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Lesson43:APS-Cサイズのズームレンズ3本の特徴と使い分け

前回のレンズレッスンで旅行に持って行ったのは「NIKKOR Z DX 12-28mm f/3.5-5.6 PZ VR」の超広角ズームでしたが、「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」や「NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR」を持っていったとしたら、どんな旅写真が撮れたでしょうか。
今回はそんな、同じような広角画角を含むズームレンズを作例を交えて比較しながら、その特徴をご紹介します。

Lesson42:12-28mmの超広角ズーム1本で撮る旅行写真

撮影監修:斎藤 勝則
撮影協力:小田原市

12-28mmと16-50mmのレンズ比較

レンズの大きさ

NIKKOR Z DX 12-28mm f/3.5-5.6 PZ VR

約205gの重さで超広角ズームレンズとしては非常に軽く、旅行や散歩の際にバッグに入れて長時間持ち歩いていても苦にならない、カメラボディーとあわせても気軽に持ち運びできるレンズです。旅行写真はいつもスマートフォンでという方にもおすすめ。スマートフォンでは表現しきれなかった様々なシーンをより魅力的な思い出として残すことができるはずです。

NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

質量が約135g、長さ(※)約32 mm(沈胴時)とさらに小型で軽量なレンズです。極めて携行性に優れていて、小さめのバックに入れての持ち運びも可能。広角、望遠側のどちらでもボケを活かした柔らかい描写ができるだけでなく、シャープで立体感のある描写の写真もスマートフォンのような手軽さで撮影することができます。

※ レンズマウント基準面からレンズ先端まで。

12-28mmをバックに入れたときの大きさイメージ

16-50mmをバックに入れたときの大きさイメージ

写せる範囲

NIKKOR Z DX 12-28mm f/3.5-5.6 PZ VR

APS-Cサイズ/DXフォーマット用のNIKKOR Z レンズで最も広い画角※をカバーしているレンズとあって、広角側12mm(35mm換算18mm)では目で見ている以上に広々とした、超広角らしい画作りをすることができます。一方望遠側は標準画角の28mm(35mm換算42mm)をカバーしているため、見た目に近い自然なイメージでも撮影することが可能です。

※ 2023年4月18日現在。

広角側、12mm(35mm換算18mm)で撮影

望遠側、28mm(35mm換算42mm)で撮影

NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

16mmから50mm(35mm換算24mmから75mm)までをカバーした使いやすいズーム範囲を持つレンズです。広角の広々とした画から中望遠の一部分を切り取るような画まで、幅広いシーンで活躍する1本です。

広角側、16mm(35mm換算24mm)で撮影

望遠側、50mm(35mm換算75mm)で撮影

さらに望遠画角をカバーするなら?

「NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VR」は18mmから140mm(35mm換算27mmから210mm)をカバーする高倍率ズーム。広角画角の画づくりも楽しみながら大きく寄った望遠画角でも撮影できる、1本で多彩なシーン、画作りをすることができます。

広角側、18mm(35mm換算27mm)で撮影

望遠側、140mm(35mm換算210mm)で撮影

高倍率ズームでありながら比較的小型・軽量を実現している18-140mm。それでもやはり12-28mmや16-50mmに比べるとレンズが長く(重くなる)ため、何を撮りたいのか、どんな画づくりをしたいのによって持って行くレンズを選ぶと良いでしょう。

左から、16-50mm、12-28mm、18-140mm。それぞれ大きさが異なります

18-140mmをバックに入れたときの大きさイメージ

35mm換算ってなんのこと?

