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PAGETOP
Vol.
20

今岡昌子 × AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G (Special Edition)

50mm f/1.8。“人と土地の絆”を写す。

20
ここ八年、“九州”を撮り続けている。人と環境を眺めつつ閃いたものが“トポフィリア(土地への愛着)”。東日本大震災前のことである。個の生命を超え世代を受け継ぎ、なお残されてきた事象とその精神性を深く体感したい、大切な観念を見つめ直したい、との思いがあった。日本の味わいを感じる九州のさまざまな場所へ通い、風景や人、習俗からの印象を丁寧に撮っている。こうした写真活動の一部、断片が、私の根底にあるビジョン「Re・birth(再生)」から分化したシリーズ「トポフィリア-九州力の原像へ」に編み込まれる。
(次へ続く↘)

メインカット

・カメラ : Df ・レンズ : AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G (Special Edition) ・画質モード : 14ビットRAW(NEF) ・撮影モード:絞り優先オート、1/800秒、f/8 ・ホワイトバランス : オート1 ・ISO感度 : 320 ・ピクチャーコントロール : 風景

作品2:宮崎県、宮崎神宮の新緑

・カメラ:Df ・レンズ:AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G(Special Edition)・画質モード:14 ビット RAW(NEF)・撮影モード:シャッター優先オート、1/250 秒、f/1.8 ・ホワイトバランス:オート 1 ・ISO 感度:100 ・ピクチャーコントロール:風景
20
今回向かったのは、佐賀県鳥栖(とす)市、牛原(うしわら)町の“獅子舞”。約三百年前の記録に残るこの地方特有の神事である。使用したレンズは小型・軽量な大口径単焦点の50mm f/1.8。カメラはFXフォーマット最小・最軽量のボディーとプロフェッショナル機の画質を併せ持つDf。コンパクトな装備で神事の雰囲気に溶け込み、肉眼に近い感覚でその姿を捉えるためだ。そして獅子舞の日。大太鼓と大きな鉦(かね)を叩きながら氏子たちが神社へ集まり儀式が始まる。
(次へ続く↙)
20
まず“獅子つり”と呼ばれる子供ふたりが口上を述べ、舞いを舞う。その装束の色彩と意匠に、アジアはもとより、中近東、ヨーロッパからの文化の流れを感じた。中国を起源とする五行の色、東南アジアの少数民族のものに似た刺繍、尖った帽子の鍔にはダビデの星を思わせる模様もある。複雑なディテールや質感などを細やかに見つめた。その装束で独特な所作を見せる子供、この場に集う人々、人々が敬う自然とその営み、歴史の痕跡などをうかがわせるリアリティーに、自らの経験・認識、審美眼などを重ね合わせ、イメージに託した。これからも”写真表現”を思考し続ける
―― 私のNIKKORで。

※今岡先生は今回の撮影でも、佐賀県、大分県、宮崎県、鹿児島県など九州のさまざ まな場所を訪れました。作品2と作品3はその中で撮影されたものです。

作品3:同じく、宮崎神宮の枯葉

・カメラ:Df ・レンズ:AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G(Special Edition)・画質モード:14ビットRAW(NEF)・撮影モード:シャッター優先オート、1/250 秒、f/1.8 ・ホワイトバランス:オート1 ・ISO 感度:100 ・ピクチャーコントロール:風景

INTERVIEW
MOVIE

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PHOTOGRAPHER

今岡昌子(いまおか まさこ)

NIKKOR

AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G (Special Edition)

BEHIND THE SCENE

撮影レポート
01
佐賀県鳥栖市“牛原の獅子舞”へ

  • 佐賀平野に位置する鳥栖市牛原町


  • 牛原町の香椎(かしい)神社

現在、九州を撮り続けている今岡先生。そのきっかけは宮崎県の高千穂だったそうです。先生はそれまで世界30ヵ国以上を取材してきましたが、高千穂を訪れたとき、その景色や人々の暮らしぶりがヒマラヤ山系で見たものにとても似ていることに気付きました。その歴史的、文化的な背景に興味を抱き、以来、九州全土を主なフィールドとして活動を続けています。撮影のテーマは、トポフィリア(土地への愛着)。これは、地理学者のイーフー・トゥアン氏が提唱した造語で、環境と人間の関係を情緒的な側面から探求し、人間の存在を新たな視点で見直すというものです。今回の撮影場所は、九州北東部の筑紫平野(佐賀平野)にある佐賀県鳥栖(とす)市の牛原町(うしわらまち)。この地で毎年四月に行われる“獅子舞”を撮ることが目的でした。この神事は、ほとんど地元の人たちだけが参加する、世の中にはあまり知られていないものです。
02
軽快な取り回しと高い解像力の50mm f/1.8G

  • 全部で十個ある大きな鉦を叩き神社へ向かう


  • Df+AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G (Special Edition)

獅子舞は午前中に牛原町の香椎(かしい)神社、そして午後には同町の山間部にある四阿屋(あずまや)神社で行われます。当日の朝、まずは香椎神社へ。神社は樹齢数百年のクスやカシの木などに囲まれた静かな佇まい。社殿の奥には広い庭があります。しばらくすると、太鼓と鉦(かね)の音が聞こえてきました。見れば遠くから青い装束の氏子たち30人ほどの行列が近付いてきます。先生はその行列を待ちかまえ、Dfと50mm f/1.8ならではの軽快さで撮り始めます。そして一行が神社に到着し、広い庭の真ん中で獅子つりと呼ばれる子供ふたりが口上を述べ、いよいよ獅子舞が始まりました。それを氏子や見物の人たちが取り囲みます。庭いっぱいを使った動きの多彩な獅子舞に合わせ、先生は撮影ポイントを次々と変えながら撮り続けました。作品にみられる高い解像感はもとより、絶えず動きながら集中力を保てるのも軽量・コンパクトなレンズならではのメリットです。
03
この地に根付く神事を鎮守の杜とともに捉えた

  • 雌雄の獅子をあやつる獅子つり


  • ここにしかない特異な神事を撮り続ける

牛原の獅子舞に関して、最初に驚いたのはその色彩や意匠の奇抜さ。獅子つりの装束は、水色、赤、黄色、白、黒という古代中国を源とする五行の色を基調としているようです。装束の雰囲気は韓国の伝統芸能である農楽を思わせ、胸当てや手甲には東南アジアの山岳民族のものと似た刺繍、風変りな帽子は真上 から見るとダビデの星(六芒星)のようなデザインが現れます。そこに、東洋と西洋の文化が交わり凝縮されているように感じました。水玉模様の体を持つ獅子も日本的な獅子舞のそれとは異なります。そして、この神事に集う人々を静かに見守っているかのように、広い庭を包む鎮守の杜。今岡先生は、肉眼に近い焦点距離のAF-S NIKKOR 50mm f/1.8G (Special Edition)と優れた画質のDfで、それらを撮影しました。

こちらに掲載されている情報は、2014年5月現在のものです。

DATA

撮影日: 2014.4
写真家: Masako Imaoka
レンズ : AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G (Special Edition)
カメラボディー : Nikon Df
キーワード : その他
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