群集するススキ草原に輝く中秋の名月。十五夜にススキを供えるのは、収穫できていない稲穂の代わりにススキを供え神様に感謝したことが始まりと言われています。
郷愁を誘う満月とススキとの風景ですが、同時に作品に収めるのは至難の業。満月はとても明るく、ISO100設定で絞りf/8、シャッタースピード1/250秒で撮影することができますが、暗闇のススキを撮影するためにはスローシャッターか、スピードライトで発光しないと写すことができません。
多重露出撮影をすることで、明暗の差がある両被写体を捉えています。
撮影メニューの「多重露出モード」を設定し、露光回数のコマ数を「2」に。1回目の撮影は画面の下に群集するススキを配置し、スピードライト発光で撮りました。次に望遠レンズで満月を拡大して画面上部に配置して撮影。カメラと月、カメラとススキとの距離は異なるため、マニュアルフォーカスでピントを合わせ直す必要があります。また、ピクチャーコントロールをポートレートにセットし撮影することによって、ススキがやわらかな雰囲気になっていることもポイントです。
レンズ:AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II
焦点距離:200mm
絞り値:f/8
シャッタースピード:1/2500秒
ホワイトバランス:晴天
露出モード:マニュアル
測光モード:マルチパターン測光
露出補正:0段
フォーカスモード:マニュアル(M)
ISO感度設定:ISO 400
その他使用機材:三脚、スピードライト、レンズフード、リモートコードまたはリモートコントローラー、予備のバッテリー
※月の撮影データとなります。
撮影・解説:八板 康麿