野鳥撮影のマナー
野鳥の凛とした美しさやかわいらしい姿を想像すると、つい撮影にも力が入ります。しかし、野鳥は単なる被写体ではなく、命ある自然の生き物。わたしたちが、大自然や公園などの生息エリアにお邪魔して撮影させてもらっていることを忘れずに、周囲の人や環境へも配慮しながら撮影しましょう。
POINT 1 周囲の人や環境に配慮しましょう。
- 進入禁止エリアや三脚禁止エリア、私有地でないかを確認しながら、撮影しましょう。
- 三脚や一脚を使用する場合は、周囲の人や通行者、ほかの撮影者に十分配慮しましょう。
- 野鳥の生息エリアには、バードウォッチャーや観光客も訪れます。目で楽しむ方たちのためにも、シャッター音や話し声などには十分注意し、ベストポイントを占拠しないようにしましょう。
- 撮影場所に生息している草花や木々にむやみに触れたり、手折ったり、踏みつけるなど、環境に影響を与える行動は慎みましょう。
- 河川や森林、沿岸部など、自然環境の中で撮影する際には、足場や天候に十分注意しましょう。
POINT 2 野鳥に負担をかけないように気をつけましょう。
- 野鳥に近づき過ぎたり、追いかけ回したりするような行為は避けましょう。
- 野鳥を驚かせたり、ストレスを与えたりしないためにも、電子音を無効にするなど、シャッター音や操作音に配慮しましょう。また、サイレント機能を搭載しているカメラをお持ちの場合は、設定をONにしましょう。スマートフォンや携帯電話など、音の出る電子機器は、マナーモードにしておきましょう。
- 撮影のためにわざと野鳥を飛び立たせるような行為は厳禁です。
- 夜間はあらかじめ、スピードライトを発光禁止に、AF補助光設定をOFFにしておきましょう。また、光が少ない状況であっても、人工照明の使用は控えましょう。
野鳥に過度のストレスをあたえ、思わぬ事故につながる恐れもあります。F値の明るいレンズを使用したり、ISO感度を上げたりするなど、工夫をして撮影しましょう。
F値の明るいレンズとは
POINT 3 生態系を乱す行為は厳禁です。
- 撮影が目的の餌づけは、野鳥本来の生活や生態系を変える恐れがあるため厳禁です。
- 野鳥の巣には決して近づかないでください。特に子育ての季節には、注意が必要です。親鳥が危険や環境の変化を感じると、子育てを放棄するなどの影響を与える可能性があります。野鳥撮影には、野鳥の習性や生態をあらかじめ学ぶことも大切なマナーです。
- 珍しい種類の野鳥の目撃情報や写真をSNSなどで発信するときには、情報の取り扱いには十分に注意しましょう。
情報が拡散されると、そのスポットに大勢の人々が訪れ、地元の方に迷惑をかけたり、生態系を乱したりすることがあります。
こんなときにも、みんなのマナー