被写体にくっ付きそうな近さまで近付いて撮影できるマイクロレンズを旅先に持って行くと普段とは違った思い出を写真に残すことができます。
素敵と思ったところにクローズアップ!
マイクロレンズを使えば通常のレンズでは近付けない近さまでぐっと近付いて撮影できます。シベの見える花を撮る場合は、一番目立つきれいな花を主役の花と決めて、その花のシベの先の部分にピントを合わせましょう。それ以外の花や背景がふんわりとボケて印象的な写真にすることができます。
器に盛られた料理などを撮る場合も花と一緒で、その料理の一番おいしそうな部分を主役に決めて、そこにピントを合わせて撮りましょう。絞り開放でそれ以外の部分がボケすぎてしまって料理の全容がわかりにくくなってしまった場合は、少しずつ絞りを絞ってどこまではっきり写るようにするかを調節してみましょう。撮影位置は真上からよりも斜め上から撮ったほうが奥行き感を出すことができます。
明るいレンズなので室内ポートレートもお手の物
マイクロレンズだから近付かなければならないという訳ではなく、標準画角の単焦点レンズとしてスナップ撮影にも活躍します。作例のように人物と手元の和菓子を一緒に撮るような場合は絞り開放ではボケすぎてしまうのでF5.6程度まで絞るとちょうどいいボケ感になります。また、露出補正を+0.3〜0.7くらい上げて見た目よりもほんの少し明るくすると女性の肌は綺麗に見えます。ピクチャーコントロールをポートレートモードにすると全体に優しいイメージに仕上がりますのでこのようなシチュエーションでは特にお勧めです。
絞りを絞れば旅先の風景も
手前から奥に連続的に連なっている印象的な被写体。連続性が途切れないように見えている鳥居に隙間ができないような撮影ポジションを探しましょう。絞りはF8にして遠い鳥居もボケすぎないようにします。ピクチャーコントロールを風景モードにすることで赤色と緑色を過度ではなく強調した色彩の写真にすることができます。
ふとした表情をこっそりスナップ
マイクロレンズなどのズームできない単焦点レンズでスナップを撮るときはF5.6〜6.5くらいの絞り数値がお勧めです。見た目に近い、でもほんの少しデフォルメしたボケ感で自然な写真にすることができます。いつもカメラ目線の写真ばかりではなく、ふとどこかに目を向けた瞬間や何かに気を取られている様子などを撮影しておくと後からフォトブックやアルバムにしたときに並べる写真にバリエーションが出ます。
静物は斜めのラインを意識した構図で
均等に並んでいる小物などを撮る場合は手前から奥に向かってボケるように斜めの位置から撮ると奥行き感が出ます。絞りは開放で手前の器のカメラに近い目立つ色合いの部分にピントを合わせます。どこまでも近付けるマイクロレンズなので被写体にぶつからないように注意しながら構図を決めましょう。カラフルな被写体はピクチャーコントロールをビビッドにするとさらに元気でカラフルな色合いになります。
マイクロレンズだから近付かなくてはいけない、F値が小さいレンズだからボカさなくちゃいけない訳ではありません。標準画角の単焦点レンズとしてポートレートやスナップを撮ったり、絞りを絞って背景も写し込んだ旅の情景を撮ったりと色々な使い方ができるのがマイクロレンズです。