写真と言葉で紡ぐ、心の中の物語

写真と文章、その組み合わせから生まれる温度感が、作品をより私のイメージに近づけてくれます。

「せっせと稼働する雲の製造機。のような工場風景」

撮影場所:瀬戸大橋
岡山から香川に瀬戸大橋へと渡るバスの中から見えた、もくもく立ち登るの煙の形がとてもキュートでパシャリ。
バスの窓ガラスの反射はあとからPhotoshopで消しています。

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「懐かしい場所での思い出採取」

撮影場所:長野の雪が降った日
あまりにも美しい雪を閉じ込めたくなって持ってきていた瓶に雪を採取しているところ。
もちろん採取後は溶けて水になってしまったけれど、瓶の中でゆっくり液体に変化していく雪をみんなで眺めていました。

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「枯れた花にも美しさを見出した日のこと」

撮影場所:雪の日の長野の車の中から
外側の窓ガラスに、冬に見つけたあじさいの花を貼り付けて撮った1枚。
生き生きしたお花も美しいですが、こうして時が経って姿を変えたお花も愛しいなと思います。
透けている花の繊維を綺麗にうつしたかったので、雪の水滴で花を貼り付けました。

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「見つめる先には体を温めるぽかぽかの珈琲」

撮影場所:雪の日の長野にて
撮影に付き合ってくれたお友達の横顔。ぐるぐるのマフラーと帽子に雪が積もって、美しかったので。
人物が際立つように露出をあげて、後ろの景色を飛ばしています。雪の日は人物の肌が美しく映るので人をとりたくなります。

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「熱々の料理につるりと滑り込む卵の勇士」

撮影場所:長野の雪の日の車にて
雪の中で料理をしている時の1枚。熱々の料理につるっとダイブしていく卵が妙にセクシーに見えたので、「ちょっとまってー!」と料理人に声をかけてストップしてもらいました。白とオレンジのコントラストってついシャッターを切りたくなってしまう、わたしの推しポイントです。

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「名も知らない草に感じるノスタルジア」

撮影場所:都内の公園にて
後ろに広がる紫の花はピントをぼかして、手前の植物はピントをあわせて多重露光で撮影しています。
背景がいまいち気に入らないな〜とおもったらいつも使う手法。手前のアイテムが際立つし、植物だと幻想的な雰囲気になるのでおすすめです。

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「ジャムのキュートな赤が映えるように、他の色は引き算を」

撮影場所:自分のオフィス
お友達からいただいたジャムをぱしゃり。
ひとりでの撮影だったので三脚をたててiPhoneでリモートシャッターを切っています。
ジャムのやさしい味を表現したかったので、包み込むように手をふんわり添えてみました。

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「静かに騎手を待つ夜の木馬たち」

撮影場所:香川にある遊園地
夜の遊園地にて。誰ものっていないメリーゴーラウンドがぐるぐると、月の下を走っていて、なんだか夢の世界のようでした。
気づけば1時間くらいずっとここにいたような気がします。
シャッタースピードを遅くしてみたり、速くしてみたり、どちらで撮っても味があるのでこの被写体は写真好きにはたまりません。

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「自由への切望」

撮影場所:岡山の港町
夕暮れ時友人の手の写真と、空を舞う鳥の写真の2枚をPhotoshopにて組み合わせて重ねて製作をしています。
夕暮れ時のシルエット写真は、いろんな背景やアイテムと組み合わせやすいのでストックとしてよく撮ります。
鳥の写真はもともと持っていて、「この鳥に手を伸ばす感じの作品をつくりたい……」とずっとおもっていたので、夕暮れ時たまたま一緒にいた友人に頼み、空に手を伸ばしてもらいとりました。

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「明日に灯すランプ」

撮影場所:岡山の港町
こちらは多重露光で撮った1枚。最初24mmで引いて撮影したあとに、70mmまで寄ってシャッターを切っています。
普段あまり人物の多重は挑戦したことがなかったのですが、ゆるやかな服と佇まいと、ロケーションがなんだかこの引きと寄りの多重光とのバランスが絶妙で、妙に気に入ってしまった1枚です。

