多様なグレーディングプロセスに対応する多彩なカメラ内動画フォーマット
Z 8は動画制作者の様々な編集ニーズに応えるべく、ニコン独自の12bit N-RAW、ProRes RAW HQ、10bit ProRes 422 HQも外部機器を使うことなくボディー内で記録できます。また、N-RAWやProRes RAWで撮影した場合は、カメラ内でフルHDプロキシーファイルが同時に作成されるため、映像の編集がスムーズに行えます。さらに12bitおよび10bitのカメラ内コーデックはいずれもN-Logで撮影することができ、最終的な映像の仕上がりをより柔軟にコントロールすることができます。
ハイエンドな映像制作を効率化する8.3K 60p対応の12bit N-RAW
ニコンの画期的な動画フォーマットN-RAW※ファイルは、12bit RAW動画ならではの深みと精緻さをすべて、ProRes RAW HQファイルの半分のサイズに凝縮します。8.3K 60p、5.4K 60p(撮像範囲[DX]時)、4.1K 120p、または4K UHD 120p(撮像範囲[2.3×]時)の映像から、対応編集ソフトウェアで8Kまたは4Kの映像を、DCIおよびUHDのいずれのフォーマットでも作成可能。さらに、8K映像は、編集でクロップ、ズーム、トラックを自由に行った4K映像に仕上げることができます。
Blackmagic Design DaVinci Resolve ver.17.4.6 以降、Grass Valley EDIUS X ver.10.32 以降と互換性があります。
N-RAWサンプルムービー
N-RAWで撮影したサンプルムービーをダウンロードしてお手持ちの編集ソフトで自由に編集し、N-RAWファイルのパフォーマンスをお試しください。
N-RAWサンプルムービーのダウンロードは下記から
サイズが大きい8K 60pのファイルは編集用のプロキシーファイル※(フルHD)もご用意しています。
( )内は各Zipファイルに格納される映像データのファイルサイズ。
- Z_8_SkinTone_8K60p_NLog.zip(3.32GB)
- Z_8_SkinTone_8K60p_NLog_Proxy.zip(24.91MB)
- Z_8_SkinTone_8K60p_SDR.zip(2.90GB)
- Z_8_SkinTone_8K60p_SDR_Proxy.zip(22.92MB)
- Z_8_SkinTone_4K60p_NLog.zip(1.89GB)
- Z_8_SkinTone_4K60p_SDR.zip(1.80GB)
- Z_8_Sky_4K120p_NLog.zip(1.95GB)
- Z_8_Sky_4K120p_SDR.zip(2.03GB)
- Highlight4K.zip(1.55GB)
プロキシーファイル:パソコンにかかる負荷を軽減してスムーズに作業できるよう、編集用にサイズを小さくした動画ファイル。
商用目的での利用を禁止します。詳しくはこちら
編集ワークフローを最適化する12bit ProRes RAW HQ
Z 8では、4.1K 60pの12bit ProRes RAW HQ動画を、カメラ内でも記録できます。ProRes RAW HQはプロフェッショナルが頻繁に使うコーデック。このフォーマットをサポートする複数のカメラの映像を編集する際に実用的です。柔軟性が高く、グリーンスクリーンのクロマキー合成など、デジタルエフェクトを駆使したポストプロダクションに活用できます。
クロップなしで4K UHD 120pのドラマチックなスローモーション動画を作成できるH.265(HEVC)
H.265コーデックは4K UHD 120pにも対応。フレームレートを60pから120pに変更してもクロップされないため同じフレーミングを維持することができ、ドラマチックなスローモーション動画も作成できます。8K UHD 30pにも対応しています。また、スローモーションをもっと手軽に楽しむため、ファームウェアVer.2.00では編集なしで4倍スローおよび5倍スローのスローモーション動画をカメラ内で作成できるようになりました※。
