受け継がれる番人の想い。
設計者の卓越したコンセプトに、品質技術部と製造現場が魂を入れたとも言えるWXシリーズ。
牛久保、中尾の二人は、どう評価しているのだろう。
「『超広視界で周辺までしっかり見える』スペックは、世界一の双眼鏡です。周辺部のシャープさは、まさに世界最高峰です」(牛久保)
「製造現場の頑張りがあり、周辺像まで“見え”の良い、超広視界のコンセプトに恥じない双眼鏡になったと思っています」(中尾)
だがこの二人、WXの性能にはまだまだ伸びしろがあると思っている。
牛久保は穏やかな口調で言う。
「“超広視界の最周辺まで鮮明”というコンセプトは達成できました。このスペックはWXにしかないものです。
さらに改善するとすれば、“見え味”の向上です。その評価は個人の好みにも左右されるのでとても難しいものですが、次は“見え味”もこの世に二つとない高みを目指してほしい。
文字通りすべての性能において究極の双眼鏡をニコンが製品化し、その第一報を中尾から受ける日が楽しみです」
牛久保のその厳しい言葉を、「メカ的構造とレンズ精度をさらに高めれば、まだ向上の余地があると思っています」と、中尾は笑顔で受け止める。
”世界一へのこだわり”と”お客様の満足”に徹するための魂を持っている二人の間で、ニコン品質を守るためのバトンはすでに受け渡されていたのだ。