピードより低速のシャッタースピードでもブレの少ない画像を撮影できるため、写真表現の幅が広がります。
手ブレによるファインダー像や撮影画像のブレを効果的に軽減する、常用に適したモードです。構図の変更など意図的な動きと手ブレを区別し、手ブレのみを補正。また、流し撮り検知機能も備えており、モードを切り換えることなく流し撮りにも対応します。
「ノーマルモード」は、大きくゆっくり動くブレは構図変更の動作と判断し、自動的にファインダー像の補正効果を制御します。しかし、自動車や船舶、ヘリコプターなどの揺れる乗り物の上で撮影する時などには、意図的な構図変更とは無関係に大きくゆっくりした動きがカメラに伝わります。このような撮影状況では、「アクティブモード」を選択すると、大きくゆっくりした動きもブレとして認識し、ファインダー像、撮影結果ともに的確に補正機能が働きます。
「スポーツモード」は、ファインダー像で適度なブレ補正効果が安定して得られるため、動きの速い、また「止まる」⇔「動く」など、動きの変化が激しい被写体を追いやすく、スポーツシーンの撮影に最適です。高速連続撮影および、カメラを止めた時と振った時のファインダー像の連続性を重視した制御で、流し撮りにも有効。静止画、動画を問わず、手持ち撮影や一脚、三脚使用時にも効果的で、動きのある被写体の撮影で状況を選ばず使用できます。ブレ補正効果が「ノーマルモード」に比べて低くなる場合があるため、静止被写体撮影時には「ノーマルモード」の使用をおすすめします。
撮影時のミラーやシャッターの動きによって生じる三脚の細かい振動は手ブレとは周波数が異なるため、これを自動的に検知してアルゴリズムを切り換え、三脚の微細な振動によるブレを補正します。
水平に移動する被写体の場合は自動的にブレ補正の機能を制御。流し撮りにともなう水平方向のカメラの動きを検知して、上下のブレのみを補正します。特にモード切り換えの操作を必要としないため、シャッターチャンスを逃しません。なお、流し撮り検知機能は、「ノーマルモード」時に機能します。「ノーマルモード」はすべてのVR機構搭載レンズに搭載されています。
対応カメラ※1のボディー内センサーシフト方式VRと、対応レンズ※2のレンズシフト方式VRが連動し、より高い手ブレ補正効果を発揮。手ブレが気になる望遠撮影や低速シャッタースピードでの静止画撮影、動画撮影の手ブレの影響も、より効果的に補正できます。
ニコンが独自に開発したAF駆動用のSWM(Silent Wave Motor=超音波モーター)は、進行波を回転エネルギーに変換してフォーカス光学系を駆動します。SWMにはリングタイプSWMと小型SWMがあり、レンズのデザインや仕様に応じて選択し、採用しています。SWMを搭載したAF-Sレンズは、いずれも静粛性に優れたスムーズなオートフォーカスが可能。一般的な撮影で快適なオートフォーカス撮影ができるだけでなく、特にスポーツや野生動物の撮影に威力を発揮します。
STM(Stepping Motor=ステッピングモーター)は、パルス電力に同期して動作するAF駆動用のモーターで、電気信号1パルスにつき1ステップ分回転します。起動や停止時のレスポンスや制御性が高く、シンプルなメカニカル構造により駆動音も極めて静かなことが特長で、STM搭載のAF-Pレンズは、高速で静粛性にすぐれたオートフォーカスが可能です。また、動画撮影時など、レンズの駆動音が気になる場面でも快適なオートフォーカスを実現します。(カメラによって使用に制限のある場合があります。カメラとニッコールレンズの組み合わせについてをご覧ください。)
オートフォーカス中でもフォーカスリングを回してマニュアルによるピント合わせができますが、M/Aモードに比べマニュアルに切り換わる感度を下げることで、不用意にオートフォーカスからマニュアルへ切り換わることを防止した、「オート優先オートフォーカス」モードです。
オートフォーカス中でもフォーカスリングを回せば、タイムラグ無しでマニュアルによるピント合わせができるモードです。ファインダーを覗いたまま、素早いピント調節を可能にします。
