2018年9月26日(水) 〜 2018年10月 9日(火) 日曜休館
2018年10月25日(木) 〜 2018年11月 7日(水) 日曜休館
山形県の遊佐町ではお盆の間、家の軒先等におもちゃの乗り物が吊るされているポップかつシュールな光景が見られます。
これは精霊馬が独自に進化したものです。
元々この地域では茄子やきゅうりの精霊馬とは別に、水草で編んだ馬を吊す風習がありましたが、戦中戦後に職人が不足したことにより、代替としておもちゃの車を使うようになったそうです。
精霊馬があの世とこの世を行き来する為の乗り物ならば、車等のほうが快適で現代的でしょう。
また吊す乗り物は、故人が乗っていた、あるいは憧れていた車だったり、たくさんの先祖が帰ってくる家はバスや飛行機を選んだりと、故人への想いを反映したものが多いです。
死者を想う、という厳かになりがちな風習を時代に合わせて柔軟に対応しながら引き継ぎ、かつどこかユーモアを感じさせるこの土地の人々の豊かな精神性に私は惹かれます。(倉谷 卓)
1984年 山形県生まれ
2005年 日本写真芸術専門学校卒業
2008年 フォトプレミオ特別賞
2009年 juna21入選
2011年 塩竈フォトフェスティバル写真賞大賞
2013年と2014年に、TOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD審査員賞受賞
近年の個展に、「Your Camera is My Camera」(Alt_Medium,2017)
「Photographic Violence」(Hasu no hana,2017)
グループ展に「新章風景#2」(東京都美術館,2017)
「Pets Friends Forever」(Deutsches Hygiene-Museum,2017-2018)