イノシシによる農作物等の被害は甚大です。
街中に出てしまい人を傷つけてしまうといった事態も起きています。イノシシは怖くて厄介者、そういったイメージがついてしまっています。私自身もそう思っている一人でした。初めてイノシシを見たとき近づくことさえ出来ませんでした。
しかし、そこから何度かイノシシを観察するうちに自分の中に描いていたイノシシ像と実際のイノシシとの違いが見えてきました。イノシシがどのように日々を過ごしているのか、どんな子育てをしているのか、興味が湧きました。
きっとこれは知っているようで知らない世界なのだと思いました。
イノシシを撮影し続けること6年。1日として同じ日はない彼らの日常は私を飽きさせることはありません。特に子育て中の親子の姿は、まるで人の親子を見ているかのようにとても微笑ましいものです。
この写真展を通して皆様のイノシシを見る目が少しでも変われば幸甚に存じます。
(矢野 誠人)
1984年 兵庫県生まれ。
野良猫を撮影している時に動物を撮影する楽しさに気付く。次第に野生動物を撮影してみたいと思うようになり、六甲山での撮影を始める。そこで出会ったイノシシ達に魅了され、以降イノシシの撮影がライフワークとなっている。
現在は人と動物との共生をテーマに日本各地の野生動物や動物園、ペット撮影に取り組んでいる。