丸田 あつしAtsushi Malta
NIKKOR Z24-70mm f/2.8 S
「このレンズが
夜景への視野を拡げた」
夜景撮影への固定観念がこのレンズで変わったと思う。たとえば、絞り開放からの高い解像力。山や丘の上から撮影する場合、よく足場の確保に悩まされてきた。しかし、このレンズなら三脚を使わずに手持ちで臨むことができる。ISO感度を上げずに絞りを開け、満足のいく解像を得ることができるのだ。また、想像を超える耐逆光性能、優れた収差補正によって、さまざまな光源の入り組む夜景をよりクリアーに捉えられる。いつも最後にマニュアルで行う微妙なピントの調整にも、最適なトルクのフォーカスリングが確実に応えてくれる。
• カメラ：Z 7 • レンズ：NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S • 画質モード：JPEG FINE★（画質優先） • 撮影モード：絞り優先オート • シャッタースピード：10秒 • 絞り：f/8 • ホワイトバランス：晴天日陰 • ISO 感度：100 • ピクチャーコントロール：風景
ブラジル、リオのドナマルタ展望台から撮影。日没にかけ天候が急変し、視界がゼロになる中、時折美しい景色が見える瞬間があった。その繊細な表情、柔らかな色合いと空気感を捉えたいと思った。非常に厳しい条件だったが、このレンズは周辺までの高い解像力と点像再現性で見事に応えてくれた。
韓国、釜山の荒嶺山（ファンリョンサン）から眺める四面（ソミョン）の繁華街。山を切り開くように林立するビル群は周辺部に至るまで歪みが少なく、緻密に再現され、麓に広がる人々の暮らしの雰囲気も詳細に捉えられた。さらに遠景となる湾岸部の橋や埠頭、タワーの細部まで余すところなく描写できた。
• カメラ：Z 7 • レンズ：NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S • 画質モード：JPEG FINE★（画質優先） • 撮影モード：絞り優先オート • シャッタースピード：15秒 • 絞り：f/8 • ホワイトバランス：自然光オート • ISO 感度：100 • ピクチャーコントロール：風景
• カメラ：Z 7 • レンズ：NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S • 画質モード：14bit RAW • 撮影モード：絞り優先オート • シャッタースピード：1/4秒 • 絞り：f/8 • ホワイトバランス：オート1 • ISO 感度：1250 • ピクチャーコントロール：風景
韓国、釜山「映画の殿堂」に設置された極彩色のLED ビジョン。輝度差が大きい中でも暗部に潜む微妙な階調を再現することで、建造物の複雑な形状が表現できた。また画面右下で強く光る車のヘッドライトによるゴーストやフレアーの影響もない。高い逆光耐性を持つレンズだからこそ撮れた一枚。
韓国の釜山、カラフルな家が並ぶ地域を高台から撮影。足場が悪く三脚が安定しないような状況だったが、生活感の細部にわたるまでしっかりと描写したいと考え、ISO感度は100を超えない設定にすることを決めた。F値は2.8だが、絞り開放とは思えない周辺までの高い解像力に眼を開かれた。
• カメラ：Z 7 • レンズ：NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S • 画質モード：JPEG FINE★（画質優先） • 撮影モード：絞り優先オート • シャッタースピード：3秒 • 絞り：f/2.8 • ホワイトバランス：オート1 • ISO 感度：100 • ピクチャーコントロール：風景
• カメラ：Z 7 • レンズ：NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S • 画質モード：14bit RAW • 撮影モード：絞り優先オート • シャッタースピード：1/2秒 • 絞り：f/2.8 • ホワイトバランス：オート1 • ISO 感度：250 • ピクチャーコントロール：風景
高台の公園から釜山港大橋を撮影。やや風が強く足場はボードデッキなので、振動によるブレが起こりやすい状況だった。橋のライティングが次々に変化するため、その色彩を捉えるには長いシャッターはきれない。絞りを開放にし、感度をISO 250にして撮影。周辺部まで見事な解像を得ることができた。
Interview
夜景写真家
丸田 あつし（まるた あつし）
1968年生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。1994年から夜景フォトグラファーとして本格的に活動。現在、世界各地の夜景撮影をライフワークとする。写真集に『亜細亜ノ夜景』『最新版 日本夜景遺産』（河出書房新社）、『夜城』（世界文化社）、『世界ノ夜景』（ダイヤモンド社）、『世界夜景』（中国語・繁体字版／大売文化有限公司）、『日本の夜景』、『東海道夜景五十三次』（エンターブレイン）、『LIFESCAPE〜息づく夜景』（角川書店）がある。日本写真家協会会員。
