日常の何でもない風景。すべての物が“ かたち”と共にある。
それらは人々に知覚され、具象化した思考の対象や 意識となる。そこに有用の美が生まれ存在を表す“かたち” は美しさを持つことで存在を増し、何かを語り又何かを宿して行く。
日本人の生活的な感性、とりわけ審美眼の原型ともなるべく風景の根に横たわる風土の中、何事にもこだわらずあらゆるものの“かたち”に焦点をあて、時間と空間とのかかわりの中で“かたち”はどのように変移していくのか
自己の視座の中、「今」を切り取り追い求める姿勢を大切に本作品をまとめた。
“かたち”は無限
“かたち”は記号の現象
“かたち”はその実体を求める
“かたち”は語り掛ける
“かたち”は見る人を選ぶ
“かたち”は創造の源泉
“かたち”は美を宿す
“かたち”は光を育む
“かたち”は影を生む
“かたち”は詩
そんな“かたち”の本質を見極めて行きたい。
(小谷 幸夫)
1948年三重県生まれ
一枚の私写真をプレゼントされた感動から写真を始める。
そして10年余り、写真の楽しさと奥深さを感じる。