50mmで開放f/1.4という明るさとボケ、やわらかな描写が相まったNIKKOR Z 50mm f/1.4は、人物撮影にとても向いている。被写体を的確に捉えつつもそこに硬さはなく、その場の空気も含んだようなどこか優しい印象にしてくれる。その上とても扱いやすい重さ・サイズ感なので、いつでも気張らずに使えるハードルの低さがあり、日々持ち歩いてのスナップもはかどる。日常が非日常に写るという撮影の原体験に戻れる感覚もあった。被写体のふとした瞬間や、目の前に急に現れた状況を撮り逃さないようにしたいと思っている私にとって、サッと扱えるそのラフさと適度にやわらかな描写は、このレンズの確かな強みになっている。
1995年生まれ。株式会社コエ所属。武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業後、DRAWING AND MANUALへの参加を経て2021年に独立。自ら撮影・編集を行うスタイルを中心に、MVやドキュメンタリーなどさまざまな映像を手掛ける。
1995年生まれ。株式会社コエ所属。武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業後、DRAWING AND MANUALへの参加を経て2021年に独立。自ら撮影・編集を行うスタイルを中心に、MVやドキュメンタリーなどさまざまな映像を手掛ける。
50mmという標準画角の中で広い画作りを目指し、抜けの良い高原で被写体と思い切り距離を取って撮影した。ダイナミックな雲や遠景も写しつつ、開放f/1.4の被写界深度によって人物は主役としてしっかりと浮き立たせた。手前の花のボケも良いアクセントになり、期待以上の画になった。
光に当たって輝いていた植物を撮影。開放f/1.4で撮影すると大きな玉ボケが生まれ、爽やかな風が吹いていたその場の空気感と、葉の生き生きとした様子を捉えられた。全体がくっきりと写りやすいS-Lineレンズとはまた違って、画全体の描写の印象はやわらかい。
50mmの画角で広い画を狙った1枚。開放f/1.4で羊のみにピントを合わせて背景をほんのりぼかすことで、入道雲や青々とした木々など初夏の牧場の様子を写しつつも、その中でのびのびと過ごす羊をしっかりと主役に立たせた画になった。
日が傾き始めた湖畔で、湖面に反射する光を受けながら逆光で撮影。開放f/1.4のたっぷりとしたボケとやわらかい描写特性が、被写体のエモーショナルな空気感を一層引き立たせてくれた。その上で耳付近の風になびく髪の毛先などのディテールはしっかりと捉えられている。
芝生に寝転びながら撮影。最短撮影距離0.37mという優れた近接撮影性能によって、被写体にかなり近づきながらも瞳にピントを合わせられた。その上で開放f/1.4による画面全体のボケが、親密でリラックスした空気感をさらに情緒的にしている。
斜陽の中、逆光での撮影だったが、開放f/1.4でも期待以上にピント面は精密で、自然で大きなボケと相まって美しく立体感のある描写が得られた。その上で全体の印象は硬くならず、光も優しく捉えていて良い手応えを得た瞬間だった。
早朝、日が昇る直前に撮影。薄暗い環境でも開放f/1.4を使えばISO 100の高画質で手持ち撮影も可能。Z6IIIの描写性能と組み合わさることで、赤と青の入り混じったような豊かな雲の色味や質感を、撮影時に目にした感動のまま捉えられた。
NIKKOR Z 50mm f/1.4
大口径でありながらコストパフォーマンスに優れる
大きなボケ味を楽しめる明るい開放F値1.4
速いシャッタースピードや低いISO感度でも適正露出を得やすい
絞り開放では柔らかな描写で、絞ると細部までシャープな解像感
程よく被写体を際立たせて自然な画角で撮れる標準50mmの焦点距離
被写体に思い切って近づける、0.37mの最短撮影距離
気軽に持ち出せる約420gの軽量モデル
フォーカスブリージング※1の低減など、動画撮影に配慮した設計
安心して持ち歩ける、防塵・防滴に配慮した設計※2
※1 フォーカシング時にピント位置の移動にともなって画角が変化する現象。
※2 すべての条件で完全な防塵・防滴を保証するものではありません。