A-M切り換えリング(AF 180mm f/2.8Dはレバー)を装備したAFレンズは、レンズ鏡筒内に設けたクラッチの働きでAF時にはフォーカスリングを回転させず、マニュアルフォーカス時には、フォーカスリングの回転に適度な負荷をかけることでマニュアルフォーカスレンズと同じようなスムーズなピント操作を可能にします。また、AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR II、AF-S DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR、AF-S DX Zoom-Nikkor 18-55mm f/3.5-5.6G ED II、AF-S DX NIKKOR 55-200mm f/4-5.6G ED VR IIにはA-M切り換えスイッチを装備しています(AF時にもフォーカスリングが回転します)。
ニコンが独自に開発した、広い波長域で高い透過率を実現する多層膜レンズコーティングです。レンズ構成枚数の多いズームレンズでも逆光時等のフレアやゴーストを軽減し、高コントラスト、豊かな階調表現が可能。カラーバランス、色再現性に優れ、赤外線写真など特殊用途における光学性能も向上させています。また、デジタルカメラ特有の現象である撮像素子からの内面反射によって発生するフレアやゴーストも抑制します。F マウントレンズ、Z マウントレンズの現行ラインアップ全てに採用されています。
ニコン独自の薄膜製造技術により、可視光全域で安定した超低反射率を実現した多層膜の反射防止コートです。レンズ面に垂直に入射する光に対して高い反射防止効果があり、さらにナノクリスタルコートと組み合わせることで、入射光に起因するゴースト、フレアの低減に大きな効果を発揮。光源が画面内にある場合でも、非常に抜けが良く、クリアーな画像が得られます。
大口径望遠レンズ前面に備えたレンズ保護用ガラスで、一般的な平面の保護ガラスと異なり、ゴーストの少ない鮮明な画像が得られます。平面の保護ガラスでは、スポットライト等の明るい光源のある撮影などで入射光が撮像素子やフィルム面に反射し、この反射光が保護ガラスに再反射して結像しゴーストが発生することがあります。曲率を持ったメニスカスレンズを用いたメニスカス保護ガラスは、再反射光を拡散させることでゴーストの発生を抑えています。
DはDistance(距離)を表します。レンズのフォーカスリングに連動する内蔵エンコーダーで得た被写体までの距離情報をカメラボディーに伝達し、より高精度な露出制御を実現する3D-RGBマルチパターン測光Ⅱ/Ⅲ、i-TTL-BL調光等を可能にします。このD信号を持つレンズの内、レンズ本体に絞りリングを持つものをDタイプレンズ、持たないものをEタイプレンズ、Gタイプレンズと呼びます。
レンズ本体に駆動機構付き絞り羽根ユニットを搭載しており、ボディー側から電気信号により絞り制御を行うレンズシリーズです。レンズマウントから絞り羽根までの距離が長くなる超望遠レンズで、特にテレコンバーター使用時において高精度な絞り制御を実現します。(カメラによって使用に制限のある場合があります。カメラとニッコールレンズの組み合わせについてをご覧ください。)
レンズ本体に絞りリングがなく、ボディー側から機械的に絞り制御を行うレンズシリーズです。絞り羽根を強力に制御でき、絞り込んだ場合でも、高速連続撮影速度を維持できます。また、Dタイプレンズと同様に、被写体までの距離情報をカメラ側に伝達する機能も持っています。絞りリングをなくすことによって、レンズ本体のコンパクト化が可能となり、さらに最小絞りにセットして撮影する必要がなく、操作性が向上しています。(カメラによって使用に制限のある場合があります。カメラとニッコールレンズの組み合わせについてをご覧ください。)
イルミネーションなどの点光源を撮影した場合、絞りの羽根でかたどられた多角形のボケが写り込むことがあります。円形絞りは特殊な羽根形状によって絞りが円形になるように設計しており、滑らかな円形の美しいボケ味が得られます。