[動画記録ファイル形式]で[H.264 8-bit(MP4)]を選んでいる場合。
映像表現の自由度を高めるN-Log※1
動画撮影時の階調モードを、[SDR][N-Log][HLG]から選択できます。ニコン独自のN-Log は、広範な色深度と12 stops(1300%)※2のダイナミックレンジを活かし、ハイライト側およびシャドー側の階調とびを抑えた色飽和の少ない動画を撮影可能。また、「N-Log用 3D LUT」※3 を適用することで、グレーディングのスピードアップが図れます。
N-Logは8bitには対応していません。
[動画記録ファイル形式]が[H.265 10bit(MOV)]の場合、最低感度(ISO 800)時。
ニコンホームページから無料でダウンロードできます。
N-Log動画撮影のISO感度に低感度を追加 — ノイズ低減による影の美しいグラデーションとディテール
Ver.2.00のアップデートで[N-Log]時の感度設定範囲をLo 2.0まで拡張※。ベース感度より低い設定で[N-Log]記録するとダイナミックレンジがシャドー側にシフトし、ノイズを抑えた階調豊かな暗部の表現が可能です。被写体が明るい背景に対して暗く写っている場合でも、シャドー部の豊富な情報を用いた編集で、ノイズを抑え、美しいディテールを表現できます。この機能はN-RAW時にも利用可能です。
低感度で撮影した動画は、ハイライトの情報が減少するため最大出力レベルが低下します。
24bit 48kHzリニアPCMのクリアーな音声記録
Z 8は、動画撮影時に24bit 48kHzのリニアPCM※で高音質な音声を記録できます。非圧縮のため、より広いダイナミックレンジで内蔵ステレオマイクや外部マイクからの音声をクリアーに記録できます。マイク感度(20段階)は音声レベルインジケーターで視覚的に確認しながら、動画撮影中でも調整可能。大音量の環境下でマイク感度を減衰させて音割れを抑えるアッテネーターも搭載しています。また、市販のステレオヘッドホンで音声のモニター(音量30段階)も可能です。さらに、楽器演奏や街のざわめきなど幅広いシーンに適した[広帯域]と、主に人の声を録音したいときに適した[音声帯域]から「録音帯域」の選択が可能。内蔵マイク使用時には「風切り音低減」も設定できます。
また、専門メーカーと協業してZ シリーズカメラとの互換性を高めたマイクロホンの使用が可能。ファンタム電源が必要なプロフェッショナル仕様のマイクロホンを使用可能にする、XLRアダプターにも対応しています。
また、専門メーカーと協業してZ シリーズカメラとの互換性を高めたマイクロホンの使用が可能。ファンタム電源が必要なプロフェッショナル仕様のマイクロホンを使用可能にする、XLRアダプターにも対応しています。
H.264は16bit AAC 48kHzにのみ対応しています。
快適なインターバルタイマー撮影をサポートする多彩な機能
「インターバルタイマー撮影」開始のタイミングは、3秒後に開始する[即時]と[日時設定]から選択可能。撮影モードがPまたはAの時には、露光時間よりも撮影間隔を優先するように設定できます。さらに、「インターバルタイマー撮影」を開始するたびに新規フォルダーを自動的に作成して画像を保存する設定、「インターバルタイマー撮影」した画像を自動的につないでアスペクト比16:9のタイムラプス動画を同時に記録する設定も可能です。
連続した動画フレームも静止画切り出し可能
8K UHD 30p、4K UHD 120p動画※1から、それぞれ33メガピクセル、8メガピクセルの静止画を切り出し可能。簡単な操作で切り出したいフレームを素早く見つけ出し、容易に静止画として保存できます。さらに、[フレームを連続保存]で再生中にフレーム保存する時間(1秒、2秒、5秒、10秒から選択)を設定すると、表示しているフレームからこの間の動画をJPEGファイルとして一括保存※2。作業効率が一段と向上します。
H.265 8bit(MOV)またはH.264 8bit(MP4)に設定したとき。
