人間と共通した祖先を持つサル。
あらゆる動物のなかでも表情がはっきりしていて、5本指でものを握り、人間との共通点も多くなんとなく親しみが持てます。なかでも「ニホンザル」は、我々日本人にとって、昔話や歌、ことわざなどに用いられることも多く馴染みの深い動物です。
サルというと、尻尾が長く赤い顔、といったイメージがありますが、実はニホンザルの尻尾は長くありません。
赤ら顔と赤いお尻が特徴ですが、実はこれはニホンザル固有のもの。顔やお尻の表面に近いところを毛細血管が通っていて透けて見えているのです。子供の頃は肌色だった顔色は大人になるにつれ赤くなり、発情するとさらに赤くなることでも知られています。年齢や状況によって変化する顔やお尻の色に注目して観察してみたり、その違いを写真に残してみるのも一興です。
ニホンザルは通常、数頭の大人のオスザル、メスザル、そしてその子供たちから成る群れをつくって生活しています。群れの中心は大人メス。メスは生まれた群れから離れることがありません。
寿命は25歳程度で、体温は38.5度前後。
サルにもABO式血液型があり、わたしたち人間が人種によって分布が異なるように、サルも種類によって血液型分布に傾向があります。ニホンザルではO型とB型がほとんどなのだそう。
南は屋久島から北は下北半島まで生息するニホンザル。ヒトをのぞく霊長類のなかで最も北に棲む種類です。氷点下10度以下になるようなところに住むサルは実は他に存在しません。(そのため海外ではスノーモンキーと呼ばれ珍しさから人気です。)
寒さをふせぐために、身体を寄せ合い、おしくらまんじゅうのような行動もみられます。世界で唯一温泉に入浴することでも知られています。
夏と冬では毛の長さや色が異なるのも特徴の一つ。これは暑さ寒さに適応するために初夏に毛が一気に抜け変わり濃い色の短毛となり、冬にかけてその毛が伸び色も薄れていくためです。体の特徴を知ることでサルの写真が撮影された季節をうかがい知ることもできますね。
木を自由に上り下りしたり、木から木へと渡り歩いたり。次の行動が予測できないサルたち。動きがとても速いので、撮影時はシャッタースピード優先のSモードをオススメします。サルは喜怒哀楽がわかるほど表情豊かでついその様子を狙いたくなりますが、近づきすぎないことと眼を見つめないよう注意してください。サルの社会では、近くで相手の眼をジッと見つめることは、敵意の表現になってしまうので。
実際にここで知ったことを活かしながら、ニホンザルの写真を撮ってみませんか?表情豊かなサルを撮るコツをご紹介しています。