絶えず強風が吹き続ける真冬の山並み。上空は満天の星で快晴ながら、強風で積もった雪が上空に舞い、三脚が何度も倒れそうになります。透明度が高くなる冬の季節は星々がよく見え、標高の高い山岳部ではさらに暗い星々や天ノ川の光芒もはっきりと見え、撮影に適したシーズンです。
夜空が暗い山岳部、思い切って高感度設定(ISO3200)で撮影を試みました。予想通り、山肌、暗い星々、肉眼では見えない天ノ川を構成する微細な星々も鮮明に捉えられています。レンズのフォーカスはマニュアルに設定し、撮影メニューの「ライブビューモード」で星を拡大表示しながら慎重にピント合わせを行います。ピントリングが動かないようテープなどで固定するのも忘れてはいけません。レンズ前にセットしたソフトフィルターの効果で、カペラをはじめ明るい星々が滲んで、立体感がある写真となりました。
レンズ:AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR
焦点距離:36mm
絞り値:f/3.2
シャッタースピード:15秒
ホワイトバランス:晴天
露出モード:マニュアル
測光モード:マルチパターン測光
露出補正:0段
フォーカスモード:マニュアル(M)
ISO感度設定:ISO 3200
その他使用機材:三脚、レンズフード、ソフトフィルター、リモートコードまたはリモートコントローラー、予備のバッテリー
VR機構を搭載し、NIKKOR初のED非球面レンズを採用。極限の画質を追求した高性能大口径標準ズームレンズ。
中央に見える雲の左下にある明るい星「北極星」を中心に、無数の星々が輝いています。富士山と点像の星を一緒に捉えるため、シャッタースピードを15秒と長すぎないタイミングで撮影します。撮影メニューの「ライブビューモード」で星を拡大表示させ、マニュアルフォーカスで星のピント合わせを行いました。また、ホワイトバランスを調整して好みの夜空の色にするのもおすすめです。ブレを防止するために、リモートコントローラーもしくはセルフタイマーで撮影するようにしましょう。
撮影・解説:八板 康麿