中国のチベット高原を水源とし、六カ国を流れて南シナ海に注ぐアジアの大河メコン。その中流に寄り添うようにラオスのルアンパバーンの美しい街がある。この小さな街に際立っているのは14世紀頃からの歴史を持ち50もが林立する仏教僧院だ。
Watとよばれるこの僧院はそれぞれの支持者たちの援助によって運営するが、故あって学校に行けず、かつ勉学を志す全国の少年たちを修行僧として迎え、僧院に住まわせ、仏法を教え僧侶学校に通わせている。この僧侶学校は小学校から高校まであり、高校を卒業すると社会に送り出してゆく。ルアンパバーンはかかる修行僧が数多く集まり、住民も厚い信仰で支える、ラオスでも特別な街である。
僧院の朝は早く、修行僧は暗闇の中で僧侶に従って托鉢を始める。それぞれの寺院の托鉢のルートは決まっており、支援者は蒸したもち米を準備して待っている。 僧院での食事時には、支援者から寄進される食料に修行者たちは心躍らせ感謝する。
この修行僧達の未来に幸多かれと祈る。
(古清水輝光)
1944年 長野県生まれ
定年後65歳より写真を、67歳よりモノクロ写真を始める。
2015年 個展「成田空港人模様」(ニコンサロンbis新宿、東京)
2017年 個展「Sapaからの手紙」(ニコンプラザ新宿 THE GALLERY 2、東京)
2018年 第79回国際写真サロン 入選
他にグループ展等多数