フォーカシングにより全長が変化します。レンズを動かすスペースをレンズ内部に確保する必要が無いため、鏡筒の小型化に貢献します。
フォーカシングにより全長が変化します。レンズを動かすスペースをレンズ内部に確保する必要が無いため、鏡筒の小型化に貢献します。また、フォーカス群の重量を小さくできるため、AFレンズでは合焦スピードの高速化が可能です。
1967年ニコンは世界で初めて、複数のレンズ群を動かし収差を効果的に抑制するフォーカス方式(近距離補正方式)を開発しました。「マルチフォーカス方式」はそれを進化させたAF駆動方式で、複数のAF用駆動ユニットの連携で複数のフォーカス群の位置を高い精度で厳密に制御します。一般的に収差が発生しやすいとされる至近距離の被写体でも、各収差の抑制に威力を発揮。焦点距離、撮影距離を問わず、絞り開放から高い結像性能が得られます。さらに、AFの合焦スピードの高速化にも貢献します。また、大口径レンズでも効果を発揮します。
フォーカシングの際、レンズ全長が変化しません。ズームレンズや望遠レンズなどでは、フォーカス群の重量を小さくできるため、AF合焦スピードの高速化に貢献します。
フォーカシングの際、レンズ全長が変化しません。フォーカス群の重量を小さくできるため、AFレンズでは合焦スピードの高速化が可能です。また、広角~標準レンズなどでは小型化に貢献します。
ニコンが1967年に世界で初めて開発した、レンズを複数の群に分割し、それぞれ異なる動きをさせてピントを合わせる方式です。
対応カメラ※1と対応レンズ※2の組み合わせ時に、カメラのボタンやレンズのリング操作で一定速度でのスムーズなズーミング、リモコン ML-L7やスマートフォン※3からリモートによるズーム操作が可能。軽快な操作感で静止画、動画を問わず、快適な撮影を実現します。
ズーミングしても最前面のレンズが移動せず、鏡筒の全長が変化しない機構です。これにより、ズーミング時にレンズの重心をほぼ一定に保ちます。
対応カメラ※1との組み合わせ時に[ON]に設定すると、マニュアルフォーカス時にフォーカスリングまたはコントロールリングでピントを合わせるときの回転方向を逆向きに変更可能※2。使い慣れた回転方向でミスのないMF操作が行えます。
フォーカスリングとコントロールリングの機能を入れ換え、使いやすい方のリングに使用頻度の高い機能を割り当てることで、操作性を一段と高めることができます。
対応カメラ※1と対応レンズ※2の組み合わせ時、フォーカスリングやフォーカシング機能を割り当てたコントロールリングの、MFでピント位置を至近側から無限遠側まで移動させるために必要な回転角度を、90度~720度の範囲で12段階、カメラのカスタムセッティングで設定可能。リングを回す速さにかかわらず、ピント位置が回転角度に応じて移動するため、動画撮影で何度も同じシーンを撮影する場合などに目的の位置により容易にピントを合わせることができ、MFでのピント合わせの失敗を防げます。
DCリングの操作で、レンズの一部を前後に動かすことにより、被写体の前後のボケ像の形状をコントロールできる世界初の画期的レンズです。
DCリングを操作しない場合(図1):通常のレンズ同様、主要被写体からの光線はシャープに結像し、背景や前景からの光線は均一なボケ像となります。
DCリングをR〈リア〉側にセット(図2):球面収差が発生し、背景からの光線は像の中心に核をもちその周辺を柔らかい光のにじみ(ハロー)が取り巻き、全体として柔らかなボケ像となります。この時前景からの光線は円環状のエッジをもったボケ像となり、いわゆる二線ボケとなることがあります。
DCリングをF〈フロント〉側にセット:R側にセットした時とは逆方向の球面収差が発生し、前景からの光線の像が柔らかいボケ像となります。
このようにボケ味を背景か前景のどちらかを優先して選択できる点が特長です。またDCリングの目盛りを絞り値より大きな数値にセットするとソフトフォーカス的な効果を得られます(その場合、オートフォーカスは使わずにファインダーのマット面でピントを合わせてください)。