公園にはいつも子どもたちの元気な笑い声が響いています。今回はそんな全力で遊ぶ子どもを一味違ったテクニックで撮る方法として、「流し撮り」にチャレンジしてみましょう。
撮影の難易度は少々高めですが、成功すれば臨場感あふれる写真になります。流し撮りがしやすい被写体として今回は、公園にある遊具「ターザンロープ」で遊ぶ子どもをテーマに撮影してみましょう。
撮影監修:斎藤勝則
流し撮りとは、被写体の動きに合わせてカメラを動かしながらシャッターを切る撮影方法で、被写体は止まって背景だけが流れて写り、スピード感や臨場感を演出することができます。動きかたが予測できスピードも不規則ではない、単純な動きの被写体がカメラで追いやすいため流し撮りには向いています。
ターザンロープは、スタート位置から決まったコースを安定した速度で移動します。スタート位置についた子どもにピントを合わせて半押し(ピントをロック)し、移動する子どもをカメラで追います。ターザンロープは最後の方になるにつれ速度が落ちていきますので、撮影者はトップスピードに乗って速度が安定している前半から真ん中あたりに立ち、子どもが横に来たタイミングでシャッターを切ります。
次に、撮影画角を検討しましょう。ターザンロープに近づき過ぎないよう、危なくない場所から撮影する必要がありますので、標準画角では子どもを大きく捉えられない場合があります。望遠レンズを持って行っておくと安心です。
流し撮りをするためのカメラ設定を行いましょう。ポイントは、シャッタースピード。背景を流すため遅く、スローシャッターぎみに設定する必要があります。また、動く被写体を撮りますので、動くものを捉えるためのピント・手ブレ補正の設定も行いましょう。
➀ 「撮影モード」を「シャッター優先オート」にし、シャッタースピードを遅く設定する(今回は1/80秒)。
➁ 「ISO感度」を低感度(今回は100)に設定する。
➂ 「レリーズモード」を「高速連続撮影(拡張)」(一番多いコマ数撮れるもの)に設定する。
➃ 「AFエリアモード」は「ワイドエリアAF(L)」に、「フォーカスモード」は「AF-C」に設定する。
➄ 「手ブレ補正」を「ON 」(今回はスポーツ)にする。
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[撮影モードダイヤル]を[S]に合わせ、[シャッター優先オート]に設定します
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メインコマンドダイヤルを回して、シャッタースピードを遅く(今回は1/80秒に)設定します
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ISOボタンを押しながらメインコマンドダイヤルを回し、低い感度(今回はISO100)に設定します
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ボタンを押し、メニューを表示させます
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[レリーズモード]を選択、OKボタンを押します
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[高速連続撮影(拡張)](一番多いコマ数撮れるもの)を選び、OKボタンを押します
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次に[AFエリアモード]を選びます
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特定の人物を中心に撮影するときピントを合わせやすい[ワイドエリアAF(L)]に設定します
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次に[フォーカスモード]を選びます
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動く被写体を撮るときに最適な[コンティニュアスAF]に設定します
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最後に、[光学手ブレ補正]を選びます
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動きの変化が激しい被写体を撮影する場合に最適な[スポーツ]に設定します
シャッタースピードを遅くすれば、その分、カメラには多くの光が取り込まれますが、光が多く取り込まれ過ぎてしまうと露出オーバーの写真になってしまいます。そのため日中に流し撮りを行う場合、ISO感度を一番低くしたり絞りを絞り込んだりして露出オーバーにならないよう注意する必要があります。
それでも露出オーバーになってしまう場合には、写真の発色に影響を与えずレンズに入って来る光量のみを減らすことができる「NDフィルター」を装着しましょう。当日の撮影状況によっては、あらかじめ準備して持って行っておくと安心です。
ターザンロープに乗る子どもの動きとシンクロするようにカメラを左右に振り、子どもが近づいて来たタイミングでシャッターを切り連写で撮影します。撮りかたのポイントは以下の3つです。
流し撮りは一度で成功する撮影方法ではないかもしれません。また、シャッタースピードの設定は子どもの動くスピードによって調整が必要となります。何度もチャレンジしながら撮りかたのコツをつかんでいきましょう。
最後に、撮影するからといって無理をしてターザンロープにお子さんを乗せたり、お子さん自身も張り切りすぎてスピードを上げすぎてしまったりといったことのないようくれぐれも安全に配慮し、また他のお子さんの遊びの邪魔をしないよう、ルールを守って撮影を楽しんでくださいね。
公園で遊ぶ子どもたちの生き生きとした表情は、とてもフォトジェニックです。はじけるような笑顔、全力で遊ぶ姿をぜひ写真に残しておきたいですよね。公園で遊ぶ子どもを撮るときのポイントは以下です。
なお、一番大切なのは遊具で遊ぶ子どもの安全を最優先にすることです。撮影に夢中になり過ぎて周囲で遊ぶお子さんとぶつかってしまうといったことのないように、また望遠レンズで離れた位置から撮影する場合には別の大人に遊んでいる子どもの安全を確保してもらうなど、安全に配慮しながら撮影を楽しんでくださいね。
このギャラリーでは「カメラレッスン」で撮影した作品を掲載しています。
写真の目的で絞り込んで作品を検索することができますので、この目的でどんな作品が撮れるのか参考にしながらご覧ください。