静岡県富士市。10年前この街には主に製紙業を中心とした工場が多く存立して煙突が約270本存在していたが、日本経済の構造変化により製紙業の撤退・廃業で現在190本位となっている。昔、煙突から出る煙は「けぶ」と言われ公害の源として嫌われて見られた。だから煙突は厄介者扱いされたものである。
地震対策や工場の退・廃業で煙突の数は大きく減少した。明らかに煙突は減少構築物の代名詞である。しかし、その巨大な姿、大きく吐き出される白い蒸気を眺めると工場の活力、従業員の活気を感じ、またその家族の生活が煙突1本により支えられているような気がしてならない。
新幹線・JR線、高速道路また廃線を検討された岳南鉄道等が煙突を取り囲み、これらの光景が私の写真心を駆り立てる。
(山田 康)
1941年 新潟県生まれ
早稲田大学・理工学研究科卒
全日本写真連盟・静岡あかね支部所属
写真展
2006.03 「Delhi インド巡遊」 しずぎんギャラリー四季
2006.09 「煙突の見える街」 ニコンサロンbis
2008.05 「組写真狂想曲」 しずぎんギャラリー四季
2009.10 「ベトナム紀行3人展」 しずぎんギャラリー四季
2012.08 「うつぶら日記」 しずぎんギャラリー四季
2015.08 「由比北田地区 天王船流し」 静岡市民ギャラリー
2016.11 「サガン・サー・イン・モンゴル」しずぎんギャラリー四季
2018.02 「煙突の見える街」 ニコンプラザ新宿 THE GALLERY 2
2018.08 「祭華・エトセトラ」 東京半蔵門・JCII(予定)