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「そんなに見つめられたら恋に落ちてしまう」

撮影場所:さんぽ中に島で出会った猫
動物AFを使って猫の瞳の美しさを撮影しました。モデルは島に旅をしていたときに出会った懐っこい野良猫。
触りたくなるようなふさふさの毛質を写すことができたのがお気に入りです。

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世界一周が写真への入り口

初めての海外は26歳のとき。世界一周の旅でした。世界一周というと、旅行好きの方には特別な思い入れを持たれている方もいらっしゃるかと思います。ですが私は、この旅自体にこだわりがあったわけではありません。

将来に不安を抱えていた高校生時代。ふと手にした高橋歩さんの自伝に衝撃を受けます。彼は世界中を巡りながら、執筆・会社経営・学校設立などジャンルにとらわれない、多彩な活動をされている「自由人」。そんな彼の姿に、いずれ私もこんな生き方をしたいと考えていました。ですから世界一周も「高橋歩さんになる」ための第一歩に過ぎず、ずいぶんと気楽にスタートしたように思います。そのために準備が不十分で、いろいろ大変な経験をすることになるのですが……(苦笑)。

当時、Webデザインや執筆の仕事をしていたのも、どこにいてもパソコン一つで仕事ができるという理由からです。実際に旅先では、世界各地の温泉をレポートする記事を書いたりしていました。しかしレポートにはやはり写真も必要ということで、そこから実務を通じて写真を学び始めます。

現在私は主に写真家兼ライターとして活動しているのですが、撮影は私の職歴の中でも比較的あとから始めた仕事です。でも今では仕事的にも個人的にも、写真は私にとって欠くことのできない大切なものになっています。

撮影は子どもの頃の遊び心を思い出させてくれる

仕事で必要に迫られるまで、写真にはあまり興味がありませんでした。ですが本格的に始めてみると、その面白さや奥深さにどんどんと惹かれていきます。

もともと私は、絵を描いたり物語を作ったりすることが好きな子どもでした。今でも撮影のときは、景色を見ながら頭に浮かんでくる物語を、心の中で被写体に重ね合わせシャッターを押す、などということがあります。大人になると、無駄なことや合理的でないことを自分の中から排除してしまいがちです。でも写真は、幼い頃夢中になっていたお絵描きのように、私の中の純粋な遊び心や創作意欲を解放してくれる気がしています。文章を綴るのも、私にとって同様の意味があるのかもしれません。

仕事としては「写真家として」「ライターとして」依頼を受けることが多いのですが、個人的には写真と文章を組み合わせた作品作りも好きです。

文章のみでは説明しにくい情景を写真が補ってくれたり、逆に写真だけだと伝えきれない気持ちを文章が補ってくれたり……。それでいて、見る人が想像する余白みたいなのも残せる。その温度感が私の感覚にマッチしているのです。

とはいえ、必ず写真と文章を組み合わせなければといった形式的なこだわりもありません。あくまでその時々、私の感じた世界を表現するのに適した表現方法を優先しています。

写真とSNSから生まれる好循環

毎日のようにSNSに写真をアップしています。

私は個展を開くこともあるのですが、展覧会を行う際は、作品を見たり購入してくれたりする人の気持ちも想像しながら展示作品を選んでいます。でもSNSは、親しい友人に「こんな写真を撮ったんだけど」と気軽に見せるような感覚。すでに歯磨きのように、毎日自然と行うものになっています。それに作品を日々発表すると、常に自分の方向性を客観的に確認できてよいのです。

同時にSNSは、仕事面でも大いに役立っています。

「Instagramのこの写真、書籍のカバーに使えませんか」とか、「作品が素敵なので、一緒にプロダクトを作りたいんですけど」など、見知らぬ人からお声掛けいただくことも多いですね 。むしろSNSを中心に仕事が回っている感覚すらあります。

企業さんからの依頼で撮影をするそれまでの仕事と違い、SNS経由の仕事は自分が思いもしなかった世界へ連れてってくれるのが面白いです。「この時代、SNSを使わないと駄目」とまでは思いませんが、仕事に新しい展開を求められている写真家の方は、上手に活用すると楽しいことがいっぱいあるように思います。

