JUNJI TAKASAGO THE PLANET2 GRAND JOURNEY

Behind the Scene | 08 / Islands of Sacred Water

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SEASON3 HAWAII 08 / Islands of Sacred Water

水と命が巡る島々

北東から常に吹き付ける貿易風が湿った空気をハワイの島々に運び、島の北東側や高い山々に雨を降らせる。その雨は、気の遠くなるような時間をかけて溶岩の山肌を削り、大地に渓谷を刻み込んでいく。そして水は大地を潤し、植物を育て、生き物たちを育んで、やがて海に還っていく。けっして大きくないハワイの島々では、そんな水や命の循環が目の前で繰り広げられ、地球のシステムの一環を肌で感じることができる。水を意識してハワイを見るとき、島々も生きていて常に変化を続けている、ということをあらためて実感する。

削られた山肌

削られた山肌

風雨に削られてできた神々しい山肌。
ハワイの島々の中でも特に古いカウアイ島では、
このような独特な雰囲気をもった山が多く見られる。

ワイアレアレ山

ワイアレアレ山

世界有数の降雨量を誇るワイアレアレ山。
大雨が降ると何本もの滝が出来、山肌に白い筋が入る。

ナパリコースト

ナパリコースト

ギザギザになった山肌の一部は、
やがていくつもの尖った岩となり、
美しく複雑な崖を形成していく。

水と渓谷 水と渓谷

水と渓谷

雨が降ったあと、流れを作って海に向かうもの、
蒸発して空に戻るもの。

雨雲の接近

雨雲の接近

一部に雨を降らせながら、
発達しつつ近づいてきた雨雲。
島影はカホオラヴェ島。

“ Hawai‘i ”。
このハワイ語の単語の、“ Ha ” は「息」や「生命」を意味し、
“ wai ” は「水」、最後の “ i ” は「大いなるもの」「スピリット」を指す。
つまり “ Hawai‘i ” とは「命と水とスピリットの島々」といった意味になる。

雨のしずく

雨のしずく

降った雨がクモの巣にかかり、
まるで生命の粒々のように輝いていた。

悦びの植物 悦びの植物

悦びの植物

雨上がりには、植物たちは
どういうわけかとても嬉しそうに見える。

ヤモリ バナナの花

ヤモリ

パイナップルに付いた水を
美味しそうに舐めるヤモリ。

バナナの花

雨が多いからか、
バナナの花も瑞々しい。

レインボーツリー

レインボーツリー

木の幹がカラフルな、
ユーカリの木の仲間。
水と光は植物には嬉しい。

ガジュマル ガジュマル

ガジュマル

幹から髭(ヒゲ)のような根を下ろし、
そこに新しい根を張り本体を広げていく。

カララウ渓谷

カララウ渓谷

気流や湿気、風などの変化によって、
渓谷に何度も雲が発生しては消えていく。

カララウ渓谷

渓谷に雲が発生しては消えていく様を
タイムラプスで撮影した。

カウアイでジュラ紀を思わせる光景に魅せられた

ハワイ諸島の中でもカウアイ島は雨が多く、森は鬱蒼(うっそう)とし山々は太古の景色を思わせる風景が続く。そんなことから、島の北部は映画「ジュラシック・パーク」の撮影場所にもなっている。その光景を空からもぜひ撮影したいと思った。けれど、年々怖がりになっていく僕が、ドアを外した状態でヘリに乗って、身を乗り出して撮影するのにはちょっとした勇気が要った。
空から見るカウアイ島はとても素晴らしかった。上空では、怖いときにはカメラから目をずらすことはできないのだけれど、今回はあまりの素晴らしさに怖さを忘れるほどだった。現代のハワイの島々も、「ジュラシック・パーク」に負けない十分な雰囲気と威厳を保っていることをあらためて感じた。

ヘリの前で。この時はドアを外してもらえなかったので、ガラスへの映り込みを減らすために、黒い服を着て撮影。

ヘリの前で。この時はドアを外してもらえなかったので、ガラスへの映り込みを減らすために、黒い服を着て撮影。

ドアを外したヘリからの眺め。カメラを通して眺めるとあまり怖さは感じなくてすむ。

ドアを外したヘリからの眺め。カメラを通して眺めるとあまり怖さは感じなくてすむ。

人の住む庭でも、木々は強い生命力を見せてどんどん伸びてゆく。

人の住む庭でも、木々は強い生命力を見せてどんどん伸びてゆく。

ずっと眺めていたら、ひとつひとつの花がフラダンサーのように見えてきた。

ずっと眺めていたら、ひとつひとつの花がフラダンサーのように見えてきた。

濃密で奥行き豊かなD850の画質力

山肌、岩の質感、しっとりとした岩やそこに付着した植物……。これらはどれも質感を余すところなく捉えてはじめてその良さが伝わるものだ。光の当たったコントラストの強い岩の表面にも、微細な凹凸や質感の違いなどがあり、濡れた岩にも滑らかさの違いがある。
そんな状況には、やはり高精細・高画質な表現を誇るD850が最適だった。これでもか、というところまで細かく写し取った画像は、たとえそこまで見えない程度の大きさの写真で見るにしても、やはり細部に秘めた奥行きが、何とも言えない濃密感として伝わってくる。
長い年月にわたり風雨にさらされて出来上がったハワイの神々しい風景を、D850は濃厚に、大きく、見えない部分まで感じてもらえるような画像で残してくれた。

D850

HAWAII ロケ撮影機材リスト

Body
D5D850
Lens
AF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E EDAF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VRAF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR
AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VRAF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED
撮影協力
・ハワイ州観光局 ・Warren & Minori Evans ・Herb & Kaori Mahelona
削られた山肌

