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丸田あつし × AF-S NIKKOR 24mm f/1.8G ED
24mm f/1.8。“命のともしび”を写す広角。
ある土地に人々が根付き、それが街になり、やがて幾多の光ある風景が生まれる。夜景は『そこに人間が生きていることの証』である。命の象徴としての光を撮りたい。その思いを胸に世界を旅している。今回は、ニュージーランド北部とオーストラリア南部の夜景を撮影した。レンズは小型・軽量でありながら高い光学性能を発揮する、大口径単焦点の24mm f/1.8Gである。ボディーには、優れた総合画質の高画素機D810を選んだ。
ニュージーランドでは、街全体を広い画角で捉える俯瞰撮影を、オーストラリアでは広角を活かした街の中での撮影を行った。ほぼ同じ緯度に位置するふたつの場所はとても過ごしやすい季節に入り、じっくりと夜景を撮影するには適した時期だ。
それぞれのロケ地で日中に綿密な下見を行った後、狙いを絞り撮影プランを練った。その中から、今回のメインカットとして選んだ一枚がニュージーランド北部の半島、マウンガヌイの夜景である。マウンガヌイは白い砂の美しいビーチと独特な地形で知られるリゾート地だ。
撮影の狙いは、広角のパースペクティブを活かして、ユニークな地形の全体像を捉えつつ、日没後、その風景が“夜景に生まれ変わる瞬間”を細部まで描写すること。そのため、半島の先端にあるマウンガヌイ山に登り、そこから撮影を行った。時がたつにつれ、道路照明が半島のアウトラインを縁どり、港の灯りが湾内の船影を浮かび上がらせる。
このレンズは高い解像力で、画面周辺に広がる街のディテールや小さな光源、そして山の岩肌や雨を降らせて去って行った雲までも克明に捉えた。さらに、ナノクリスタルコートがレンズの反射を抑え、クリアーでメリハリのある表現を可能にした。これからも、世界中で“命のともしび”を撮り続ける
―― 私のNIKKORで。
INTERVIEW MOVIE
PHOTOGRAPHER
NIKKOR
BEHIND THE SCENE
人間の営みの象徴である“夜景”を求めて世界中を旅されている丸田先生。今回も、世界各国の夜景ポイントを検討し、最終的にニュージーランド北部のオークランドとマウンガヌイ、オーストラリア南部のメルボルンでの撮影となりました。これらの場所に決めたのは、季節的に温暖な時期に入り、また湿度が低いので、日本の夏のように靄や霞みが発生しにくいことが主な理由でした。特にマウンガヌイは前からとても気になっていた場所だったそうです。マウンガヌイはオークランドの南東に位置し、車で3~4時間の距離。延々とビーチが続く半島の先端には休火山のマウンガヌイ山(ザ・マウント)がそびえています。砂浜は白く海は美しいコバルトブルー。ニュージーランドでも屈指のリゾートです。その地形は非常に特徴的で、ほぼ平らな半島の両側に海岸線があり、山側から見るとまるで鉈のような形にも見えます。
今回の撮影で使用したAF-S NIKKOR 24mm f/1.8G EDは、非球面レンズ、EDレンズ、ナノクリスタルコートを採用し、さまざまな収差やゴースト、フレアを抑え、高い解像力を発揮します。さらに夜景撮影に有利なポイントがあります。そのひとつが開放F値1.8の明るさ。ライブビュー撮影時に明瞭な画像でよりシビアなピントを追求することができます。もうひとつは、機動力。夜景撮影は必ず日中にロケーションハンティングを行います。日の高いうちにいくつかの場所へ機材を手に赴き、そこにどのような照明が灯るかを想像しつつアングルを探りますが、当然、徒歩での移動も多くなります。そのとき、小型・軽量であることが大きなメリットになるのです。さらに、ボディーに使用したD810はその高画素・高画質もさることながら、メカニカル先幕シャッターを電子先幕シャッターに切り換えることで、機構ブレを極限まで抑えた撮影が可能。今回の機材は、まさに夜景撮影に最適なコンビネーションだと言えます。
メインカットとなったマウンガヌイの夜景撮影。先生は現地到着後すぐに、街の北西にあるマウンガヌイ山(ザ・マウント)へ機材を持って登りました。行程は約一時間。頂上付近からは見事な風景が広がっていました。美しい曲線を描く細長い街が、まるで青い海の上に浮いているようです。この場所で理想のアングルを探り、大きく張り出した岩の上を撮影ポイントに定めました。その後下山し日が傾き始めるころ、万全の準備を整えて再び撮影ポイントへ。現場で三脚に機材を装着してしばらく待機。やがて日が落ち街の照明が灯ります。先生は、空と海、そして街の表情の変化を見ながらシャッターをきり続けました。こうして生まれたメインカット。海岸に沿って続く道路照明が独特な地形を縁どり、その中にちりばめられた無数の点光源と光に照らされた街のディテールが、画面の周辺部まで克明に描写されています。手前には24mmの画角を活かして捉えた山の岩肌と樹木、さらに明るさを残す空には、豊かな雲の表情が加わりました。まさに、風景が“夜景へと生まれ変わる瞬間”を捉えた、見事な一枚となりました。
こちらに掲載されている情報は、2016年2月現在のものです。
DATA
- 写真家:Atsushi Malta
- レンズ:AF-S NIKKOR 24mm f/1.8G ED
- カメラボディー:Nikon D810
- キーワード :風景・自然