第178回フォトフォトサロン

主題を引き立てるモノクロ写真の魅力

TopEye賞には玉元楓さんの「雨上がり」というモノクロ作品を選ばせていただきました。ここにはけっして特別なものは写っていません。身近な生活の一場面を注意深く、丁寧に捉えています。妹たちを見守るまなざしも愛にあふれています。だからこそ、見る側にもさまざまな感情が湧いてくるのです。準topeye賞には三浦菜々恵さんの「戦い」という作品を選ばせていただきました。視線が独特です。けっして正面から捉えていません。大切なことです。既成概念や予定調和といったものに縛られない感性が素敵です。写真とタイトルの距離感も絶妙です。どちらの作品もモノクロです。モノクロは色がないことで、主題をはっきり引き立てる効果があります。現実世界を捉えていながら、明らかに別の世界へ誘いもします。いままでモノクロに挑戦したことのない方も、その特性を意識しながら、いかに撮るべきか、何にカメラを向けるべきかを考えて、是非チャレンジしてみてください。