2024/6/17

カラーグレーディングよりも手軽で、
ほどよく鮮やかな2つの色再現レシピ

作品制作において色は重要なファクターですが、カラーグレーディングは少々ハードルが高いもの。ナチュラルさと鮮やかさのベストバランスにこだわったピクチャーコントロールで、映像の色調整を手軽に楽しみましょう。

リアルな体験の映像化に不可欠な記憶色の再現

私はライフワークとして、ビデオグラファースタイルで旅の記録をしています。その中で特に大切にしているのは、自分が見た情景を感じたまま映像に残すことです。それは自分の目で見た色に近づけることで、映像の色味を決めるカラーグレーディングを行う際の基準になっています。リアルな体験を映像に変換するために欠かせない作業です。

旅の中で偶発的に出合ったシーンというのは、それ自体が同じでも人によって捉え方がまったく違うと思います。その違い、自分だけの感動を正確に伝える方法が記憶色の再現で、私の場合は自然でかつ鮮やかな色を意識しています。

左:オート、右:Cloudy Forest

森のグリーンが引き立つCloudy Forest

フレキシブルカラーピクチャーコントロールは、理想に近い色を簡易的に再現できるのが一番の魅力です。特に映像を始めたばかりのユーザーにとって、カラーグレーディングなどのワークフローは複雑で、イメージ通りの色を再現するのはとても難しいです。色の再現レシピとも言えるこの機能はとても重宝されるはずです。

「Cloudy Forest」は曇り空や森の中など、屋外での撮影を想定したシネマティックな色味です。暗部に少し青が入り、森や木々の緑がとても際立つように調整しています。人物の肌の色もしっかりと保たれるので、ポートレート作品での使用も可能です。

また、全体の明暗でまったく違った印象になるのがCloudy Forestの面白さ。あらかじめカメラに登録し、撮影時に露出を見ながら好みの雰囲気を探すのがおすすめです。

ピクチャーコントロール:Cloudy Forest
左:オート、右:Warm Portrait

自然な肌の色に仕上がるWarm Portrait

「Warm Portrait」は文字通りポートレート作品で使用することを目的にした色味で、天候や場所を選ばずに使用できるように調整しています。ナチュラルさを保ちながら、少しだけ暖色寄りの雰囲気に仕上がります。強いくせがなく、屋外であれば環境を選ばずに使用できます。

映像で使用することも考慮しているため、コントラストはそれほど強くありません。階調を引き締めたい場合は、カメラの動画記録ファイル形式で10-bitを選んだ上で、編集ソフトでコントラストを上げるといいでしょう。

ピクチャーコントロール:Warm Portrait
ピクチャーコントロール:Warm Portrait

記事で紹介した
イメージングレシピ

Cloudy Forest

Warm Portrait

Y2シネマティックビデオグラファー

東京を拠点に観光、ドキュメンタリーなどの映像制作に取り組む。日本では珍しい、壮大な自然を捉えたシネマティック表現と、映像を引き立てるカラーグレーディングを得意とする。自身の活動を通して「映像」の本質的な魅力や素晴らしさをより多くの人に伝えていくことを目指している。

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Z6III

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