こちらは多重露光で撮った1枚。最初24mmで引いて撮影したあとに、70mmまで寄ってシャッターを切っています。普段あまり人物の多重は挑戦したことがなかったのですが、ゆるやかな服と佇まいと、ロケーションがなんだかこの引きと寄りの多重光とのバランスが絶妙で、妙に気に入ってしまった1枚です。Z 6II+ NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sで撮影。

ユーザーに寄り添ってくれるニコンのカメラ

ニコンのカメラを使っていて思うのは、使う人に寄り添ってくれているということ。カメラを始めて間もない頃、使用感にはあまりこだわりがありませんでした。ところが撮影の仕事が増えてくるにつけ、「もっとこうできたら良いのに」といった小さな不満が出てくるようになります。でもニコンのカメラは、かなり細かな点までカスタマイズできる。写真の仕事をするなら、操作にわずらわされることなく撮影に集中させてくれるこんなカメラが必要だと感じました。

それから私はずっと青の表現にこだわって作品を作ってきましたが、最近ではZ 6IIの暖色に惹かれています。そのきっかけは岡山通い。現在私は東京と岡山の二拠点生活をしていて、一ヶ月の半分は岡山にいます。のどかな景色の中で見る夕陽やレトロな喫茶店の木のテーブルなど、ぬくもりのある色彩をZ 6IIは感じたまま表現してくれるように思うのです。そう気づいてからは、仕事のみならずプライベートでもZ 6IIを持ち歩くようになりました。

機能的には瞳フォーカスが気に入っています。私は野良猫を撮るのも好きなのですが、猫がこちらを向いた瞬間、目にきちんとフォーカスしてくれるのです。動物は目からピントが外れてしまうと、ぼやけた印象の写真になってしまいがち。この重要なポイントをカメラにまかせながら、構図に集中できるのは大変助かります。動物を飼っている人は、とても重宝するのではないでしょうか。

レンズはNIKKOR Z 24-70mm f/2.8 Sを使うことが多いですね。旅先で出会うさまざまなシーンも、これ1本で大抵カバーできます。とても頼りにしています。

それからNIKKOR Z 50mm f/1.2 Sもお気に入り。特にボケが美しく、その描写にハマってしまいました。単焦点は自分が引いたり近づいたりしないといけませんが、このレンズで構図を探る作業はとても楽しいです。

新しいことへの挑戦。これまでも、これからも

撮影や執筆以外にも、オンラインのコミュニティを作ったり、会社の運営に携わったり、さまざまな活動を行っています。「何かを作っていたい」「新しいことにチャレンジしたい」という気持ちがいつも私を駆り立てています。

それから、ワクワクする気持ちにも忠実でありたいですね。例えばお金のためとか、人間関係がややこしくなるからとか、そのためにワクワクを手放すと後悔します。子どもの頃、つまらない大人になりたくないと思っていました。今でもその思いは続いています。

まだまだやりたいことはたくさんあります。例えば、しばらく先になるかもしれませんが、自分のお店を持つこと。撮影、執筆、デザイン、それから世界を回って集めたものを販売するなど、これまで自分がやってきたことを全部詰め込んだようなお店です。

近いところでは、2度目の世界一周を計画中。もちろんその際にはニコンのミラーレスカメラも持っていき、撮った写真で作品集も作ってみたい。

そして、50代60代になっても高橋歩さんのように、世界を飛び回りながらワクワクする活動を続けることも……。これもまた大きな夢の一つです。

古性 のち(こしょう のち)

1989年横浜生まれ。世界中を旅しながら「写真と言葉」を組み合わせた作品を作る写真創作家。BRIGHTLOGG,INC取締役。飾らない日々をドラマチックに表現することが得意。SNSが大好き。現在すべての総フォロワーは16万人ほど。

「せっせと稼働する雲の製造機。のような工場風景」

撮影場所:瀬戸大橋
岡山から香川に瀬戸大橋へと渡るバスの中から見えた、もくもく立ち登るの煙の形がとてもキュートでパシャリ。バスの窓ガラスの反射はあとからPhotoshopで消しています。

