ミラーレスカメラでも需要が増えつつある8K動画を、Z 9ではプロフェッショナルの実用レベルに合わせて開発。効率的な放熱技術により、最長125分※3の8K UHD 30p※2動画の内部記録に対応。NIKKOR Z のS-Lineレンズによる卓越した解像力と全画素読み出しによる豊富な情報を活用し、被写体のディテールを画面の隅々まで克明に描写できます。 ProRes 422 HQ 10bit、 H.265(HEVC)10bitおよび8bitでの内部記録を実現し、用途に応じて階調モード(SDR、N-Log、HLG※4)を選べます。動画専用に調整したピクチャーコントロール[オート]は、自然な見た目と色合いによる映像表現が可能で、撮影データがすぐに必要になる報道ジャーナリストなどのユーザーニーズに応えます。9種類の被写体検出は動画撮影でも有効。[オート]に設定しておけば、異なる被写体であっても設定変更する必要がなく構図に集中して撮影できます。「被写体未検出時のAF 駆動」をOFFにすることもできるので、被写体が一時的に隠れてしまうシーンでピント位置を維持したまま撮影できます。[AF速度]のアルゴリズムも進化しており、これまで以上にゆっくり動く被写体にも激しく動く被写体にもスムーズに追従します。
12bitで、N-RAWとProRes RAW HQの2種類のRAW動画フォーマットで内部記録が可能。ニコン独自のN-RAWは、ProRes RAW HQの1/2のファイルサイズで撮影できます。N-RAW、FXベースの動画フォーマットでの撮影時は、8.3K 60p、4.1K 120pまで対応※1。ProRes RAW HQ、FXベースの動画フォーマットでの撮影時には4.1K 60pまで対応します。
どちらのフォーマットでもRAW動画ファイル生成と同時に、転送・編集に適したフルHDのmp4のプロキシファイルも記録。外部レコーダーを使用せずにコンパクトなシステムで撮影ができ、編集ソフト※2を使用することで12bitの豊富な階調表現を活かした本格的な編集が可能です。
動画の内部記録は、編集環境に応じてH.265(HEVC)、ProRes 422 HQからも選択可能。H.265(HEVC)は既存のH.264に比べ圧縮効率に優れており、8K UHD 30pや4K UHD 120pなど多様な[画像サイズ/フレームレート]に対応(H.264はFull HD 60pまで)し、10bit/8bitの選択が可能です。ProRes 422 HQは、編集用の中間ファイルとして動画プロの間で業界標準となっているフォーマット(10bitのみ)で、4:2:2での記録が可能です。フレーム相関圧縮を行わないALL-Iにより、ファイルサイズは大きくなるものの、高画質を提供します。
新たに設けたシャッターモード(カスタム設定)で[シャッターアングル]を選択すると、撮影モードM(マニュアル)での動画撮影時にシャッタースピードをシャッターアングル(シャッター開角度)で設定できるようになります。これにより、フレームレートを変更してもそのたびにシャッタースピードを変更することなく、意図どおりのブラーを活かした表現ができます。シャッターアングルは、一般的な180°(フレームレートの2倍のシャッタースピードに相当)を含む5.6°から360°まで15段階で調整可能。さまざまな表現意図に応じて、カットごとに細かく設定を変更したい場合もスムーズに調整が行えます。
画像処理エンジンEXPEED 7の高度な信号処理により、8Kで読み出したデータをオーバーサンプリングして、4K UHD動画を生成します。60p※/50p※/30p/25p/24pでの撮影時に対応。被写体の細かい構造まで緻密に再現した、大画面での再生でも解像感が高く見える高画質な映像は、風景を主題にした作品などに最適です。
4K UHD時にも、滑らかな映像が得られスローモーション再生用素材の取得にも適した、120pのハイフレームレート撮影が可能です。120p時にも最大125分までの内部記録に対応。[FXベースの動画フォーマット]では映像がクロップされないため、パースの効いた広角レンズなどの表現力を最大限活かせます。撮像範囲は、使用するレンズの約2.3倍の焦点距離の画角に相当するサイズにも設定でき※1、レンズ交換せずに被写体を大きく写すことも可能です。
またZ 9では、画像処理エンジンEXPEED 7の高度な信号処理により、8Kで読み出したデータをオーバーサンプリング※2して4K UHD画像を生成。被写体の細かい構造まで緻密に再現した、これまで以上に高画質な映像が得られます。
[H.264 8-bit(MP4)]選択時、[画像サイズ/フレームレート]で[1920×1080 30p 4倍スロー]、[1920×1080 25p 4倍スロー]、または[1920×1080 24p 5倍スロー]を選ぶと、カメラまかせで手軽にスローモーション動画を撮影できます※2。たとえば[1920×1080 30p 4倍スロー]では120pのフレームレートで読み出した画像を30pの動画として記録。約10秒間撮影した動画は、約40秒間でスロー再生されます。ボールをラケットやバットで捉えた瞬間など、一瞬の出来事をゆっくりと見られます。
