ひと言で表すなら、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDよりも良く写るレンズですね。どの焦点域でも周辺部を含めた画像の解像感は抜群で、まるで単焦点レンズのような優れた描写力が得られます。滝を写した写真を見てもわかると思いますが、滝の表情や岩の質感、岩に生えるイワタバコの葉なども見事に再現してくれました。周辺部の画質を向上させるためでしょうか、AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDと比べるとレンズの口径は82mmになり全長も伸びています。でも、意外なことにそれほど大きいという印象はなく、新旧2本のレンズを並べてようやくわかるといった程度です。そのうえ手ブレ補正機能の搭載によって手持ち撮影の幅がぐっと広がりました。手ブレ補正機能をオンにすると、ファインダー像がピタッと張りつくような感じになります。長崎の夜景も手持ちで撮影していますが、ファインダー像が非常に安定しているので構図をじっくりと決めることができました。1/8秒のスローシャッターでもブレはなく、F2.8やF4で写しても画面の隅々までシャープに表現され、収差もまったく発生していません。しかもAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G EDと同様にレンズにナノクリスタルコートを施しているため、逆光で撮影した時もゴーストやフレアはほとんど発生しませんでした。
1958年徳島県徳島市生まれ。小学生の時、大阪万博の会場をめぐり写真を撮り、写真の魅力に開眼。
14歳の時、地元の「徳島新聞」に吉野川で撮影した作品が掲載。17歳の時には二科展に入選。
銀座ニコンサロンで個展開催。大学時代には雑誌「ブルータス」などで活躍。広告写真の分野ではAPA特選。
85年にはデビュー写真集『RAKUEN』を出版。この作品で、木村伊兵衛写真賞受賞。
以降、「楽園」をテーマに「タヒチ」「モルディブ」「沖縄」「ハワイ」などの写真集を数多く出版。
2014年からニッコールクラブ顧問に就任。