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Vol.
07

谷角 靖 × AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED

14-24mm f/2.8。すべてを委ねられる超広角ズーム。

メインカット

メインカット

・カメラ : D4 ・レンズ : AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED ・画質モード : 14ビットRAW(NEF)・撮影モード : マニュアル、5秒、f/2.8 ・ホワイトバランス : 電球 ・ISO感度 : 4000 ・ピクチャーコントロール : ニュートラル

20代の後半に、カナダで出会ったオーロラが人生を変えた。その圧倒的な美しさに導かれ、ほどなくプロ写真家の道を歩き始めた。いま、カナダ、アラスカ、北欧などで天空の女神を撮り続けている。

今回は北極圏に位置するノルウェーのロフォーテン諸島・モッツンを訪れ、フィヨルドの岸辺でその姿を追った。レンズは14-24mm f/2.8、カメラボディーはD4。いつもの撮影で使い続けているレンズとボディーである。

作品2

作品2:今回のBehind the sceneの舞台、
ホームグラウンドであるカナダで撮影したオーロラ

・カメラ:D4・レンズ:AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED・画質モード:14ビットRAW(NEF)・撮影モード:マニュアル、15 秒、f/2.8・ホワイトバランス:電球・ISO感度:4000・ピクチャーコントロール:ニュートラル

マイナス数十度に達する極寒の地の夜。常識を超えるような厳しい条件でも常に期待を裏切らず、視界いっぱいに広がる光のドラマを、フレームの隅々までクリアーに歪みなく捉えてくれる。スムーズな操作感も常に変りない。つまり、写真家としてのすべてを安心して委ねることができるのだ。

装備が限られる極限の地では、その絶対の信頼感こそが必要とされる。21時、撮影の準備を終え、オーロラの気配に全神経を集中する。1時間ほどして、その兆しが感じられた。まず、ISO 102400でテスト撮影して確認する。まだ肉眼では見えないオーロラが緑色に写るからだ。ほどなくして光の女神が現れた。

作品3

作品3:ノルウェーで撮影した、ドレープが美しい一枚

・カメラ:D4・レンズ:AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED・画質モード:14ビットRAW(NEF)・撮影モード:マニュアル、6 秒、f/2.8・ホワイトバランス:電球・ISO感度:4000・ピクチャーコントロール:ニュートラル

ISO 4000に切り換え撮影を開始。画角は14mm、絞りは開放のf/2.8。夜空を舞台とする長時間露光の撮影にとって、この広さこの明るさがとても頼もしい。超広角を活かして空だけでなくフィヨルドの水面に映る姿も狙った。願いどおりに女神は、水の鏡に映る方向に大きく手を伸ばし始める。

広い画角と高い解像力によって、その壮大な美を写し取り、満天に輝く星もフレームの隅々まで収差のない点像として描写。天と地のドラマをこの一枚に収めることができた。これからも、極光の美を追い続ける ―― 私のNIKKORで。

PHOTOGRAPHER

谷角 靖
谷角 靖(たにかど やすし)

1973年、大阪生まれ。1999年、スキーインストラクター資格取得のためカナダに渡り、そこでオーロラと出合い撮影を始める。2003年、写真家の田中達也氏に師事。2007年よりプロ写真家としての活動を開始。写真集に「オーロラの降る街」、「オーロラの空」、「Northern Lights」、「American Parks」、単行本に「極光物語」などがある。現在、永住権を取得したカナダを拠点としている。

プロフィール

NIKKOR

AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED

開放F値が2.8で一定の、描写力に優れた大口径ズームレンズ

開放F値は明るい2.8で一定。極めて高い光学性能を実現したズームレンズです。撮像範囲の広いFXフォーマットで画面のすみずみまで高い描写力を発揮。ナノクリスタルコートの効果で、逆光気味の状況でも、ゴースト、フレアの少ないクリアーな画像が得られます。

製品情報more
レンズ解説

BEHIND THE SCENE

撮影レポート
01
ホームグラウンドのカナダにて

谷角先生はカナダの永住権を取得しており、現在は、カナダユーコン準州の州都であるホワイトホースを活動の拠点としています。ユーコン準州はアラスカと境界を接するカナダの最北西部に位置し、ホワイトホースはかのユーコン川の流域にある美しい都。オーロラが見られることでも有名です。先生は今回のノルウェーでの撮影の前に、このホームグラウンドでオーロラ撮影を行いました。今回のビハインド・ザ・シーンは、その様子をお伝えします。撮影場所は、ホワイトホースから車でアイスバーンの山道を走り、さらに徒歩で移動したところ。そこには、湖から流れ出る小川があります。冬季、ほとんどの湖は凍結するのですが、流れのある小川は凍りません。そこに写り込むオーロラを捉えることが先生の狙いでした。

02
極限の環境で求められる絶対の信頼性

撮影ポイントに到着後、機材をセットして、オーロラが現れる瞬間を待ちます。レンズは、14-24mm f/2.8。谷角先生が普段からオーロラ撮影に使用しているものです。空に現れるオーロラと、手前に流れる小川に映るオーロラをフレームに入れるためには、より広い画角が必要。また、長時間露光が基本となる撮影には、f/2.8という明るさが大きな力になります。カメラボディーは、これも普段使っているD4。かつて、D3の高感度性能に感動して以来、機材はニコンに絞っているそうです。特にD4に関しては暗闇の中でのボタンやダイヤルの視認性を高めるボタンイルミネーションが秀逸。この機能は、以前から谷角先生がニコンの担当者に「ぜひ搭載してほしい」と願っていたものです。しかし何にも増してこの機材でなければならない理由。それは、たとえマイナス40℃の酷寒であろうと、レンズ、ボディーともに、不具合なく確実に仕事をやり遂げることにあります。

03
高解像な超広角ズームレンズが捉えた、
オーロラと天の川

月のない夜、人里からも遠く離れているため、天の川が圧倒的な存在感で空に横たわり、静かに澄み切った時が流れます。マイナス30℃の原野で待ち続けて約1時間半。狙いどおりの方向にオーロラが現れました。少しでもバッテリーを温存するためにバッグに収めてあった、クイックシュー付きの機材を取り出し、三脚にセットして撮影を開始します。超広角ズームでありながら、画角の隅々まで大きな収差のない、明るく高解像なレンズと、優れた高感度性能のカメラ。そして何より、極寒であってもその能力を最大限に発揮するニッコールとニコンが、オーロラと天の川、そして天と地の情景を一枚の作品として捉えました。空一面に広がる星々も、クリアーな点像として描写することができました。今年は、十数年に一回という太陽の活動期と言われ、例年より多くのオーロラが観測されているようです。しかし、自然現象であるオーロラを確実に捉えるには、積み重ねられた経験と、それに応える優れた機材が求められます。

DATA

  • 撮影日: 2013.1.10-2.12
  • 写真家: Yasushi Tanikado
  • レンズ : AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED
  • カメラボディー : Nikon D4
  • キーワード :風景・自然
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