カメラ:D850 レンズ:AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR 画質モード:RAW (14-bit) 撮影モード:絞り優先オート 1/800秒、f/6.3
焦点距離:98mm ホワイトバランス:晴天 ISO感度:400 ピクチャーコントロール:ビビッド

ワイアレアレ山

カメラ:D850 レンズ:AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR 画質モード:RAW (14-bit) 撮影モード:絞り優先オート、1/800秒、f/7.1
焦点距離:16mm ホワイトバランス:晴天 ISO感度:1600 ピクチャーコントロール:スタンダード

ナパリコースト

カメラ:D850 レンズ:AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR 画質モード:RAW (14-bit) 撮影モード:絞り優先オート、1/1250秒、f/6.3
焦点距離:16mm ホワイトバランス:晴天 ISO感度:1600 ピクチャーコントロール:スタンダード

水と渓谷

カメラ:D850 レンズ:AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR 画質モード:RAW (14-bit) 撮影モード:絞り優先オート、1/640秒、f/6.3
焦点距離:16mm ホワイトバランス:晴天 ISO感度:ISO 1600 ピクチャーコントロール:スタンダード

水と渓谷

カメラ:D850 レンズ:AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR 画質モード:RAW (14-bit) 撮影モード:絞り優先オート、1/320秒、f/8
焦点距離:32mm ホワイトバランス:晴天 ISO感度:ISO 400 ピクチャーコントロール:ビビッド

雨雲の接近

カメラ:D850 レンズ:AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8E ED VR 画質モード:RAW (14-bit) 撮影モード:絞り優先オート、1/100秒、f/4
焦点距離:24mm ホワイトバランス:晴天 ISO感度:ISO 1600 ピクチャーコントロール:スタンダード

雨のしずく

カメラ:D850 レンズ:AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED 画質モード:RAW (14-bit) 撮影モード:絞り優先オート、1/640秒、f/8
焦点距離:105mm ホワイトバランス:晴天 ISO感度:ISO 400 ピクチャーコントロール:スタンダード

悦びの植物

カメラ:D850 レンズ:AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED 画質モード:RAW (14-bit) 撮影モード:絞り優先オート、1/60秒、f/4.5
焦点距離:105mm ホワイトバランス:晴天 ISO感度:ISO 3200 ピクチャーコントロール:スタンダード

悦びの植物

カメラ:D850 レンズ:AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED 画質モード:RAW (14-bit) 撮影モード:絞り優先オート、1/400秒、f/8
焦点距離:105mm ホワイトバランス:晴天 ISO感度:ISO 2500 ピクチャーコントロール:スタンダード

ヤモリ

カメラ:D850 レンズ:AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED 画質モード:RAW (14-bit) 撮影モード:絞り優先オート、1/200秒、f/9
焦点距離:105mm ホワイトバランス:晴天 ISO感度:ISO 1600 ピクチャーコントロール:スタンダード

バナナの花

カメラ:D850 レンズ:AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR 画質モード:RAW (14-bit) 撮影モード:絞り優先オート、1/500秒、f/8
焦点距離:330mm ホワイトバランス:晴天 ISO感度:ISO 1250 ピクチャーコントロール:スタンダード

レインボーツリー

カメラ:D850 レンズ:AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR 画質モード:RAW (14-bit) 撮影モード:絞り優先オート、1/100秒、f/13
焦点距離:16mm ホワイトバランス:晴天 ISO感度:ISO 1600 ピクチャーコントロール:スタンダード

ガジュマル

カメラ:D850 レンズ:AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED 画質モード:RAW (14-bit) 撮影モード:絞り優先オート、1/50秒、f/4
焦点距離:14mm ホワイトバランス:晴天 ISO感度:ISO 2500 ピクチャーコントロール:スタンダード

ガジュマル

カメラ:D850 レンズ:AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR 画質モード:RAW (14-bit) 撮影モード:絞り優先オート、1/100秒、f/9
焦点距離:19mm ホワイトバランス:晴天 ISO感度:ISO 800 ピクチャーコントロール:スタンダード

カララウ渓谷

カメラ:D850 レンズ:AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR 画質モード:RAW (14-bit) 撮影モード:絞り優先オート、1/250秒、f/5.6
焦点距離:16mm ホワイトバランス:晴天 ISO感度:ISO 800 ピクチャーコントロール:ビビッド

Profile

高砂淳二JUNJI TAKASAGO

写真家。1962年、宮城県石巻市生まれ。
ダイビング専門誌の専属カメラマンを経て1989年に独立。世界中の国々を訪れ、海の中から生き物、虹、風景、星空まで、地球全体をフィールドに撮影活動を続けている。著書は、「LIGHT on LIFE」「night rainbow ~祝福の虹」「ASTRA」「虹の星」「Children of the Rainbow」「free」「BLUE」「life」(以上小学館)、「Dear Earth」「そら色の夢」「南の夢の海へ」(以上パイインターナショナル)、「クジラの見る夢 ~ジャックマイヨールとの海の日々~」(共著・七賢出版)ほか多数。ザルツブルグ博物館、Nikon THE GALLERY、渋谷パルコ、阪急百貨店、大丸百貨店など写真展多数開催。2008年には、外務省主催・太平洋島サミット記念写真展「Pacific Islands」を担当。海の環境NPO法人“OWS”理事。自然のこと、自然と人間の関係、人間の役割などを、トークショーや、テレビ、ラジオ、雑誌などを通して幅広く伝え続けている。

高砂淳二

推奨環境

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・Microsoft Edge
・Google Chrome 最新版
・Mozilla Firefox 最新版
Mac
・Google Chrome 最新版
・Apple Safari 最新版
・Mozilla Firefox 最新版
モニタサイズ
・1024px x 768px以上の解像度