4K UHDやフルHDの動画撮影時に、単焦点レンズ使用時でも、「ハイレゾズーム」機能を割り当てたカスタムボタンの操作で最大2倍のズームアップが可能です。通常のデジタルズームとは異なり、最大8Kの解像度をリアルタイムで利用するため、ズームアップ時にも高い解像度を維持。例えば開放F値が1.2のNIKKOR Z 単焦点レンズを使用し、自然なボケ味を生かしながら被写体を大きく捉えることができます。ボタン操作によるズーム時には、意図した映像表現に合わせて選択した一定の速度(-5~+5の11段階で設定可能※2)で、手動では得られない滑らかなズーミングが可能。NIKKOR Z レンズのコントロールリングに割り当てた場合は、選択した速度にかかわらず、手動でリングを回す速度に応じた、光学ズーム的な表現が可能です。
動画の階調モードを[N-Log]に設定しているときは、ISO感度をLo 2.0まで設定できます。ベース感度より低い設定で[N-Log]記録するとダイナミックレンジがシャドー側にシフト。背景が明るく被写体が暗い場合でも、シャドー部の豊富な情報を用いた編集で、ノイズを抑え、美しいディテールを表現できます。この機能はN-RAW時にも利用可能です。
動画撮影中は、ボディー内VR、シンクロVRだけでなく、電子手ブレ補正※1も使用可能です。Z 9ではEXPEED 7の採用により電子手ブレ補正の性能が大幅に進化。特にNIKKOR Z レンズ使用時の手持ち撮影の揺れによるブレを補正し※2、歩きながらの撮影でも従来に比べより良好な結果が得られます。また、広角レンズで見られがちな映像周辺部のゆがみも軽減※2できます。
Z 9は、効率的な映像制作のワークフローを実現する、さまざまな機能を提供しています。
録画しているつもりでできていなかったり、録画していないつもりで不要な映像を記録していたり。そんな録画ミスを回避するため、動画記録中にはファインダー、画像モニターともに、ライブビュー画面の周囲に赤枠を表示できます。記録中であることが判別しやすく、記録ミスを防ぎやすくなります。
「ヒストグラム」と「ウェーブフォームモニター」は、大きさ、透明度、表示位置を柔軟にカスタマイズできます。これらの項目は好みや撮影シーンの状況に合わせて設定でき、露出の調整が簡単に行えるようになります。
露出確認をより容易にするために、背景の色に応じて黒、グレー、赤、緑、青の5色から「ゼブラ表示」の色を選べるようになります。黒以外の「ゼブラ表示」は半透明なので、これらを選べばゼブラ表示が重なる明るい領域でも何を撮影しているか容易に確認できます。
メニューのカスタマイズに「動画情報表示」を設定すると、動画撮影時の各種設定を一覧で確認できます。一画面で素早く確認できるため時間を短縮でき、ドキュメンタリーなど時間のない撮影現場で重宝します。画像サイズ/フレームレートも確認できるため、外部モニターを使用する現場でも便利です。
動画再生時にメイン・サブコマンドダイヤルで映像を送る際の送り量を、秒(2秒/5秒/10秒)またはフレーム(1コマ/5コマ/10コマ)単位でカスタマイズできるため、見たい瞬間を素早く簡単に見つけられます。
露出確認用に、新たに「ウェーブフォームモニター」表示を搭載。従来の「ゼブラ表示」と使い分けて、的確な露出確認が可能です。
「ウェーブフォームモニター」表示では、撮影画面のどの位置で白とびしているかが分かるため、窓抜けや照明など原因の特定が容易。N-LogやRAW撮影など、適正露出が分かりにくい撮影に便利です。表示サイズは2種類から選べます。
白とびする部分を容易に確認できる高輝度領域の斜線表示に加え、Z 9では、中間輝度領域も斜線表示が可能。人物の肌の輝度レベルを合わせるのに便利です。高輝度、中間輝度とも、検出の範囲(どの程度の明るさの部分を斜線で表示するか)を設定可能。斜線表示の向きも、被写体の模様や質感に合わせて2種類から見やすい方を選べます。
HDMI出力※表示レイテンシーを従来機種よりも短縮しており、外部モニター使用時の快適な撮影をサポートします。
レンズのフォーカスリングやフォーカス機能を割り当てたコントロールリングを使ってMFでピントを合わせる際、ピント位置を至近から無限遠まで移動させるために必要なリングの回転角度を90度から720度の範囲で設定可能※。リングを回す速さにかかわらず、ピント位置が回転角度に応じて移動するため、動画撮影で何度も同じシーンを撮影する場合などに目的の位置により容易にピントを合わせることができ、MFでのピント合わせの失敗を防げます。
8K UHD 30p、4K UHD 120p動画※1から、それぞれ33メガピクセル、8メガピクセルの静止画※2を切り出し可能。高精細な8Kサイズの静止画や120pで捉えた決定的瞬間を、動画撮影後に選択してJPEG画像として保存できます。
