Zcreators - フォトコンテスト 受賞者インタビュー
2021年に開催されたフォトコンテストにおいて、入選された3名の作品と受賞者インタビューをお届けします。
2021年、東京カメラ部とのタイアップ企画として開催した「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noctがもらえる!Zcreators フォトコンテスト」。総応募枚数33,904点の中から入選された3名の作品と受賞者インタビューをお届けします。「Zcreators」として撮影にのぞんだ3名の受賞作品にまつわるエピソードをぜひご覧ください。
ニコンイメージングジャパン 総評
弊社は、東京カメラ部との共催企画として、“ニコンのミラーレスカメラ「Z シリーズ」で撮影された作品”をテーマに、「Z シリーズ」で様々な作品を創造するクリエイターの皆さまを「Zcreators」として応援することを目的に2021年「Zcreatorsフォトコンテスト」を開催いたしました。約3か月の応募期間に、大変嬉しいことに計33,904点もの作品が寄せられ、Z シリーズを愛用いただいている皆さまの写真への情熱を改めて感じることができました。ここに、本フォトコンテストにご参加いただいた皆さまに御礼申し上げます。
お寄せいただいた素晴らしい作品の中から選ばれた3名の受賞者の皆さまには、NIKKOR Z レンズの光学性能の高さを象徴する大口径標準単焦点マニュアルフォーカスレンズ「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」をはじめとした「S-Line」のNIKKOR Z レンズを特典として贈呈いたします。本サイトでは、入選された皆さまのそれぞれの作品や今後の表現活動について、改めてお話を伺っておりますのでぜひご覧ください。
皆さまの作品を通して、写真を撮ることの楽しみ、カメラを持つ喜びが伝われば幸いです。
東京カメラ部 塚崎 秀雄氏 総評
この度は、「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noctがもらえる!Zcreators フォトコンテスト」へのご参加ありがとうございます。
今回は、NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noctに象徴されるように、数あるフォトコンテストの中でもカメラ・写真がすきな方々にとって最高峰の豪華賞品であったこともあり、 Z シリーズ限定という条件下でありながら計33,904点のご応募をいただきました。その上で、数もさることながら、写真の質も何を選べばいいか非常に迷うほどレベルの高い作品ばかりでした。
ニコンさんの Z シリーズを筆頭とした優秀なカメラの登場によって、高品質な写真を撮るためのハードルは大きく下がってきました。しかし、写真はヒトの表現活動です。やはり、表現したいことを「見つける力」、被写体を「逃さない力」、貴重な場面に出逢うための「継続する力」など、撮られるみなさまの力が大きく影響します。入選された3作品はどれも素晴らしい一瞬を切り取られていて、見ている人が思わずストーリーを考えてしまうような作品になっていると思います。ぜひ、今後も皆さんが表現されたい世界を表せる写真を撮り続けて、発信をしていただければ幸いです。
また、よろしければ東京カメラ部への投稿をよろしくお願いします。皆さまのますますのご成功とご活躍を心から祈念しております。
最優秀賞 山本 優介氏「風花に踊る虹」
素晴らしい光景との1分間の出会い
「まさか?!」受賞の一報を受けたときの率直な気持ちです。最終候補に残っているとのお知らせに、なにか賞が取れると嬉しいとは思っていたものの、それが最優秀賞になるとは、ただただ驚きました。
本格的に写真を始めたのは、2016年ころからです。主な被写体は故郷・埼玉や長野の自然など。以前は海外でもよく風景を撮影していました。
場所は長野県の霧ヶ峰。2020年12月末頃です。カラマツの樹氷をバックに輝くダイヤモンドダストが撮りたくて出かけたのですが、思わぬ景色と出会うことができました。
弧を描いている虹はハロといい、太陽に薄雲がかかった時、太陽を中心として円形の虹が現れる現象です。このときは少し霧が出ていて、霧と舞い散る細氷が薄雲の代わりとなったのでしょう。次第に景色の中に円が現れてきたので、霧が晴れたら素晴らしい光景が見られるのではないかと待ち構えていました。出現していたのはわずか1分ほど。でもなんとか決定的なシーンをとらえることができました。
