「Blue Islands」には二つのイメージが含まれている。
地理や文化、政治など色々な原因のため、ラサは昔から今までも、とても特別な地域である。チベットの首府としてのラサはチベットにおける一番にぎやかなところだが、都市というより、とても生き生きしている町という方が適切かもしれない。このようなラサはまるで内陸にある一つの島だと思っている。
中国の教育では、宗教はいつも私に封建的、さらに愚昧なイメージを与えてくれる。しかし、チベットに滞在していた間、地元の人々と一緒に時間を共有した。自ら彼らの生活を近くで体験した。そして、驚いた。彼らが毎日繰り返している日常は一見単調に見えるだが、実に、豊かな生命力を含んでいる。
宗教が良いとか言いたいわけではない。ただし、チベット人は小さい頃から仏教についてのことを教えられ、そしてそれを信じて生きている。我々は、小さい頃から、科学や民主的であることを教えられ、そしてそれが正しいと思いながら生きている。
本当はどちらでも良いではないか。絶対的な正しさは存在しないと思う。私たちはただ違う様の時間だ。私の身体は「私」をこの世に存在させている島である。時間が川のようにこの島を流れ通過する。この島の中を流れている時間は私が目覚めた時間、つまり、生きている時間である。私は、この島にある花かもしれない、虎、火が山を燃やしてしまう、柔らかい、湖、密度、すべてありうる形であり、すべて形の可能性である。そう、一人は一つの島である。
どんな所にいても、どんなことを教えられても、生きている限り、我々の島たちはいつか、必ず自ら生命力を育むはずと思っている。それは美しいと思う、世界と同じように美しいと思う。
(顧夢/Allyl Gu)
※改装後の「ニコンサロン(ニコンプラザ東京内)」で、11月17日(火)~11月30日(月)、巡回展を開催いたします。
1994年 中国杭州生まれ
2020年3月 東京造形大学大学院造形研究科 修士課程卒業
2020年4月 明治大学理工学研究科総合芸術系 後期博士課程在学中