2020年9月17日(木) 〜 2020年9月23日(水) 日曜休館
2020年12月 8日(火) 〜 2020年12月14日(月) 日曜休館
毎日新聞社主催の第39回土門拳賞選考会は、2月20日、千代田区一ツ橋の毎日新聞社で開かれ、藤本巧氏に決定した。受賞対象となったのは写真集『寡黙な空間 韓国に移住した日本人漁民と花井善吉院長』(工房 草土社)。
藤本巧氏は、50年にわたり韓国各地を巡りながら、古代から活発だった日本と韓国の人的交流の歴史を、韓国の中の日本、日本の中の韓国の風景にこだわり、農村や漁村、都市を撮り続けてきた。
受賞作の『寡黙な空間 韓国に移住した日本人漁民と花井善吉院長』は、瀬戸内海などで暮らしていた漁民が明治以降朝鮮半島に渡って生活した漁村や、今でも韓国に通称名として残る岡山村、広島村、千葉村などを約10年かけて現地取材したもの。そして、1916年、日本の統治下で「救癩事業」を名目に設立された小鹿島慈恵医院(現 国立小鹿島病院)の2代目院長・花井善吉の偉業を韓国南部の小鹿島に訪ねた。
収録されたモノクロームの写真群は、埋もれていた日韓の人的交流の歴史に光を当てた。
<新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中止いたしました写真展の会期を変更して開催いたします>
土門拳賞は、今日の写真文化の大きな流れのひとつをつくった土門拳の輝かしい業績をたたえ、毎日新聞社が創刊110 年記念事業のひとつとして、1981年に制定、毎年、プロ・アマを問わず優れた成果をあげた写真家を表彰しています。
受賞作品展は、ニコンプラザ大阪 THE GALLERY、ニコンプラザ東京 THE GALLERYで開催され、作品は山形県酒田市の「土門拳記念館」で展示された後、同館に永久保存されます。
第39回の選考委員を務めたのは次の各氏です。
大石芳野(写真家)
鬼海弘雄(写真家)
中村征夫(写真家)
梯久美子(作家)
砂間裕之(毎日新聞社東京本社編集編成局長)
1949年 島根県生まれ。独学で写真を習得。20歳から韓国の風土と人々を撮り続ける。
*主な受賞歴
1987年:咲くやこの花賞
2011年:韓国文化体育観光部長官賞
*主な写真集
1987年:『韓(から)くに 風の旅』筑摩書房
2006年:『韓くに、風と人の記録』フィルムアート社
2016年:『私の心の中の韓国』韓国で出版
*主な写真展
1978年:「韓くにの風と人」銀座ニコンサロン
1995年:「SPILIMBERGO Fotografi『KARABITO』」イタリア
2012年:「韓国を愛する巧 7080 過ぎ去った私たちの日常」韓国国立民俗博物館