実はこの作品、もとは周囲の状況なども広く入れて写しています。ですがより主題を明確にするため、白いカラマツ林をバックに、虹の下部とサンピラーという太陽から伸びる光の柱といった一番美しい箇所をトリミングして応募しました。部分を切り取っても精細さを失わないのは、高画素センサーと優れたレンズだからでしょう。
賞品のNIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noctでは秩父のヒメボタルを撮りたいです。ヒメボタルはゲンジボタルなどより短い間隔で点滅するように発光するため、写真では光跡が線ではなく、丸く写ります。非常に明るくてボケがきれいなこのレンズで撮影したら、暗い林の中に散りばめられた数多の光の点がどれほど美しく写るのか。今から楽しみでなりません。
優秀賞 芝田 星一郎氏「絶やさず」
荘厳な炎とともに、人々の想いも一枚に込めて
受賞のご連絡をいただいても半信半疑でした。大勢の方が応募されている中で、まさか賞をいただけるなんて……。でも考えると、これも父のおかげ。実は私が持っているカメラは、すべて写真愛好家の父からもらったものです。Z 6も「本気で使うなら」と譲ってくれました。
今回のコンテストへは地元・富良野の自然を撮った写真も応募したのですが、受賞したのは美瑛町の那智・美瑛火祭りを写したこの作品でした。できるだけ要素を絞るために、あえて顔が入らない背中から狙い、吹き上がる炎と闇に浮かび上がる人物だけを入れています。
人混みの中、手持ちでもこのようなカットが撮れたのは、手ブレ補正機能や暗所でも的確に被写体を追ってくれるオートフォーカス性能のおかげでしょう。それだけでなく、後から確認すると松明の木一本一本に書き込まれている多くの人の願いもしっかりと描写されていました。他社のカメラも使っていましたが、やはりZ 6を持っていって正解だったと思います。
ちなみにこの作品を撮ったとき、私は写真を始めてまだ3ヶ月ほど。初心者でも扱いやすく、直感的に使えるカメラだなということも感じました 。
今回賞品としてNIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sをいただきました。早速2倍のテレコンバーターも購入したので、これで随分と撮影エリアが広がります。良い機材が揃いましたから、良い写真が撮れないのをもう機材のせいにはできませんね(笑)。
いま被写体として興味があるのは人物です。ポートレートというよりも、人々の日々の営みを撮ってみたい。例えば畑を耕す人の姿から、その人の暮らしや人生が見えてくるような……。難しいけれどチャレンジしたいですね。ゆくゆくは父とも一緒に撮影に出かけられたらいいなと思っています。
入賞 四季彩氏「Concerto」
移ろいゆく季節の色を、美しいままに残したい
この度の賞、ありがとうございました。最近まで、コンテストに応募すること自体考えてもいなかったので、いきなりの受賞に私自身びっくりしています。応募を決意したのは、カメラをZ 6に替えたことが大きいですね。写真の腕が上がったと思えるくらい表現の幅が広がり、自信がつきました。
撮影をした佐賀県東松浦郡玄海町は、よく訪れるスポットです。田に水入れが行われるゴールデンウイーク頃は、同時にこの棚田群の中央あたりに夕陽が沈み、海へとつながる光の道ができる時期でもあるのです。
この日も黄金色に輝く棚田を広角で狙うイメージで出かけていました。でも見ると二羽のサギが飛んでいる。気になって望遠で確認すると、ちょうど中央へ寄り添いながら移動してくるではありませんか。そのまま夢中でシャッターを切りました。毎日のようにここへ通ったことが報われた瞬間でしたね。
ところで私の「四季彩」という名前は、そのまま写真における私のこだわりでもあります。私のInstagramには山、海、街、花とさまざまなモチーフが並んでいますが、「移ろう四季が見せる自然の色を、できるだけ感じた美しさのまま表現したい」という思いは一貫してきました。
これからは人物撮影にも力を入れたいと思っています。そのため賞品の中から人物に適したNIKKOR Z 85mm f/1.8 Sを選びました。すでに猫や花を撮ってみましたが、とにかくクリアでボケがきれい。早く人物で試してみたいとワクワクしています。
写真を始めるまでは、身の回りにもこんなにたくさん素晴らしい景色があるのだということを気づかずにいました。もともと私はインドア派。虫も苦手だった私が、今では週に1度はカメラを持ち、山や海へ出向いています。撮影となったら、不得手なものでも頑張れる。カメラは私に先へと踏み込んでいく勇気をくれる、そんな気がしています。