保存される静止画の枚数は動画のフレームレートにより異なります。
より容易になった「人物印象調整」とホワイトバランスの色温度設定
人物の色相と明るさのバランス調整が一段と簡単に。ライブビューで被写体の見え方の変化を確認しながら、直感的に微調整できます。パーティーやポートレートの撮影に特に有効です。
さらにホワイトバランスの色温度設定は、G-M(グリーン・マゼンタ)軸だけでなく、A-B(アンバー・ブルー)軸でもホワイトバランスの微調整が可能。ライブビューでリアルタイムに変化を確認しながら、直感的に調整できます。
さらにホワイトバランスの色温度設定は、G-M(グリーン・マゼンタ)軸だけでなく、A-B(アンバー・ブルー)軸でもホワイトバランスの微調整が可能。ライブビューでリアルタイムに変化を確認しながら、直感的に調整できます。
ポートレート撮影時のAWB性能がさらに向上
Z 8のAWBは、Z 9のAWBをさらに改良。人物を撮影する際、輝度が高く色温度が低い環境下でも、被写体の顔情報を活用し、人物も背景も、色かぶりを抑えて美しい色調を実現します。
© ANKITA ASTHANA
より狭い範囲から白情報を取得できるホワイトバランスのプリセット
ホワイトバランスを[プリセットマニュアル]で設定する際、画像表示全体の約0.5%という小さな面積※の白またはグレーを撮影してプリセットマニュアルデータを取得できます。白、グレーの面積が少ないシーンで有効です。
静止画撮影時の画像表示全面積に対して。
画像はイメージです。
動画撮影時にも効果的なピクチャーコントロールシステム
ポストプロダクション用素材映像にも適した[フラット]
ピクチャーコントロール[フラット]は被写体の色や輝度、テクスチャーの情報を豊富に取得でき、比較的軽微な調整作業で、的確に意図を反映した映像制作が可能。撮影した映像を積極的に調整、加工する場合に適しています。
動画に最適化した、ワークフローを効率化する[オート]
カラーコレクションなしでも済むように、動画として好ましい画づくりを目指したZ 8のピクチャーコントロール[オート]の動画画質。静止画モードの[スタンダード]を元にした[オート]とは異なり、動画モードでは[ニュートラル]をベースにして、コントラストは控え目に、色は鮮やか目に、色合いや階調をカメラが自動的に調整します。
透明感あふれる肌の質感と豊かな諧調で表現する[リッチトーンポートレート]
Ver.2.00のアップデートでピクチャーコントロールにリッチトーンポートレートが追加されました。この設定では透明感あふれる美しい肌の質感と肌のトーンの豊かな色調、そしてシャドー部からハイライト部までのディテールが引き立ちます。通常のポートレートと比較してより多くの肌のディテールが保持されるため、画像のレタッチにも適しています。さらに、人物印象調整や美肌効果、ポートレート用レンズと組み合わせることで、撮影したままの映像で魅力的なポートレートが得られます。
光と影で自分だけの世界を作り上げるモノクローム
シャープでダイナミックな高コントラストの「モノクローム」に加え、影から光へのグラデーションが滑らかで、中間調が豊かで温かく柔らかい印象の「フラットモノクローム」、中間調は暗めながらシャドー部の黒つぶれを抑えてダークトーンを再現する「ディープトーンモノクローム」を搭載。「ディープトーンモノクローム」では、赤の感度が高く青の感度は低いという、特徴的な階調特性・感色性で、陰影感を高めながら青空は暗く、赤い花や唇は明るめに描写できます。
表現力豊かなCreative Picture Control
多彩な画調で独創的な映像表現を可能にする、下記20種類の[Creative Picture Control]を搭載。
効果の度合い(適用度:0~100・10ステップ刻み)も調整できます。
ドリーム、モーニング、ポップ、サンデー、ソンバー、ドラマ、サイレンス、ブリーチ、メランコリック、ピュア、デニム、トイ、セピア、ブルー、レッド、ピンク、チャコール、グラファイト、バイナリー、カーボン