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カラーグレーディングよりも手軽で、
ほどよく鮮やかな2つの色再現レシピ
作品制作において色は重要なファクターですが、カラーグレーディングは少々ハードルが高いもの。ナチュラルさと鮮やかさのベストバランスにこだわったピクチャーコントロールで、映像の色調整を手軽に楽しみましょう。
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リアルな体験の映像化に不可欠な記憶色の再現
私はライフワークとして、ビデオグラファースタイルで旅の記録をしています。その中で特に大切にしているのは、自分が見た情景を感じたまま映像に残すことです。それは自分の目で見た色に近づけることで、映像の色味を決めるカラーグレーディングを行う際の基準になっています。リアルな体験を映像に変換するために欠かせない作業です。
旅の中で偶発的に出合ったシーンというのは、それ自体が同じでも人によって捉え方がまったく違うと思います。その違い、自分だけの感動を正確に伝える方法が記憶色の再現で、私の場合は自然でかつ鮮やかな色を意識しています。
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森のグリーンが引き立つCloudy Forest
フレキシブルカラーピクチャーコントロールは、理想に近い色を簡易的に再現できるのが一番の魅力です。特に映像を始めたばかりのユーザーにとって、カラーグレーディングなどのワークフローは複雑で、イメージ通りの色を再現するのはとても難しいです。色の再現レシピとも言えるこの機能はとても重宝されるはずです。
「Cloudy Forest」は曇り空や森の中など、屋外での撮影を想定したシネマティックな色味です。暗部に少し青が入り、森や木々の緑がとても際立つように調整しています。人物の肌の色もしっかりと保たれるので、ポートレート作品での使用も可能です。
また、全体の明暗でまったく違った印象になるのがCloudy Forestの面白さ。あらかじめカメラに登録し、撮影時に露出を見ながら好みの雰囲気を探すのがおすすめです。
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自然な肌の色に仕上がるWarm Portrait
「Warm Portrait」は文字通りポートレート作品で使用することを目的にした色味で、天候や場所を選ばずに使用できるように調整しています。ナチュラルさを保ちながら、少しだけ暖色寄りの雰囲気に仕上がります。強いくせがなく、屋外であれば環境を選ばずに使用できます。
映像で使用することも考慮しているため、コントラストはそれほど強くありません。階調を引き締めたい場合は、カメラの動画記録ファイル形式で10-bitを選んだ上で、編集ソフトでコントラストを上げるといいでしょう。
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記事で紹介した
イメージングレシピ
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