痕跡・・・この場所にかつて“モノ”があり、これから“コト”が行われることを示すサイン
破壊と再生を繰り返し、日々増殖する巨大都市。
時間を記憶として刻み、過去と未来が交錯する地方都市。
役目を終えた場所が蔓延り、囲いの中で未来の物語を紡ぐ。
『ここに何があっただろうか』という鈍い喪失感
『ここはどうなるのだろうか』という微かな高揚感。
時代は移ろい世代は代わり、場所は代謝を続ける。
私にとって「都市を撮る」ということは、過去に埋没することを拒否し、
希望へとつながる未来の痕跡を拾い集める作業である。
(漆畑昌弘)
1954年 静岡県生まれ
明治大学工学部 卒
写真集団影法師 所属