第3回
石石石 様
首都圏在住
双眼鏡所有台数70台以上の自他ともに認める双眼鏡マニア。ハンドルネーム「石石石」の名で双眼鏡ファンの間で知られる。双眼鏡の他、大口径屈折望遠鏡やドブソニアン、最近では双眼望遠鏡も所有する眼視観望派。主に西伊豆、富士山、長野県原村などに遠征し、銀河や星雲・星団など星空散歩を楽しむ。
国内の優良観測地で
WXの性能を究めたい
「良い双眼鏡は、こういう夕闇が迫る薄暮の時間帯に見たとき、微妙な明暗の判別とかで違いが出るんですよ。収差の有無だけでなく、ヌケの良さや、色がどう出るのかもポイントですね」。双眼鏡について語り出したら止まらない、所有台数が70台以上という自他ともに認める双眼鏡マニアの石石石さん。WXとの出会いは2016年のジャパンバードフェスティバル(千葉県我孫子市)で見た試作機だ。当時、天文ファンの間では「こんなすごい双眼鏡が本当に発売されるのか?」と疑問視されていたが、石石石さんは「翌2017年はニコン100周年、創業時の主力製品は双眼鏡なのだから必ず世に出るはず」と確信していた。発売と同時にWX 10×50を発注、そして“手持ち双眼鏡派”ということもあり、迷わずWX 7×50も追加発注。数ある所有双眼鏡の中で、今はこのWX2台が星見の主役になっている。
観望スタイルは、首都圏在住のため、普段は自宅のベランダで惑星や月を高倍率観望、天の川や星雲・星団を見る場合は、西伊豆、富士山、長野県原村など、季節と目的に合わせて観測地を選び遠征する。
WX 10×50と7×50を同時に持って行くことは稀で、その日の観望対象と他の望遠鏡との組み合わせでどちらを持って行くか選択する。重量バランスが良いのでWX 7×50のときは手持ち観望が多いが、WX 10×50のときは、以前ネットで入手済のシーソー式の双眼鏡用架台を使う。この架台は、カウンターウェイトでバランスが取れるためフリーストップ状態で、手持ちに近い感覚で軽快に星空散歩を楽しめる。
WXの魅力、それは圧倒的に優秀な性能だ。
「こだわり抜いて作られているので、パッと見たときに広大な視野全域でヌケが良く、しかも最周辺まで極めてシャープ、こんな双眼鏡は他にありませんね。天の川を流して見ると、他の機種に比べてはるかに臨場感が高いです。よく重いと言われますが、この卓越した性能の割には軽く小さく仕上げられており、まさに日本の匠の技です」と石石石さん。入手後海外遠征するチャンスはまだないが、GWに九州最南端・大隅半島へ遠征した際、全天最大の球状星団(満月ほどの視直径)ケンタウルス座オメガ星団をWX 10×50で見たときの感動は忘れられないという。「思わず、おおっ!と唸りました。眼前に巨大な球状星団が浮かんでいる不思議な感覚は言葉になりません」。今後も、奥会津や紀伊半島南部など、国内最良級の観測地でWXの性能を究めてみたい、天の川や星雲・星団を思う存分楽しみたい…と抱負を語っていただいた。