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Vol.
25

松本紀生 × AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR

80-400mm f/4.5-5.6。このズームで、再会した。

メインカット

メインカット

・カメラ : D4S ・レンズ : AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR・画質モード : 14ビットRAW(NEF) ・撮影モード:シャッター優先オート、1/5000秒、f/5.6・ホワイトバランス : 晴天 ・ISO感度 :オート(ISO 400)・ピクチャーコントロール : スタンダード

ある写真家とその活躍の場となったアラスカへの憧れが、この道を志すきっかけだった。いま、その場所を拠点として大自然を撮り続けている。今回の撮影は、南東アラスカで約1ヶ月かけてザトウクジラを撮った。

1996年からほぼ毎夏、彼らを追いかけている。レンズは、小型・軽量でありながら幅広い望遠域をカバーし、高い光学性能とクラス最高レベルのAF速度を持つ、80‐400mm。カメラボディーは、やはり高速・高精度なAFを誇るD4Sである。

作品2

作品2

・カメラ:D4S ・レンズ:AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR・画質モード:14ビットRAW(NEF)・撮影モード:シャッター優先オート、1/3200秒、f/8・ホワイトバランス:晴天 ・ISO感度:オート(ISO 400)・ピクチャーコントロール:スタンダード

暖流がもたらす暖かく雨の多い気候がこの一帯に世界最大級の温帯雨林と豊かな生態系を生み出している。そして大小1,000島以上の島々からなる複雑な海域がクジラたちに最適な環境を与えている。

無人のビーチの近くにテントを張り撮影に入って4週間目。悪天が続き待機する日も多かったが、この日は海も空も穏やかだったためゴムボートで沖へ向かった。小さなボートは安定することなく常に揺れ続ける。しばらくして、1頭のクジラが突然、ジャンプと潜行を繰り返すブリーチングをはじめた。その間隔をよみながら撮り始める。ジャンプの理想的な瞬間は1秒にも満たない。次にどこから現れるかもわからないが、全神経を集中して揺れる船上から撮り続ける。

作品3

作品3

・カメラ:D4S ・レンズ:AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR・画質モード:14ビットRAW(NEF)・撮影モード:シャッター優先オート、1/1250秒、f/5・ホワイトバランス:オート1 ・ISO感度:オート(ISO 3600)・ピクチャーコントロール:スタンダード

小型・軽量なこのレンズの取り回しの良さが活きる。そして、より表情のあるクジラのお腹側を狙える位置にボートを移動させた。逆光となっても、ナノクリスタルコートがゴーストやフレアの不安から解放してくれる。

そして待ち望んだ瞬間。このレンズは、俊敏なAFと高い解像力で、爆発する水飛沫を引いて空へと飛翔するかのようなクジラの姿を克明に捉えた。これからも、極北の自然を撮る ―― 私のNIKKORで。

INTERVIEW MOVIE

●閲覧するデバイスや回線速度に応じて解像度は調整される場合があります。

PHOTOGRAPHER

中村卓哉
松本紀生(まつもと のりお)

1972年、愛媛県生まれ。立命館大学在学中、故星野道夫氏の作品に出合い写真家を志す。その後、同大学を中退しアラスカ大学へ編入。独学で写真の技術を習得。年の約半分をアラスカで過ごし、夏は北極圏や無人島、冬は氷河の上のかまくらで生活しながら、野生動物や風景、オーロラを撮影。日本滞在中はスライドショー『アラスカ・フォトライブ』を全国の学校、病院などで行う。2014年、写真集「原野行」(クレヴィス)を出版。同年、TBS『情熱大陸』に出演。

松本紀生 オフィシャルサイトmore
プロフィール

NIKKOR

AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR
AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR

