初代 歌川広重 最後の版画シリーズ「名所江戸百景」の150年後の現在の姿を撮影した作品のシリーズを展示いたします。
作品は、なるべく、広重が描いた絵と同じ雰囲気になるように、「場所」「季節」「天候」「時間帯」「構図」にこだわって撮影したものです。特に、撮影場所に関しては、嘉永〜安政にかけての江戸切絵図や明治の古地図と、現代の地図を見比べて場所の特定をして、さらにロケハンで現地確認をするというこだわりを持っています。
また、作者がファインダーを覗いた時に心で感じた150年前のイメージを再現するために、題箋落款を貼り付け、さらに、元絵の一部をデジタルでコラージュしておりますので、浮世絵ファンならその作品が、どの絵の「NOW !」なのか、一目瞭然でお分かりになると思いますが、すべての方にお楽しみいただけるよう、元の版画も併せてご紹介いたします。
今回は、浮世絵の版画で使われているのと同じ楮(こうぞ)を原料とした和紙に作品をプリントしております。作者こだわりの「浮世写真」の世界をお楽しみいただければ幸いです。(浮世写真家 喜千也)
1961年 生まれ。東京都港区白金台に育つ。
1985年 慶応義塾大学法学部政治学科を卒業後、日本電気株式会社に入社、ポケベルや携帯電話などの広告宣伝に携わり、数々のプロカメラマンの撮影に立ち会う日々を送るうちに、自らも、一眼レフカメラを購入し写真撮影を始める。
1998年 日本電気を退職し独立し、商品企画/商品開発支援の会社をスタート。
2004年 デジタルカメラの開発支援を本格的に開始するために初めてPhotokinaを見学し、以降、デジタルカメラ商品企画/開発の支援をしながら、デジタル写真技術を学ぶ。
2008年 デジカメソフト開発用の写真の納品を皮切りに、広告用写真の受託を開始。
2013年 「歌川広重 名所江戸百景」の今昔比較写真の撮影スタート。
2017年 「名所江戸百景」の今昔比較写真が50点を超え、「喜千也×廣重 江戸百今昔比較 DIGITAL LIVE」スタート、「浮世写真家 喜千也」を名乗る。朝日カルチャーセンターの野外講座「広重目線で観る『名所江戸百景』」の講師。
2017年12月5日より、ニコンプラザ新宿 THE GALLERY 2にて個展開催。