放射能の線量を測定する機械が相馬市にはこの学校を含めて、19ヵ所に設けられている。除染前も除染後も、この玉野地区が一番高い。
少子高齢化に加え、原発事故による自主避難で児童生徒が急減した。この四年間は、新入生がゼロ。在籍児童も5,6年生が一人ずつ。平成29年3月、143年の歴史に幕を閉じた。
玉野地区の住民は400人程度。山間に150戸ほどが点在する。
戦後、満州や樺太などからの入植者が相次ぎ、小学校に200人の児童が通学していた時代もあった。
被災地の学校はますます統廃合が進んでいく。学校周辺には空き家や帰宅放棄した家が目立つ。
地元区長が「子どもたちの将来を考えれば廃校は仕方がない」と話す。近隣の小中学校の統廃合に原発事故の影響は大きい。
統合先での交流授業でみる限り、生徒間の関係が好印象だった。それがわずかに救いだ。(吉田 功)
主な写真展
2013年「廃校の行方」(ニコンサロンbis新宿)
2015年「廃校・大滝小最後の一年」」(ニコンサロンbis新宿)