このレンズを初めて体験して驚いたのは、被写体との距離が近くても遠くても、奥行きのある立体感を表現できること。開放絞りf/1.4ならではの柔らかくて大きなボケも魅力で、どんなシーンでもふんわりと表現できる。自然光の入る場所で撮影したときは、ピントが合った輪郭がシャープに浮かび上がりつつも、全体はまるでオールドレンズのようなナチュラルトーン。風景やポートレート、テーブルフォト、スナップなど、さまざまなジャンルで撮影したいというよくばりな願いを、この1本なら叶えてくれる。
埼玉県出身のフォトグラファー。「透明感のある儚い世界観」を表現することが得意で、作品制作のほか、地元や旅した地域の魅力を発信する活動を行っている。
埼玉県出身のフォトグラファー。「透明感のある儚い世界観」を表現することが得意で、作品制作のほか、地元や旅した地域の魅力を発信する活動を行っている。
埼玉県入間市にある茶畑にて。緑がより鮮やかに写る晴れた日の午後を狙って、ポートレートを撮影した。人物がゆがまないよう顔を画面中央に配置し、顔と同じくらいの高さで撮影。背景をぼかして人物を際立たせることで、のどかな風景に程よく映える1枚になった。
旅先のカフェで食べたスイーツ。27cmの最短撮影距離を活かし、席に座ったまま撮影。自然光が当たる場所から逆光で撮ると、屋外の風景が柔らかくぼけて幻想的になる。近くのものをふんわりと撮影したいときが、このレンズの出番だ。
八高線沿線の1枚。まっすぐ続く線路の美しさに惹かれた。放射線構図を意識して撮影すると、肉眼以上にワイドに写る。開放絞り、広角、フルサイズという周辺減光が起こりやすい条件でもあまり目立たないため、このレンズは奥行きのある風景写真にも適している。
35mmらしい広い画角のスナップに挑戦。写真は「森、道、市場」で見つけた本のワゴンカー。f/1.4に設定して車にピントを合わせ、手前の植え込みをレンズの前に近づけて撮影した。柔らかな植物の前ボケがアクセントになり、ピントの合った被写体をより際立たせている。
まばゆい光を放つ晴天の空の下、手のシルエットを入れて太陽をキャッチ。35mmの画角は手元を撮影するときにもちょうど良い。重さが約415gと小型・軽量で取り回しが良く、カメラを上に掲げて光条を捉えるような体勢でも腕が疲れなかった。
NIKKOR Z 35mm f/1.4
大口径でありながらコストパフォーマンスに優れる
大きなボケ味を楽しめる明るい開放F値1.4
速いシャッタースピードや低いISO感度でも適正露出を得やすい
絞り開放では柔らかな描写で、絞ると細部までシャープな解像感
目で見たままの自然な範囲が写る広角35mmの焦点距離
被写体に思い切って近づける、0.27mの最短撮影距離
気軽に持ち出せる約415gの軽量モデル
フォーカスブリージング※1抑制など、動画撮影に配慮した設計
安心して持ち歩ける、防塵・防滴に配慮した設計※2
※1 フォーカシング時にピント位置の移動にともなって画角が変化する現象。
※2 すべての条件で完全な防塵・防滴を保証するものではありません。