望遠から超望遠までをカバーする、VR付き5倍望遠ズームレンズ

焦点距離80mmから400mmまでの広い望遠域をカバーする、5倍望遠ズームレンズです。高い光学性能を発揮するスーパーEDレンズのほか、ゴースト、フレアを低減するナノクリスタルコートを採用。VR機構(手ブレ補正効果4.0段※)とあいまって超望遠撮影で鮮明な画像が得られます。また、クラス最高レベルのAF速度も実現しています。

※ CIPA規格準拠。ただし、FX フォーマットデジタル一眼レフ使用時、最も望遠側で測定。

製品情報more
レンズ解説

BEHIND THE SCENE

撮影レポート
01
南東アラスカの海はクジラたちの楽園

アラスカを主なフィールドとしている松本先生。今回は南東アラスカの海で、ザトウクジラの撮影を行いました。期間は約1ヵ月間、近くの小さな町からでさえ、船で4時間ほどかかる無人のビーチ沿いの森の中で単独キャンプをしながらの撮影です。先生はもう18年間、夏になると帰ってくるザトウクジラを撮るためにこの海域を訪れています。南東アラスカは、いわゆるアラスカのイメージとは少し違う場所。沿岸部を流れる暖流の影響による、温帯雨林気候のエリアです。陸には世界最大と言われる温帯雨林が広がり、熊やオオカミ、白頭鷲を頂点とする多様な生態系が育まれています。そして海は、大小1,000島以上の島々が連なる複雑なフィヨルド地形。豊かな森と入り組んだ海岸線の恩恵を受けた、プランクトンや魚の豊富な海はアザラシやラッコ、そしてザトウクジラにたちとって、まさに楽園なのです。

02
ミニマムな装備・柔軟な撮影、という条件に応える80-400mm

作品撮りはもちろんですが、今回はビハインド・ザ・シーンも、松本先生自身に記録していただきました。大自然の中で長期間にわたる単独生活を続けながらの撮影。現地へのアクセスもチャーターした船に頼るため、機材を含め運び込む装備を最小限にすることが必要です。また、ザトウクジラの撮影は船外機を取り付けた小さなゴムボートの上で行います。撮影機材と簡単な装備を乗せればほとんど余裕はありません。さらに、狭いうえにボートは常に揺れ続けます。そのような厳しい条件でも小型・軽量の80-400mmは非常に扱いやすいとのこと。そして、幅広い望遠域をこれ一本でカバーでき、何より速く正確なAFが大きな力になるとおっしゃっていました。加えて、光を遮るものの無い海上での撮影。状況によってポジションをどんどん変えなければならない場合も、ナノクリスタルコートの効果で、逆光をあまり気にすることなく撮影に集中できるとのことでした。

03
そして、空を飛ぶザトウクジラの姿を捉えた

この地域は雨の日の多いことが特徴。今年の夏は特に天候に恵まれなかったそうです。実際、約1ヵ月の期間で撮影ができた日は合わせて2週間足らずだったとのこと。そして天候も波も穏やかなこの日、ボートでザトウクジラたちのいる場所に向かった松本先生。しばらく待機していると、一頭が突然ブリーチングを始めました。ブリーチングとは、クジラが海面上に体を持ち上げ、そのまま海面に体を叩きつける行動のことですが、個体によってパターンが違います。このクジラは何度も繰り返し飛び上がっていたそうです。先生はそれを観察しながら、最初背中側だった位置からお腹の見える方向へとボートを移動。クジラの背中は黒くてツルツルしているので、ディテールが捉えにくいためです。そして、予測したポジションから絶好の位置でクジラがジャンプしました。先生はレンズを向けシャッターをきります。最も美しい瞬間は1秒足らず。このレンズは速く正確なAFで、まるで空を飛ぶようなクジラの姿を捉えました。

こちらに掲載されている情報は、2014年10月現在のものです。

DATA

  • 撮影日: 2014.7.12-8.10
  • 写真家: Norio Matsumoto
  • レンズ : AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR
  • カメラボディー : Nikon D4S
  • キーワード :風景・自然
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