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PAGETOP
Vol.
08

藤村大介 × AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR

16-35mm f/4。また、このレンズと旅に出る。

08
カメラと旅することの愉しさを、父の一眼レフから教えられた。そして、いまも旅を続け、世界各国の情景を撮っている。今回は香川の琴刀比羅宮(ことひらぐう)、通称“こんぴらさん”を訪れた。最寄りの琴平駅の近辺は、少年時代を過ごした生まれ故郷でもある。参道から続く七百八十五の石段を上りながら手持ちでの撮影を続けた。レンズは旅のスナップに適した広角ズームながら、軽量でかつ約4段という高い手ブレ補正機構を搭載した16-35mm f/4。カメラボディーは歴史を経た寺社建築や石段などの味わいあるディテールを高精細に描写するためのD800Eを選んだ。
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メインカット

・カメラ : D800E ・レンズ : AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR ・画質モード : 14ビットRAW(NEF)絞り優先オート、1/200秒、f/7.1 ・ホワイトバランス : オート1 ・ISO感度 : 1400 ・ピクチャーコントロール : ニュートラル

作品2:70段目付近の参道

・カメラ:D800E・レンズ:AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR・画質モード:14ビットRAW(NEF)・撮影モード:絞り優先オート、1/200 秒、f/7.1・ホワイトバランス:オート1・ISO感度:オート(ISO 125)・ピクチャーコントロール:ニュートラル
08
石段は一直線ではなく、いくつかの門や鳥居、社殿などを巡りながら左に右にと折れ曲がり、広く、狭く、なだらかに、険しくと、多彩な表情を見せる。そして、最後の難所である御前四段坂を登り、ようやく本宮に辿り着く。大物主神(おおものぬしのかみ)を祀る、檜皮葺(ひわだぶき)、唐破風の屋根を持つ堂々たる拝殿の左手、三穂津姫(みほつひめ)社の奥に、長年の風雨に耐え抜いた迫力を感じさせる、ヒノキ造りの絵馬殿がある。古くより多くの人々によって、海上守護の神への願いが込められてきた場所である。
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08
ワイド端の16mmでパースを活かし、手前にある「事比羅神社」と記された古い額の美しい木目を捉えつつ、建物の奥行を感じさせるダイナミックな構図を狙った。超広角でありながらも歪みは少なく、輝度差の大きな状況であったが、隅々までの輪郭に滲みや偽色などを感じない素晴らしい一枚。また、ナノクリスタルコートによって、ゴーストやフレアの気配もない。久しぶりの故郷。自らの原点への旅をここまで鮮鋭かつ上質に残すことができた。これからも旅を撮り続けていく
―― 私のNIKKORで。

作品3:628段目、威風堂々たる旭社

・カメラ:D800E・レンズ:AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR・画質モード:14ビットRAW(NEF)・撮影モード:絞り優先オート、1/200 秒、f/7.1・ホワイトバランス:オート1・ISO感度:オート(ISO 400)・ピクチャーコントロール:ニュートラル

PHOTOGRAPHER

藤村大介(ふじむら だいすけ)

NIKKOR

AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR

BEHIND THE SCENE

撮影レポート
01
讃岐平野に鎮座する、海上守護の総本山「金刀比羅宮」

  • 旅情を誘う、趣ある琴平駅の駅舎


  • 駅前から参道へ続く道、右奥が象頭山

金刀比羅宮は、香川県琴平町の象頭山(ぞうずさん)中腹にあり、全国の金刀比羅神社・琴平神社・金比羅神社の総本宮です。古くより、海上交通の守り神として信仰されており、漁船から豪華客船まで、あらゆる海事関係者の篤い崇敬を集めています。そのおひざもとである、琴平駅のすぐ近くで生まれ育った藤村先生。いま世界を旅して、それぞれの国の美しい情景を撮り続けている先生にとって、幼い頃から遊び場所として親しんだ“こんぴらさん”は、冒険や旅の原点であったといえるでしょう。今回は旅行写真のプロとして、本宮までの道程をカメラに収めようと、ひさしぶりに故郷を訪れました。よく晴れた春の朝、琴平駅前から出発。かの有名な七百八十五段の石段を登りながら撮影し続け、本宮を目指しました。
02
登り、動き、撮り続ける、スナップショットの醍醐味

  • 石段を登りながら撮影し続ける藤村先生


  • D800E+AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR

旅のスナップショット、しかも800段近い石段を登りながらの撮影、ということを考慮した藤村先生、レンズは16-35mm f/4を選びました。超広角から広角までをカバーするズームレンズでありながらとても軽量。VRII搭載で、約4段分の手ブレ補正効果を発揮し、移動しながらや、光が少ない建物内などでの撮影も手ブレを気にせず撮ることができます。しかもナノクリスタルコートを採用しているため、逆光や室内の窓辺など、光の条件が難しい場合でも、ゴーストやフレアを最小限に抑えます。カメラボディーはD800E。機動性を重視しつつも、時代を経た建物や石段の表情をより高精細に捉え、神聖な雰囲気を描写するために約3600万画素の高画素と、光学ローパスフィルターの働きを無くした、高解像モデルのD800Eが必要でした。
03
隅々まで高解像な超広角で、神聖な空気までも撮る

  • 険しい階段を登ると、いよいよ本宮


  • ワイド端の16mmで絵馬殿を撮る藤村先生

急勾配の階段が四つ続く御前四段坂を登りきると、正面に本宮が姿を現します。まずは、参拝してから撮影を続行。しばらくして、本宮に向かって左側にある三穂津姫社のとなりにある絵馬殿に向かいました。全国各地から祈願と祈願成就の報賽のために奉納された無数の絵馬が掲げられ、その眺めはなかなかのもの。かなり時代を経たものも多くあり、古くからの金刀比羅宮への信仰の篤さを感じさせます。藤村先生はその神聖な場所を熱心に撮り始めました。そして今回の最高の一枚が生まれたのです。ワイド端で、パースを活かした構図を狙い、重要なポイントとなる古い額を大きく捉えています。長い間、風雨に晒された木の風合いを見事に描写し、その奥に連なるヒノキ造りの軒と柱が、まるで長い歴史を象徴するような奥行を感じさせます。広角ズームにありがちな画面端の流れや歪みも最小限に抑えられ、輝度差の大きなハイライト部でも、輪郭に滲みや偽色などがありません。そして、「フレアやゴーストが出やすい広角だからこそ、ナノクリスタルコートへの信頼感・安心感が撮影への集中力を高めてくれます」と藤村先生はおっしゃっていました。

こちらに掲載されている情報は、2013年4月現在のものです。

DATA

撮影日: 2013.3.3
写真家: Daisuke Fujimura
レンズ : AF-S NIKKOR 16-35mm f/4G ED VR
カメラボディー : Nikon D800E
キーワード :
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