動画から静止画を切り出したいとき、コマ数の多い映像の中から目的の1コマを見つけるのが難しい場合があります。「フレームを連続保存」機能では、動画再生一時停止時に表示されているコマからの時間を選択し、その間のコマをJPEGファイル※として保存することができます。保存する映像の長さは、1秒、2秒、5秒、10秒から選択できます。
「静止画撮影メニュー」とは独立した専用の「動画撮影メニュー」。静止画⇔動画を切り換えてもそれぞれの設定で撮影できるため、静止画と動画両方を扱うマルチメディア制作者の撮影効率を向上させます。また、動画撮影中に ボタンを押して メニューを呼び出し、各種設定を効率よく変更することもできます。
他の動画素材との同期や、映像と音声の同期を容易にする「タイムコード」を、ファイル形式がMOVの動画データに記録できます。「タイムコード」と実時間のズレを解消する[ドロップフレーム]にも対応しています。
別売のワイヤレスリモコン WR-T10※を使用して、複数のZ 9のタイムコードを、ボタンを押すだけで同期させることができます。複数のZ 9の映像と音声の同期が簡単にでき、ポストプロダクションでのワークフローの効率化が図れます。
また、UltraSync BLUE(ATOMOS社製)にも対応。ATOMOS AirGluTMのBluetooth®接続により、機種が異なる複数のカメラや、外部オーディオレコーダーのタイムコード同期も可能。様々な機材との同期が可能になることで、さらに多様な撮影現場でZ 9が活躍します。
マルチセレクターの上下押し操作に、露出補正またはパワー絞りを割り当てられます。朝日が昇る情景や、暗いところから明るいところへカメラを振ったときのような輝度が極端に変化するシーンでも、動画専用の緩やかな露出制御で明るさが滑らかに変化する映像が得られます。Fn1ボタン(+補正)とFn2ボタン(-補正)に「露出補正」※1機能を割り当て、動画撮影中にISO感度の制御による滑らかな露出補正も可能。Fn1ボタン(開放側)、Fn2ボタン(小絞り側)には「パワー絞り」※1※2機能も割り当てることができ、動画を撮影しながら明るさと被写界深度を滑らかに変更できます。
[ISO感度ステッ幅拡張(Mモード)]を[する(1/6段)]に設定すると、撮影モードM時の動画のISO感度はISO 64~25600の間を1/6段ステップで細かく調整可能。感度を必要以上に上げずに明るさを調整できるため、映像のノイズ感が大きく変わらず、他のカットとのつながりがよくなります。
明るさが急激に変化するシーンを1カットで撮影するような場合に、被写体のブレ具合と被写界深度を一定にしたいときには、マニュアル露出でシャッタースピードと絞りを固定し、「感度自動制御」(ISO 64~Hi2.0)を利用することで自動的に適正露出が得られます。感度が高くなりすぎないように「制御上限感度」(ISO 100~Hi2.0)の設定も可能です。
マニュアルフォーカスで意図通りのポイントにピントを合わせたいとき、ピントが合っている部分を簡単に確認できる「フォーカスピーキング」表示機能。表示色は被写体の色に応じて赤、黄、青、白から選択可能。検出感度も3段階で調節できます。
内蔵ステレオマイクや外部マイクからの臨場感あふれる音声を、24bitで記録できます(リニアPCM時)。マイク感度(20段階)は音声レベルインジケーターで視覚的に確認しながら、動画撮影中でも調整可能。大音量の環境下でマイク感度を減衰させて音割れを抑えるアッテネーターも搭載しています。また、市販のステレオヘッドホンで音声のモニター(音量30段階)も可能です。さらに、楽器演奏や街のざわめきなど幅広いシーンに適した[広帯域]と、主に人の声を録音したいときに適した[音声帯域]から「録音帯域」の選択が可能。内蔵マイク使用時には「風切り音低減」も設定できます。
カラーコレクションの手間をかけなくても済む、動画として好ましい画づくりを目指して、Z 9はピクチャーコントロール[オート]の動画画質を変更。[スタンダード]を元にした静止画モードの[オート]とは異なり、動画モードでは[ニュートラル]をベースにして、コントラストは控え目に、色は鮮やか目に、色合いや階調をカメラが自動的に調整します。
Z シリーズカメラ※と有線接続し、カメラをリモート操作できます。ARRI規格準拠のロゼットにアダプターを装着することで、三脚のパン棒やショルダーリグのハンドル等に取り付けてカメラの様々な機能を操作、制御できるため、特に少人数での動画撮影の効率が向上。より作品作りに集中できるスタイルを生み出し、今までできなかった表現が可能になります。静止画撮影にも対応しています。
高速読み出し(1700MB/s)、高速書き込み(1500MB/s)、大容量(660GB)の、ニコン純正のCFexpressカード(Type B)です。Z 9では、高速連続撮影を1000コマ以上※1継続でき、約24200コマの静止画※2、約24分間の12bit N-RAW 8.3K 60p動画※3を記録可能。Z 9の高いパフォーマンスを、遺憾なく発揮できます。
専門メーカーと協業して、カメラ用マイクロホン、ジンバル、ケージなど様々な動画周辺アクセサリーを Z シリーズカメラに最適化。快適な動画撮影をさらに強力にサポートします。