デジタルカメラに内蔵されている写真を撮るための装置のことを「撮像素子(イメージセンサー)」といいます。これにはさまざまな大きさのものがあり、同じ焦点距離のレンズで撮影していても、カメラに内蔵された撮像素子のフォーマットが違えば写る範囲が異なるという大きな特徴があります。 ニコンのカメラでは2種類の大きさの撮像素子を使用しています。ひとつ目は35mmフィルムの大きさに準じたサイズ(フルサイズ)で作られた「フルサイズ/FXフォーマット」、もうひとつがそれよりも小さなサイズで作られている「APS-Cサイズ/DXフォーマット」です。

今回ご紹介している3本のレンズはすべてDXフォーマットのレンズです。ここまでの文章の中に「(35mm換算●mm)」という表記があったかと思いますが、それは「35mmフィルム判=フルサイズ/FXフォーマットでいうと、●mm相当の画角で写ります」という意味になります。 レンズの焦点距離についての説明は、FXフォーマットを基準にすることがほとんどです。DXフォーマットのカメラやレンズで撮影するときにはこういった記載も参考にしながら、35mm判換算ではこれくらいの焦点距離になるな、という感覚を身に着けておくと良いですよ。

サイズの違いについての詳細はこちら

最短撮影距離

NIKKOR Z DX 12-28mm f/3.5-5.6 PZ VR

ズーム全域で最短撮影距離0.19m、最大撮影倍率0.21倍を実現、被写体にぐぐっと寄ったダイナミックなクローズアップ写真を撮影することができます。

NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR

このレンズも最短撮影距離が0.2 m~0.3 m(画角によって最短撮影距離が変化)と短く、クローズアップ写真を楽しむことができます。近寄っても非常にシャープでキレイな画像が得られます。

12-28mmの12mmで、最短撮影距離で撮影

16-50mmの16mmで、最短撮影距離で撮影

ボケ感

グッと寄ったクローズアップ写真だからこそ、背景がボケやすくなります。

12-28mmの27mmで、最短撮影距離で撮影

16-50mmの36mmで、最短撮影距離で撮影

広角で自撮り

超広角の画角で便利なのが、自撮り写真です。手を伸ばしてカメラを構え自分を入れて撮る場合、より広い画角の方が背景をより広く入れて撮ることができ、窮屈感もありません。三脚を立てて記念写真を撮影する場合でも、1人で撮る場合にはあまりカメラから遠く離れて撮ることが難しいケースも多いはず。自撮りや自分を入れての記念写真を撮るなら、超広角ズームがおすすめです。

12-28mmの広角側、12mmで撮影

16-50mmの広角側、16mmで撮影

トライポットグリップなら自撮りも記念写真の撮影も簡単便利!

自分撮りをするなら、カメラに装着する手持ちグリップ「SmallRig トライポッドグリップ3070」を使うのがおすすめ。ハイアングルから狙うことができるので自撮りの構図も決めやすく、またグリップ部分に装着されたリモコンでシャッターボタンが押せるため、片手でスムーズに撮影することができます。
さらにミニ三脚としても使用できるので、カメラから離れて両手をフリーにして記念写真を撮る際にも便利です。

SmallRig トライポッドグリップ3070 リモコンML-L7セット

さまざまなレンズで撮る旅写真

3本のレンズを使って撮影した旅写真をご紹介します。どのレンズを持って旅に出たいか、ぜひ、参考にしてみてください。

NIKKOR Z DX 12-28mm f/3.5-5.6 PZ VRの作例

風景

焦点距離:12mm

焦点距離:12mm

スナップ

焦点距離:15mm

焦点距離:13mm

自撮りや手持ちスナップ

焦点距離:28mm

焦点距離:12mm

テーブルフォト

焦点距離:27mm

焦点距離:28mm

NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRの作例

風景

焦点距離:24.5mm

焦点距離:16mm

スナップ

焦点距離:36mm

焦点距離:27.5mm

自撮りや手持ちスナップ

焦点距離:19.5mm

焦点距離:34mm

テーブルフォト

焦点距離:16mm

焦点距離:26.5mm

NIKKOR Z DX 18-140mm f/3.5-6.3 VRの作例

風景

焦点距離:50mm

焦点距離:32.5mm

スナップ

焦点距離:47mm

焦点距離:140mm

自撮りや手持ちスナップ

焦点距離:140mm

焦点距離:35mm

テーブルフォト

焦点距離:60mm

焦点距離:67mm

今回は、旅にもっていくのにおすすめな広角域を含む3本のズームレンズを比較しながら撮影をしました。持ち運びやすさ、どんな場所を撮りたいのか、どんな写真を撮りたいのかをイメージしながら、旅のお供の1本をぜひ選んでみてください。

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