「懐かしい場所での思い出採取」

撮影場所:長野の雪が降った日
あまりにも美しい雪を閉じ込めたくなって持ってきていた瓶に雪を採取しているところ。もちろん採取後は溶けて水になってしまったけれど、瓶の中でゆっくり液体に変化していく雪をみんなで眺めていました。

「枯れた花にも美しさを見出した日のこと」

撮影場所:雪の日の長野の車の中から
外側の窓ガラスに、冬に見つけたあじさいの花を貼り付けて撮った1枚。生き生きしたお花も美しいですが、こうして時が経って姿を変えたお花も愛しいなと思います。透けている花の繊維を綺麗にうつしたかったので、雪の水滴で花を貼り付けました。

「見つめる先には体を温めるぽかぽかの珈琲」

撮影場所:雪の日の長野にて
撮影に付き合ってくれたお友達の横顔。ぐるぐるのマフラーと帽子に雪が積もって、美しかったので。人物が際立つように露出をあげて、後ろの景色を飛ばしています。雪の日は人物の肌が美しく映るので人をとりたくなります。

「熱々の料理につるりと滑り込む卵の勇士」

撮影場所:長野の雪の日の車にて
雪の中で料理をしている時の1枚。熱々の料理につるっとダイブしていく卵が妙にセクシーに見えたので、「ちょっとまってー!」と料理人に声をかけてストップしてもらいました。白とオレンジのコントラストってついシャッターを切りたくなってしまう、わたしの推しポイントです。

「名も知らない草に感じるノスタルジア」

撮影場所:都内の公園にて
後ろに広がる紫の花はピントをぼかして、手前の植物はピントをあわせて多重露光で撮影しています。背景がいまいち気に入らないな〜とおもったらいつも使う手法。手前のアイテムが際立つし、植物だと幻想的な雰囲気になるのでおすすめです。

「ジャムのキュートな赤が映えるように、他の色は引き算を」

撮影場所:自分のオフィス
お友達からいただいたジャムをぱしゃり。ひとりでの撮影だったので三脚をたててiPhoneでリモートシャッターを切っています。ジャムのやさしい味を表現したかったので、包み込むように手をふんわり添えてみました。

「静かに騎手を待つ夜の木馬たち」

撮影場所:香川にある遊園地
夜の遊園地にて。誰ものっていないメリーゴーラウンドがぐるぐると、月の下を走っていて、なんだか夢の世界のようでした。気づけば1時間くらいずっとここにいたような気がします。シャッタースピードを遅くしてみたり、速くしてみたり、どちらで撮っても味があるのでこの被写体は写真好きにはたまりません。

「自由への切望」

撮影場所:岡山の港町
夕暮れ時友人の手の写真と、空を舞う鳥の写真の2枚をPhotoshopにて組み合わせて重ねて製作をしています。夕暮れ時のシルエット写真は、いろんな背景やアイテムと組み合わせやすいのでストックとしてよく撮ります。鳥の写真はもともと持っていて、「この鳥に手を伸ばす感じの作品をつくりたい……」とずっとおもっていたので、夕暮れ時たまたま一緒にいた友人に頼み、空に手を伸ばしてもらいとりました。

「明日に灯すランプ」

撮影場所:岡山の港町
こちらは多重露光で撮った1枚。最初24mmで引いて撮影したあとに、70mmまで寄ってシャッターを切っています。普段あまり人物の多重は挑戦したことがなかったのですが、ゆるやかな服と佇まいと、ロケーションがなんだかこの引きと寄りの多重光とのバランスが絶妙で、妙に気に入ってしまった1枚です。

「そんなに見つめられたら恋に落ちてしまう」

撮影場所:さんぽ中に島で出会った猫
動物AFを使って猫の瞳の美しさを撮影しました。モデルは島に旅をしていたときに出会った懐っこい野良猫。触りたくなるようなふさふさの毛質を写すことができたのがお気に入りです。

推奨環境

  • Microsoft Edge
  • Windows Firefox 最新版
  • Windows Google chrome 最新版
  • Mac Safari 最新版
  • Mac Firefox 最新版
  • Mac Google chrome 最新版

モニターサイズ 1024px × 768px 以上の解像度
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